宰予晝寢
・原文
宰予晝寢。
子曰
朽木不可雕也。
糞土之牆、不可杇也。
於予與何誅。
子曰
始吾於人也、聽其言而信其行。
今吾於人也、聽其言而觀其行。
於予與改是。
・書き下し文
宰予、昼寝。
子曰く
朽木は雕る可からず。
糞土の牆は杇る可からず。
予に於いてか何ぞ誅ん。
子曰く
始め吾、人に於けるや、其の言を聴きて其の行いを信ぜり。
今吾、人に於けるや、其の言を聴きて其の行いを観る。
予に於いてか是を改む。
・解釈
宰予が昼寝をしていた。
それを知った先生は言われた。
『朽木は彫れないし、下地が悪い土塀は上塗りできない、それなら予を叱ることも出来まいよ』
『今まではその人の行いはその人の話通りだと信じていたが、これからは実際に見てからにしよう』
『予の前例があるからね』
・私言
話を盛る人は多いからね。
人の話は話半分に聞いておくくらいが丁度よい。
それにしても昼寝しただけでえらい言われようだな。
四字熟語の【朽木糞牆】
諺の【朽木は彫るべからず、糞土の牆は塗るべからず】
の由来である。
意味は『怠け者は教育のしようがない』
言われないよう気を付けよう
・用語
糞土:低品質の土、土にも用途によって向き不向きがある。例えば陶器は土で出来ているが、その辺の土で作ろうとしたところで物にならないのと同じ。今回の場合は壁塗りに適さない土。
牆:土塀のこと、土壁に土を塗る際は何層かに分けて塗っていくが、下地が悪いと上塗りが出来なくなる。(土同士の接着が悪くて剥がれてしまう。)
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