40.スノウ視点
ある日いきなりぼくは生まれた。でも親はいなかった。寂しい日々を送っていると楽しそうなこえがきこえてきた。
遠くから見ていると、小さい女のこと男のこが楽しそうにあそんでいた。
ぼくも遊びたいな。
またある日、同じこえが聞こえた。
こんどは近づいてみる。すると女のこは逃げずにこちらを見ていた。
もっと近よると。すごくなでまわされた。
ぼくはかわいいらしい。
おいていこうとする女のこに付いていく。もうひとりはさみしい。
つれて行って。
女のこはティアといった。
ぼくにも名前を付けてくれた。スノウ。ぼくはスノウ。
そのときから、ティアとぼくのつながりはふかくなったんだ。
名前を付けてくれたことで、自分がなにであるかを理解した。
親はいる。たぶんどこかに。でも精霊は育てない。かってに育つから、でもたまにぼくみたいに寂しいと思った精霊はにんげんのところに行くんだ。
ティアは毎日あそんでくれる。レイが一緒だったり、ティアの兄たちが一緒だったりするけどいつも一緒だ。毎日楽しいんだ。それで1日のさいごはティアと一緒に話をしながらねるんだ。
ぼくは知っている。ティアがふつうの子どもではないことを。このせかいとは違うきおくがあることを。
でもティアがだまっているなら。ぼくは話さない。ぼくは本当はだれとでも話せるんだ。けどティアとだけしか話さない。とらえられたらいけないから。
そうして、精霊はへっていったから。
でもレイとは話をしてもいいかもしれない。
きっとぼくがいることでティアも狙われることがある。きっとティアはぼくを守ろうとしてくれると思う。ぼくも守る!
ぼくはティアと離れたくないんだ。ティアは親でありともだちだから。
いつまでも一緒にいるんだ。




