34.謎の生物
謎の生物を連れて帰った時、お祖母様は驚いていたけど
私とレイともふもふの戯れが堪らないらしく、使用人ともども微笑ましく見ている。
そのもふもふと触れ合いながら名前を考えている。雌雄もわからないのである。
「わたしはてぃあな。あなたのなまえだけど、すのうってどう?」
安易である。真っ白だからSNOWだ。
シ〇バとか〇オとかでもよかったんだけどねぇ。
そう。このもふもふ、前世でいうところのライオンの子に似ているのである。耳に柄は無く真っ白なのだが。
『すのう。ぼくのなまえはすのう。てぃあな、よろしくね』
ん?
何か聞こえたぞ。
そんなファンタジーな。
「あなた喋ったの?」
『ううん。てぃあになまえつけてもらったから、てぃあとつながりができたの』
どうやらテレパシー的なあれらしい。
「それって誰かに教えてもいい?」
『てぃあのおじいさまならいいかな』
「そうなの?じゃあおじいさまには報告するね?」
『いいよ』
「おじいさま。このこのなまえ、すのうにきめたの」
「スノウか。よろしくなスノウ」
「このこになまえつけたら、こころのこえがきこえるようになったの」
「なんだって?!やっぱりそれはただの動物ではないぞ」
だよねぇ。だってファンタジーすぎるじゃない。
「ちょっと調べてみよう。その子は何か言っているか?」
「こころのこえがきこえるのは、おじいさまにならいってもいいって」
「ほかの人に言ってはならんのか。それは調べようも無いな。動物ではなかったみたいだしな。わかるまで普通に育てるしかないか」
ペットとして育てるほかないようだ。
可愛いからまあいっか。このもふもふ堪らないんだよー。何とも言えない触り心地。
「すのうはなにたべるの?」
『なんでもたべるし、たべなくてもだいじょうぶ』
食べなくても大丈夫とは。死なないの?
『てぃあがたべてるものいっしょにたべる』
「わかった」
お食事事情もとくに難しくなくてよかった。
「そういえば、あのときなんでわたしのところへきたの?」
『まえにもあのもりにきたでしょ?たのしそうだったの』
「しってたんだ」
『たのしそうなこえきこえてた。すのうひとりでさみしいの』
「おかあさんは?」
『わからない。きづいたときにはいなかったの』
「そっかー。これからはいっしょだからだいじょうぶだよ」
『うん。さみしくないね』
これからずっと行動を共にすることになるのである。朝から晩まで寝る時も一緒。たまにレイも一緒に寝ている。3歳だからできることである。
領地に帰る前までに作っておきたいものがある。
「おばあさまー」
「どうしたのティア?」
「あのね、つくりたいおようふくがあるの」
「まあ!どんなおようふくかしら?」
絶対伝わらないから、絵に描く。
「これは服なの?」
「うん。つながってるの」
「とりあえず、仕立て屋さんへ行きましょうか?」
よくわからなかったみたいだ。その概念がないからしかたないよね。
仕立て屋さんにまた絵を見せる。
「こんな服は見たこともありませんし、想像もできませんね」
ということで、生地から選んでいく。真っ白のふわふわの生地だ。
あとは絵から想像して作ってもらうしかない。
後ろ姿も描く、仕立て屋さんと質疑応答しながら型紙を起こしていく。
2つお願いしますね。
「仮縫いまで2日ください。仮縫いが終わったら試着をお願いできますか?」
「では、2日後また参りますわ」
楽しみだなぁ~。




