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夏禮吾能言之
・原文
子曰
夏禮吾能言之、杞不足徴也。
殷禮吾能言之、宋不足徴也。
文獻不足故也。
足則吾能徴之矣。
・書き下し文
子曰く、
夏の礼は吾能く之を言えども、杞は徴するに足らざるなり。
殷の礼は吾能く之を言えども、宋は徴するに足らざるなり。
文献足らざるが故なり。
足らば則ち吾能く之を徴せん。
・解釈
自分は夏の国の礼制についての話をよくするが、夏の後継たる杞の国を論拠にできない。
自分は殷の国の礼制についての話をよくするが、殷の後継たる宗の国を論拠にできない。
文書として残っている物が少ないからだ。
残っていれば、自分の話の論拠となっただろう。
・私言
記録を残すって大事だね。
・用語
夏・杞:夏が殷に滅ぼされた後、夏の子孫が封じられたのが杞、杞憂の杞、空が落ちてこないか心配した人が住んでいた国
殷・宋:殷が周に滅ぼされた後、殷の子孫が封じられたのが宋、宋という国名は中国史で何回も出て来るが別物なので注意
封じる:封印されるわけでは無い、『ここはお前に任せたよ』と任された領地




