30.マヨ
「りょうりちょー」
「お嬢様おかえりなさい。今度はどうしました?」
「あのね、りょうりちょーにつくってほしいものがあるの」
「何でしょう?」
「おすってある?」
「ありますよ」
あるんだ。
「たまごとおすとおしおとあぶら」
「調味料ですか?」
「うん。たまごはきみだけにしてね。きみとおすとおしおをまぜて?しっかりね!きみがしろっぽくなるまでね」
「はい。これぐらいでどうでしょう?」
油の量がわからないから、ちょっとずつ足していく。
「あぶらちょっとずついれてみて?」
なんかそれっぽくなってきたぞ!
「あじみしてみます!」
どれどれ
「おいしー!まよだ!りょうりちょうもたべてみて!」
ちゃんとマヨネーズになってる!
「これはっっ!!美味しいですねお嬢様!」
「ね!ちょっときゅうりきって」
ディップする。これが1番手っ取り早いからね。
「ちょっとつけるだけでもおいしいよね」
「本当だ!これは色々使えそうですね!」
「うん!ちょっとれいよんでくる!」
「れいーーーー!!」
「どうしたの?」
「れい!きて!れいあじみがかりね!」
「あじみ?」
「私が先に毒味を!」
ロイドが付いてくる。仕方ないよね。護衛だもんね。
「ろいど、これたべてみて?」
「これは、きゅうりでは…」
きゅうりが苦手のようだ。
「たべれないの?にんじんでもいいよ?」
「食べます!」
人参も苦手のようだ。
「これつけてたべてね」
「これはっ!これなら食べられます!このタレ?が美味しいです」
「ぼくもたべる」
もぐもぐ。
「おいしいー!これなあに?」
「まよねーずっていうの。つくったんだよ」
「まよねーず…」
「さんどいっちにつかいたくてつくったの!おいしいけど、たくさんたべすぎたらだめだよ?」
「どうして?」
「ふとっちゃうから。ふとったら、れいのかわいさがなくなるからだめよ!」
「そうなの?じゃあちょっとにする」
素直でよろしい。可愛い。
皆に食べてもらう。皆大喜びだし、厨房の皆は新しいメニュー開発に燃えている。
「さっそく今日の夕食に使ってみますね!」
夕食時
サラダにドレッシング代わりについてきた。
「これは初めての味だな。うまい!」
「本当ね!まろやかで美味しいわ!」
お祖父様にもお祖母様にも好評だ。
「これね、さっきりょうりちょうとてぃあでつくったの!さんどいっちにつかいたくて」
「作ったのか?ティアは何でそんなこと知ってるんだ?」
「ゆめでみたの!さんどいっちにはさんでたの」
都合の悪いことは全て夢で見たのである。
「そうか!これは皆好きな味だ。きっと大人気になるぞ」
売る気は特にないのだが。今までもマヨ無しでご飯おいしく食べてたしな。
「おとうさまとおかあさまとおにいさまにもたべてもらうー」
とりあえず、王都の屋敷で食べてもらおう。




