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君子不器
・原文
子曰
君子不器。
・書き下し文
子曰く、君子は器ならず。
・解釈
民を導く者は、不遍的でなければならない。
民を導く者は、機械的であってはならない。
・私言
この解釈には二つある。
まず、【器】とは単一能力を有する道具である。
そこから『器ならず』とは単一能力を指すのか、道具を指すのかで意味が違って来る。
能力を指すならば、『組織のTOPに立つ者は専門家である必要はない。』となる
組織のTOPはむしろ、専門家を使う立場だからである。
むしろ満遍なく知っているくらいが良い。
道具を指すならば、『組織のTOPに立つ者は機械的であってはならない。』となる。
すなわち『法令や合理性で物事を見て、淡々と政治をするのではなく、人情味を持って政治をせよ』となる。
儒学的に考えると後者なのだろうか?




