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子曰孟之反不伐
・原文
子曰
孟之反不伐。
奔而殿。
將入門、策其馬曰
非敢後也、馬不進也。
・書き下し文
子曰く
孟之反は伐らず。
奔りて殿たり。
将に門に入らんとするや、其の馬に策うちて曰く
敢て後たるに非ず、馬進まざればなりと。
・解釈
孟之反さんは己の功績を誇らない。
敗走の殿を勤め、ようやく城門に入ろうとした時に、馬に鞭を当てて言われた。
『進んで殿軍を勤めたのではない、馬が足が遅く走らなかったからだ』と
・私言
もしここで『自分が殿を勤めたおかげだ』などと言っていたら、味方に不和が発生するだろう。
負け戦で意気消沈している時に不和が発生したら、収拾つかなくなってしまう。
・用語
殿:軍隊の撤退時に隊列の最後尾にて敵の追撃を防ぎ味方を逃がす役目、勝ち戦で勢いに乗っている敵を負け戦で士気低い味方を指揮して相手せねばならず、非常に苦しく危険な戦いを強いられるため優れた将が任じられる。
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