24.ガーネット
「えりーさまーーーー」
「どうしたのティア?あら?レイ泣いてるの?」
首を振るレイ。
「がーねっとみせてください」
「ガーネット?いいけど」
エリー様の髪色にも近いから、すぐに扇子についている宝石を見せてくれた。
「れい。みて。きれいでしょ?れいのかみだってきれいだよ?」
ぽろぽろ泣くレイ。
「かみいろなんてきにしたらだめ。かみはえりーさまににてるから、いやがったらえりーさまかなしいよ?
めはへいかににてるでしょ?それに、おかおはかわいいんだから。わらわないと!わらうとよりかわいいんだよ?」
にっこり。
「レイ。髪色なんて気にしていたの?」
「だってできそこないでしょ?あにうえはきれいなきんぱつなのにぼくは」
「えりーさま、れいのちかくにいるだれかがよけいなことをふきこんでます」
「そうみたいね。私の可愛い息子になんてことを!徹底的に洗うわ」
エリー様燃えてる。
「ティア、ありがとう。リア、ティアは優しい子ね」
「エリー。そうね。優しい子に育っているわ。レイス様、ティアは優しいだけじゃなくとってもお転婆なのよ?」
お母様が明るく笑えるように言う。
「てぃあ、おてんばなの?」
くすりとレイが笑う。
レイに小さい声で
「そうよー。いまならなにやってもおこられないのよ?かわいいから」
にっこり。
「ちょっとわがままいっても、だいじょうぶなんだよ。みてて」
「えりーさま、だっこして?」
小首を傾げる。
「まぁ!可愛い。いいわ。いらっしゃい」
と笑顔で抱き上げてくれる。
「ははうえ。ぼくも」
と恥ずかしそうにレイが言う。
「まあ!息子のおねだりだわ!!手が足りないわ」
「レイス様私ではいけませんか?」
お母様が助け舟をだした。
「りあーなさま」
と両手を出す。お母様がうれしそうに抱っこする。
「男の子を抱っこするの久しぶりだわ」
とお母様も喜んでいる。それからしばらくすると陛下が様子を見に来た。
「おじさまーーーー!!」
と手を振る。
「ティア、いらっしゃい。レイスも侯爵夫人の膝の上かいいなー」
「おじさまだっこー」
と手を両手を上げると、レイも
「ちちうえ、ぼくも」
と両手を上げる。
「どれ、二人ともおいで!」
片膝ずつ抱っこである。陛下が食べられないのであーんしてあげる。
羨ましそうなレイにもあーん。
エリー様に護身術の件をお母様に説得してもらってお母様もしぶしぶ納得した。
そうして和やかにお茶会は終わったのであった。




