52.お見合い
お父様は早速騎士団で話をしてきた。
「ティア!皆も喜んでいたぞ!それでな、陛下にも相談して場所でも借りるか?」
「ご令嬢も賛成だったの!ううん。うちでやるわ」
「なんでだ?それに文官たちから文句が出そうではないか?」
「文官の方は夜会に出てるでしょう?騎士たちは警護でほぼ出られないじゃない。文官の方、これで文句言ってたら夜会の時に何をしているの?夜会で声かけられないのに文句言うのは筋違いでしょ?」
「ティア厳しいな」
「男なら当たって砕けろでしょ!で、陛下に言わないのは王宮で王家主催なんてしたらそれこそ夜会でしょ?それに不平不満がでるわ。うちは皆騎士団所属だし、お父様が面倒見たっていうので文句言われないと思うのよね」
「なるほど。じゃあ準備が大変だが、家のことはリアーナとティアに任せよう」
「私時間が有り余っているのですよ。お父様」
「無理しない程度に頼んだぞ」
ということで早速お見合い準備である。
ちなみにお母様は「まあ!素敵!さっそく準備しないと!!」とやたら張り切っていた。
今回ご令嬢の年齢の最低だけは決めた。15歳からだ。上は上限なし。ご令嬢には私兵団と騎士団どちらがいいかを選んでいただいている。私兵団は少ないがそれはまあ仕方ないだろう。
人数も多いから何日かに分ける。騎士団で参加したい人は仕事を皆で調整してもらって出られるようにしているみたいだ。ご令嬢は出たければ全日程出ても構わないという取り決めにした。
当日。人がわんさか来ている。
うちは、場所と飲食を提供するだけで何もしない。
私は見ているだけだ。ぜひお兄様たちにも良き相手を見つけていただきたい。
皆見目麗しいので眼福以外の何物でもない。
ご令嬢たちも差別しない相手に顔も明るい。より素敵である。
その様子をお父様やセディさんも見に来ている。
「ティアちゃん久しぶり。元気そうだね」
「至って元気ですわセディさん」
「それで、よくこんなの思いついたね」
「思ったよりも大規模になったけど、需要と供給ですわ」
「セディさんの息子さんたちも参加されているのですか?」
「そうだよ。息子たちも出会いがなくてね」
「まあ!いいお相手に出会えることをお祈りしておきます」
「ありがとう。ティアちゃんが娘になってくれてもいいんだけどね」
「私は遠慮しておきますわ」
「残念だ」
私は年上がいいんだ!そこはブレない。でもそこまで結婚したいわけじゃないから出会えなければそれでいい。年上のイケオジを愛でるだけでいい。
数時間後、数組カップルができていそうだ。
あとはデートに行くなり何なり好きにしておくれ。
何日も開催されたお見合いは、なかなかの好成績を残すことになったのだった。
カップルになれなくても、友達になればその友達とかもあったりするから出会いは大事だ。




