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第二十九話:虎を待つ、鉄の檻(中編)

武蔵・上野こうずけの国境、平井城近郊。

 地平線の彼方から大地を震わせるひづめの音が響く。武田の先鋒、山県昌景やまがた まさかげ率いる「赤備え」である。

「……来たな。戦国最強の突撃だ」

 本陣の物見櫓ものみやぐらで、浪紫は静かに眼鏡を押し上げた。

「かかれッ! 踏み潰せッ!」

 山県の烈火の如き号令と共に、赤い津波が押し寄せる。だが、突撃した騎馬たちが連合軍の目前で次々と「沈んだ」。浪紫が掘らせた細い溝と、鋭い鉄片を編み込んだ縄が馬の脚を無慈悲に絡め取ったのだ。

 速度を殺された騎馬隊へ、上空の観測大凧から合図が送られる。

 それを受け、後方に控えていた小田軍の大筒が一斉に火を噴いた。

 ドォォォォン!!

 空からの観測に基づき、目視できない距離から正確に注がれる砲弾。

「小田め……! 卑怯な真似を!」

 山県が苦渋に顔を歪ませたその時、浪紫は「秘策」を放った。

 上空で待機していた大凧から、ロケット花火の原理を応用した推進薬付きの爆弾が切り離された。爆弾は火を噴きながら、一直線に信玄の「本陣幕」を目指して飛来する。

(……ちろ、戦国最強)

 信玄の本陣が、見たこともない「空飛ぶ火塊ひかたまり」に包まれようとしていた。

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