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[書籍第2巻、4月18日発売!]隻眼錬金剣士のやり直し奇譚-片目を奪われて廃業間際だと思われた奇人が全てを凌駕するまで-【第4回HJ小説大賞 年間最優秀賞受賞!!!】  作者: 黒頭白尾@書籍化作業中
第三章 終わら(せられ)ない借金生活とダンジョン氾濫編

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第八話 新たな錬金真眼の能力と捨てられない眼帯

活動報告のアンケートに答えていただいた方々、ありがとうございます。

希望があったのから順次書いていこうと思いますので、気長にお待ちください。

 ダンジョンに来た。これで薬の効果も半減しない。


 なので念のために各種一本ずつだけ残して他のステータスアップポーションを使用してみた。

 つまり合計で中位と上位を四本ずつ使った訳だ。


 その結果、全ステータス合計で44上がったのでこうなった。


八代 夜一

ランク10

ステータス

HP  158

MP  150

STR 146

VIT 141

INT 143

MID 159

AGI 144

DEX 145

LUC 136

スキル 錬金レベルⅢ 錬金素材作成レベルⅢ 錬金真眼レベルⅢ 霊薬作成レベルⅡ アルケミーボックス 錬金術の秘奥(マスターアルケミー) 剣技覚醒 水銃レベルⅠ

ジョブ 錬金剣士レベルⅢ


 これならレベルⅣにもそう遠くない内になれそうである。


「あーでも鑑定能力は変わらないのか」


 錬金真眼がレベルⅢになったことで目的としていたアイテムなどに対する鑑定能力の強化は手に入らなかった。


 だがその代わりに別の能力が加わっている。


(状態異常耐性と偽装隠蔽、それにステータス鑑定か)


 最後のステータス鑑定はある意味で惜しかったかもしれない。


 どうやらこれがあれば魔物でも人間でも対象として選択した存在のステータスを見ることが出来るようになるみたいだ。


 そして俺が偽装隠蔽のスキルを手に入れたことから分かるように、このようなステータス鑑定を防ぐ手段も存在している。


 仮に俺がステータス鑑定のスキルを向けられた場合、この偽装隠蔽がそれを自動的に防ごうとする訳だ。


 こういった相反するスキルの効果がかち合った場合、勝敗を決する要因となるのはまずスキルレベルだ。


 俺の偽装隠蔽などの錬金真眼によって手に入った能力は全て錬金真眼のスキルレベルと連動しているようなのでそれらは現在のレベルはⅢの効力を持っていることになる。


 つまりそれ未満のレベルⅡ以下のステータス鑑定などを通さず、逆にレベルⅣ以上の場合は防げずに終わるわけだ。


 そして同レベルだった場合はそれぞれのスキルに影響を及ぼすステータス次第となる。


 最後の状態異常耐性はその名の通りだ。


 ただし視覚を介するものに関してはレベルを問わず完全無効化できるという限定的な強みもあるようだ。


(これがあれば仮に薫のような相手が暗示を仕掛けてきても完全に無効化できるな)


 もっとも暗示はスキルの攻撃自体に成功しても、その後で更に相手のMID次第で掛けられる暗示の深さや時間などが変わるのだが。


 そうでなければ俺はとっくの昔に薫によってホテルに連れ込まれていただろう。


「まあどれも使えそうなスキルではあるな」


 とそこでふと思った。偽装隠蔽とは一体どこまで効果が及ぶのだろうかと。


(もしかしてステータス以外でも効果を発揮するとか……?)


 そう思って試してみたらその考えは正しかった。


 なんと鏡で確認してみたら俺の虹色に輝く人外の眼が普通のそれに変わっていたからだ。


(これならもう眼帯で隠す必要もない……こともないな)


「試練の魔物を倒してないことになってるから目が見えないままじゃないと不味いわな」

 

 それなのに普通に見える眼を露にするのは嘘を吐いていると言っているようなものだろう。

 だとしたらやっぱり隠しているしかない。別に見えているから不便でもないのだし。


 そのため折角、色々と目立つ右目を偽装できるようになったというのに俺は眼帯を付けたままでいるしかないのだった。


 なお偽装ができたのはステータス以外ではこの錬金真眼そのものだけで、残念ながら他のものには効果を及ぼせなかったということは報告しておこうと思う。

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