56.領地生活
お祖父様には色々バレてたみたい。家族にもバレなかったのにお祖父様鋭い!
皆レイとのことを勘違いしてるけど、男女の友情は存在すると思ってるからそれだよ。
レイは誰かと結婚とか考えたことあるのかな?好みとかあるのかな?その辺はレイと話したことないな。今度聞いてみようかな?
領地での生活はゆったりまったり時間が流れていて、何も考えなくて良くて本当に幸せだ。
スノウと森に行くときはすごい癒やされている。可愛い動物に澄んだ空気!見渡す限りの自然!
スノウは領地に来て、王都でいるときよりも成長している。成長スピードがこちらの方が早いのだ。
まだたてがみは生えていないが随分大きくなった。大型犬ぐらいだ。
「スノウ大きくなったね。王都へ帰るのに大丈夫かな?」
『スノウ小さくなれるから大丈夫』
「小さくなれるの」
『うん』
さすが精霊である。
昔作ったブランコも、まだ残ってる。ぼんやりしながら乗るのが定番だ。椅子型ブランコの近くに普通のブランコも作った!一人でも乗るけど、レイが来たときは2人乗りだ。危ないから良い子は真似してはいけないやつだ!
レイも2週間おきぐらいにきて、3日ぐらい滞在して帰る。王子として公務もあるだろうに、会いに来てくれるのだ。
月に1回ぐらいは家族も来る。皆来てくれるから寂しくもない。
手紙もベラ様とレオおじ様とやり取りしている。
街での食べ歩きも相変わらずしている。魔物はあれから受け入れられるようになり、今では皆普通に買っている。私は並ばなくても良いフリーパスだ!
そうそう!あのゲソの醤油もどきも手に入れた!醤油をつかって照り焼きを作ったり、肉じゃがを作ったり日本食もどきも楽しんでる。
お祖父様もお祖母様も日本食が好きみたいで、たまに私が料理をしている。料理人も覚えてくれている。
領地にいても何も困らないしな、王都行くのやだなぁ。もうすぐ16歳になる。
一度帰ってこいとお母様に言われている。デビュタントのドレスを作るのだとか。何でもいいんだけどな。
私はやはりお父様にそっくりに美しく成長中だ。スタイルもそこそこいい。前世の感覚から行くと、勝組万歳!である。
この容姿を活かせないのはちょっと残念かな…
「ティアー!迎えに来たよ!」
レイは随分背がのびて、完全に見上げなければいけなくなった。顔は大人っぽくなったけど、可愛い顔立ちのままだ。鍛えてるから体も細マッチョだ。
「レイ!レイが迎えにきてくれたの?」
再会のハグだ。もうすっぽり腕の中に納まるようになってしまった。
「うん!お迎え争奪戦に勝ったからね」
「何それ。レイまた大きくなった?」
「成長期だからね。ティアはまた美しくなったね」
これである。
「ありがとう?」
「なんで疑問形なの?」
「言われ慣れてないから」
「君たちの関係は本当に意味がわからんな。相変わらず」
「お祖父様、子供の時と変わらないでしょう?」
「だから余計にわからんのだ。普通は年頃になると変わるだろう」
「確かに、カイル兄さまとは距離をおくようになっていったわね」
「ティア、それ割と最初からだよ」
「そう?じゃあ、やっぱりレイは別ね」
「恋人に見えるならデビュタントでも虫よけになっていいでしょ?」
「レイス殿下、ティアの出会いの場なのですが」
「でも変なのが付いてきたら困るでしょ?僕がいてもティアにアタックするぐらいじゃないと任せられないよね」
「そうなの?」
「そうなの!」
「だって。お祖父様」
「頼みましたよ!殿下!」
「任せといて!」
軽いけど大丈夫?まあ何でもいいや。
無事終わるといいな。




