22.セイクレッド辺境伯視点
私はレオナルド=セイクレッド。セイクレッド領を治めている。
辺境で魔物からこの国を守っている。
そんな私は妻と息子に領地を任せて、王都へたまに出てくる。
情報がうちまでくるのは時間がかかるから、情報収集をかねつつ騎士団へ顔を出しいい人材がいないか指導しにきているのである。
ちなみに、まだ辺境伯を継ぐ前は陛下に剣術を教えたりもしていた。
今日は久しぶりに、領地から出てきて騎士団へ向かう。
向かっている途中面白いものを見た。小さい騎士服を着た子供だ。護衛と一緒に歩いている。あの髪はコールド侯爵家の子供か?
そこへ陛下が現れた。なぜか上着を脱いでいる。あの子供を驚かそうとしているのか?わざわざ気配を消して。
かわいそうに。あんな小さいのに陛下もひどいことをなさるな。
と思っていると。
まさかの子供が反撃に出ている。
しかもちゃんと姿勢を低くして、踏み込み頭突きとはあの体でできる最大限の攻撃だ。
隙をついて、全力で逃げていった。やるな。さすがコールド家だ。
「ははははは、これは1本取られましたな」
陛下に話しかける。
陛下と話していると、騎士団長が子供を抱いて現れた。
やはり、コールド家の子供だったか。そっくりだな。
騎士服の子供は女の子だったのか。
3歳だというのにしっかり挨拶できている。
しかもしっかり話についてきて、しっかり受け答えしている。
可愛いな。
しかも懐いてくれている。
私は子供受けする容姿ではないのだが、ティアは懐いた。可愛い。
私はてっきりティアにも武芸を教えているのかと思えば、違うという。
しかも、怒られている。護身術は必要だと思うぞ、こんなに愛らしいのだから。
庇ってやるとより懐いた。可愛い。
うちには男の子しかいないから女の子がこんなに可愛いとは知らなかったな。
キース殿とお揃いの騎士団服も可愛いしな。
絵姿をもらうことも約束できたし、妻と息子にも見せてやろう。妻なんて可愛いが止まらなくなるぞ絶対。王妃様も取り乱していたしな。女の人には受けるだろうよ。
息子は…どうかな?
そのあとも大所帯で騎士団へ行って、ティアが考えたという鬼ごっことやらをやったぞ。
中々考えられた遊びだったな。脚力と瞬発力が鍛えられる。うちでもやろうか。
今回は王都へ来た甲斐があったな。またティアに会いに来ないとな。あの子は可愛くて賢くて面白い子だ。成長が楽しみだな。
イケオジを誑し込みました。




