關雎樂而不淫
・原文
子曰、關雎樂而不淫、哀而不傷。
・書き下し文
子曰く、関雎は楽しみて淫せず、哀しみて傷まず。
・解釈
関雎の詩は楽しげでありながらそれに溺れず、哀しげでありながら痛ましくない。
・私言
関雎は詩経にある詩で、要は『良い詩だなぁ』っていう感想になるね
【関雎】
關關雎鳩 在河之洲:關關たる雎鳩は河の洲に在り
窈窕淑女 君子好逑:窈窕たる淑女は君子の好逑
參差荇菜 左右流之:參差たる荇菜は左右に之流むる
窈窕淑女 寤寐求之:窈窕たる淑女は寤ても寐めても之を求むる
求之不得 寤寐思服:之を求むるも得られず、寤ても寐めても思服す
悠哉悠哉 輾轉反側:悠哉悠哉、輾轉反側す
參差荇菜 左右采之:參差たる荇菜は左右に之を采る
窈窕淑女 琴瑟友之:窈窕たる淑女はは琴瑟之を友とす
參差荇菜 左右芼之:參差たる荇菜は左右に之を芼ぶ
窈窕淑女 鍾鼓樂之:窈窕たる淑女は鍾鼓之を楽しむ
・訳
河の中州でミサゴの番が仲睦まじく鳴いている。
あのミサゴの夫婦のように美しく淑やかな女性を妻に迎えたいものだ
丈の揃わぬアサザを右に左にもてあそぶ。
寝ても覚めてもかの女性を考えてしまう。
求めたとて得られず、寝ても覚めても思いは募る。
悶々として落ち着かず、横になっても寝付けない。
丈の揃わぬアサザを右に左に摘み取る。
かの女性が弦楽器を大切に弾くのを思い浮かべるばかりだ。
丈の揃わぬアサザを右に左に選び取る。
かの女性が打楽器を楽しむのを思い浮かべるばかりだ。
・感想
一目ぼれした男が夜も眠れず、家に飾ってあったアサザを手に取り、色々と弄って気を紛らわせようとするが何をしても相手の女性が思い浮かんで悶々としている。
そんな詩に詠めるね。
しかし言うほど楽しげ・哀しげだろうか?
『青春してるなぁ、若人よ』とは思うけどね




