雍也
・原文
子曰
雍也可使南面。
仲弓問子桑伯子。
子曰
可也。
簡。
仲弓曰
居敬而行簡、以臨其民、不亦可乎。
居簡而行簡、無乃大簡乎。
子曰
雍之言然。
・書き下し文
子曰く
雍や南面せしむ可し。
仲弓、子桑伯子を問う。
子曰く
可なり。
簡なり。
仲弓曰く
敬に居て簡を行い、以て其の民に臨むは、亦可ならずや。
簡に居て簡を行うは、乃ち大簡んなること無からんや。
子曰く
雍の言然り。
・解釈
先生は言われた。
『雍は君主の座に相応しい』
仲弓さんが、子桑伯子について問うた時
先生は言われた。
『おおらかで、よい人物だ』
仲弓さんがさらに尋ねた。
『思索は慎重で、行動はおおらかにするのが、為政にあたりよろしいかと存じます』
『しかし、思索もおおらか、行動もおおらかでは、おざなりではありませんか?』
先生は言われた。
『確かに雍の言うとおりだ』
・私言
自分の考えの誤りを指摘した門人に対し、指摘を受け入れ訂正し、かつそれを公言する姿勢は立派なものだと思う。
・用語
雍:姓は冉、名は雍、字を仲弓、孔子の門人で29歳年下
子桑伯子:誰なのかわからんらしい
南面:玉座は部屋の北側にあり、その座に座る君主は南側を向いて政治をすることから、転じて君主の位
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