54.友達
それから私とベル様は友達になった。残念ながらベル様はお相手ができなかったようだが、楽しかったそうだから良かった!
私は暇だからよくベル様と会っている。
「ティア様は好みの男性とかいませんの?」
「私は傷物ですし、もういい縁談はないでしょうからいいのですわ」
「傷物って噂だけでしょう?優しくて綺麗なティア様ならそんなスキャンダル無いのも同じですわ」
「でも私デビュタントまで社交するつもりないですし、デビュタントが終わったら領地へ籠ろうと思ってますの」
「まあ!どうしてですの?」
「私貴族社会が苦手なのですわ。陰でこそこそ言われるのも、それを上手く躱すのも。レイと仲良くしてると皆さんよく思わないみたいですし。どうして仲良くしたらいけませんの?3歳から一緒なのですよ?理不尽なことばかりで我慢するのに疲れたのですわ」
「王子様方と仲良くされるのも大変なのですね。実際のところレイス殿下とは恋人同士ではないのですか?」
「全く。弟のような兄のような家族みたいな感じですわね」
「だから距離が近いのですね?」
「そうですね。一緒にいるのが当たり前でしたから」
「レイス殿下と結婚を考えたりは」
「お互いに無いですね。男女の双子の姉弟だと思っていただければ」
「そうなんですのね。ではティア様、理想はどんな方です?」
「素敵なおじ様ですわ!」
「まあティア様、年上がすきなのですか?」
「ええ。それも随分。お父様みたいな素敵な人がいいのですわ」
お父様と結婚する!!である。
「まだティア様は14歳ですし、これから変わるかもしれないですわよね」
お父様が好きな子供だと思われてる。
「結婚願望は無いのです。ですから結婚したいと思える方が現れたら結婚するし現れなければ、旅に出るのですわ」
「なるほど、わたくしも結婚に囚われずに何か考えてみますわ!」
と意気込み帰っていった。
そろそろ領地へ行きたいな。お祖父様やお祖母様にも会いたいし、のんびりしたいわ~。スノウとあの森でお昼寝とかもしたいわね。
「お父様、領地へ行こうと思います」
「待ちなさい。父上に手紙を出して返事が来てからだ」
「はーい」
デビュタントまで帰らず領地で過ごそうかな。
馬にも乗りたいし、新しい食材探すのもいいかもしれない。
スノウも自由にできるし、最高よね。
「スノウ領地へ行こうと思うの」
『そうなの?』
「スノウを拾ったところにも行こうね」
『うん!』
「しばらく向こうでのんびりしよう~」
『楽しみだね~』
あれからスノウは少しずつだけど大きくなっている。
どう見てもライオンである。
あの私が襲われたとき、レイを呼びに行くのに飛んで行ったらしいんだけど精霊だもんね飛べるよね。
普通に受け入れてるレイもすごくない?順応性高すぎでしょ。
しかもレイに話しかけたみたいだし。緊急事態だったのもあるけど
『レイはかならずティアをたすけるから』
らしい。
相変わらずもっふもふだから毎日もふりたおしている。癒される。




