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第二章 継続する借金生活と霊薬騒動

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第一話 探索者も政治や社会と無関係ではいられない

ブックマークが1000件を超えました!

本当に喜ばしい限りです。

ありがとうございます!


記念にゲリラ更新です!

17時にも更新するのでお気をつけて!

 低位体力回復薬(ローライフポーション)を百本売却する。

 その事実はダンジョン協会に激震を齎したようだ。


(まさか申し入れをした翌日に会談することになるとはな。随分と迅速に動いてきたもんだ)


 この相手が副本部長一派だったのなら即座にお断りさせていただく所存だったが、どうも相手は社長(オヤジ)の知り合いで話が分かる相手とのことなので、とりあえず会ってみることにした。


(協会内でも色々な派閥があるみたいだしな)


 英悟と朱里から協会内のおおよその派閥争いについての情報は貰っている。


 まず現在の主流派と言える本部長一派は優秀な探索者を育成することを重視しており、そのために色々と動いているみたいだ。


 だからこそ探索者を粗雑に扱うこともなく、割と俺達探索者側からしたら有難い派閥と言えるだろう。少なくとも完全に敵対する陣営ではなさそうだ。


 その対抗勢力となっているのが副本部長を始めとした一派で、こちらは探索者のことをバカにしている。


 あるいは恐れていると言ってもいいかもしれない。


 だからこそどうにかして探索者を自分達でコントロールしたいと考えているようだ。


 どちらも探索者を自分たちの目的のために利用したいという根本的な考えには変わりないかもしれないが、俺にしてみれば前者の方が断然マシだ。


 少なくとも自分達の権勢や利益を得るために探索者を利用し尽くそうとする奴らなんかよりは共存できる相手だし。


 探索者は命懸けの仕事なだけあってやり方次第では非常に稼げる。


 それこそ並のサラリーマンでは十年以上かかっても稼げない額を一年足らずで稼いでしまう奴もいるくらいに。


 それに対して世間からのやっかみが皆無な訳がない。


 だからか一時期は探索者でもない謎のダンジョン評論家などが、テレビなどでことさらに探索者を扱き下ろすような時期もあった。


 その際には力を持つ探索者は危険だから国によって管理されるべきなんてこともほざいた奴なんかもいたらしい。


 そしてそれに影響された一部の非探索者達が探索者を非難して色々と揉めたこともあったりしたのだ。


 更にひどいのは一部の議員が稼げる探索者に対して重税を課そうとした法案を国会で通そうとしたこともあったのだから最低だろう。


 既にダンジョン協会にアイテムなどを売る際は、一定の税金が差し引かれるなどしっかりと納税の義務は果たせるシステムになっていたのにも拘らず、その上で更に課税しようとしてきたのだ。


 そんなことばかりやっているから例のA級も逃げ出すのだと言いたくなる。


 まあ流石にその法案はダンジョン庁長官や総理などが、優秀な探索者が国外に流出してしまうことを察知してどうにか廃案に持っていったようだけど。


 当然ながら副本部長はそういった探索者の稼ぎや権利をどうにかして取り上げたい側の議員と懇意にしている。


 だから奴にしてみれば探索者を利用するのも自分の邪魔になる奴を妨害するのも至極当たり前なのだろう。


 される側のこっちとすれば堪ったものではないが。


(俺としては直接的に妨害しようとした副本部長を排除出来れば満足のつもりだったんだけどな)


 それは間違いなく行う。

 容赦をするつもりは欠片もない。


 だけどこういう事情なのでそれで終わりとはならないだろう。


 むしろ副本部長はあくまでそういった反探索者の議員の手先のようなものなので、そいつを排除してもどうせ代わりの手先がまた現れるだけだ。


 それでは同じことの繰り返しになる。


 となればやはり元から断つしかないだろう。少なくともこちらに敵対しては不味いと思うくらいの痛手は与えておかないとまた嫌がらせされそうだ。


(正直面倒くせーけど)


 俺の望みは探索者として上を目指したいというだけなのに。


 それを邪魔さえしなければ別にそいつらが何をしようが全く興味もないし、甘い汁啜ろうが好きにすればいいと思うくらいだ。


 だが残念なことに人はどうしようもなく争い合う生物ということなのだろう。


 もっともまず仕留めるのは副本部長からだ。あいつは明確に俺の邪魔をしたから絶対に許しはしない。


 その力量もないくせに不正な手段でD級になっている息子共々排除させてもらうとしよう。


 勿論その後処理は本部長を始めとした別の陣営とかに押し付ける所存だ。


 俺はあくまで一探索者で協会の職員ではないので。

 なにより怠いし。


 この会談に応じたのはその後処理の押し付けをするためでもある。


 勿論それを直接的にお願いする訳ではなく。


 協力できそうな相手だったら俺達がいずれ副本部長を排除するから、その隙に敵対陣営を攻めるなりしてその陣営を瓦解させてしまえばいいと唆すだけ。


 その過程であっちが後始末してくれることになる、というのがこっちとしては最善の結果だろう。


(本部長側からしても悪くない話だろう。相容れない敵対陣営を崩壊させるいい機会なんだから)


 無論この俺の考えが全て思い通りに行くとは限らない。と言うかそうならないに決まっている。


 協会内だけでも色々な考えを持っている人が存在していて、それぞれにやりたい事や利益となることが異なるのだ。


 そういった人達が俺達に協力したり、あるいは邪魔してきたり、もしくは漁夫の利を狙う奴だって現れるかもしれない。


 だからこそ全員が幸せで満足するなんて結果は絶対にあり得ない。


 誰かしら得をする人が出て、その陰では損をする人が出る。

 残念ながらそういうものだ。


(もっとも俺が損して終わる気は更々ないけどな)


 だから得をなるべく確保した上で精々副本部長一派に発生する損を押し付けることとしよう。


 それであいつらが破滅したとしても知ったことではない。


 こちらを敵に回してはいけなかったということをしっかりと思い知って舞台から去っていけばいいのだ。


「お待たせしました」


 そんなことを考えていたら今回の会談の相手がやって来た。


「ダンジョン協会特別顧問の飯崎(いいざき) (たかし)です」

「社コーポレーション特別顧問の八代 夜一です。今日はお手柔らかにお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」


 奇しくも同じ肩書を持つ、父親と親交を持つ元探索者でもある相手とこうして俺は邂逅した。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ダラダラ感が強い。思考がくどすぎる。 [一言] 朝起きて玄関出るまでで1ページタイプの作品にはなって欲しくないです。同じ様な考えをダラダラ考えてる描写だと、主人公のキャラが思考力も決断…
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