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宰我問曰
・原文
宰我問曰
仁者雖告之曰井有仁焉、其從之也。
子曰
何爲其然也。
君子可逝也、不可陷也。
可欺也、不可罔也。
・書き下し文
宰我、問いて曰く
仁者は之に告げて井に仁有りと曰うと雖も、其之に従わんや。
子曰く
何為れぞ其れ然らんや。
君子は逝かしむ可きも、陥る可からざるなり。
欺く可きも、罔う可らざるなり。
・解釈
宰我さんが尋ねられた。
『仁徳有る人は、井戸に人が落ちたと聞いた時に、疑うことなく井戸に飛び込み助けようとするでしょうか?』
先師は言われた。
『そんなことはしない』
『君子は仮に井戸まで行ったとしても、中を確認もせず飛び込む事は無い』
『筋の通った話で騙されても、筋の通らない話では騙されないのだ』
・私言
よくよく調べもせずに井戸に飛び込んだら、粗忽者の誹りを受けよう。
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