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第五章 崩壊の序曲と御使い降臨

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第二十一話 久しぶりのスキルレベルアップ

 ステータスが250になった頃から、俺はほとんど休息が必要ない状態となっていた。


 ステータスによる強化で有り余る体力がある上に、それが回復するのも一般人とは比較にならない。


 つまりどんな激務が続こうが、理論上は体力が尽きることがないような形になっているのだ。


 実際に一週間ほどくらいまでなら一睡もせずに仕事をし続けてもベストコンディションを維持できるのが自分でも確認できている。


(戦闘でも重傷を負うこと自体が滅多にないからな)

 あるいは重体になれば休息する必要が出てくるのかもしれないが、それも回復薬でどうにかできてしまう。


 つまり今の俺はそれこそ常に休むことなく何らかの活動が可能になっているのだ。


(本格的に人間離れしてきた感じか)


 人生の三分の一は睡眠が占めるはずなのだが、こと俺に関してそれは当て嵌まらないケースとなっている。


 そうして生まれた時間も加えて、これまでただ只管に錬金素材を作成したり、回復薬を錬金したり、色々な素材を圧縮錬金で品質を高めたり、熟練度を上げるのと並行して錬金関係のスキルの経験値を貯め続けてきた。


 その結果、ようやくスキルのレベルアップが久しぶりにきている。それもほぼ同時に三つ。


 内訳は霊薬作成がレベルⅢ、錬金素材作成レベルがⅦ。そして錬金真眼がレベルⅤとなっている。


 まず霊薬作成はレベルⅢになったことで、作成した霊薬に持続回復効果を付与できるようになった形だ。


(体力回復薬ならHPが持続回復、魔力回復薬ならMP。異常回復薬は状態異常に対する一定の耐性が付与される感じだな)


 その効果の高さは回復薬の品質によって決まるようだ。


 これまではHPが最大の時に飲んでも意味がなかったが、強敵相手に事前に飲んでおけば持続回復効果がある内は自動的に回復してくれる、みたいな使い方もできるのはありがたい。


(持続回復効果を持った回復薬を錬金術師の指輪に込めて場合は、どっちの効果も発動可能なのか)


 その場合は飲まなくてもどちらの効果も瞬時に発動する形らしい。これもかなり使える代物だろう。


 次に錬金素材作成のレベルがⅦになったことで新たに錬金肉系の素材が作成可能となった。


 アマデウスの話では各種ホムンクルスを作成する際に品質が高い錬金肉が要求されるとのことなので、これも圧縮錬金を繰り返して品質を高めておく必要があるだろう。


 そして最後に錬金真眼がレベルⅤになった。


 実はこのスキルのレベルアップ条件の一つである一定のステータスという項目はかなり前から満たしていた。


 だがレシピの数の方が足りなくて中々次の段階に進めていなかったのだ。


「それもD級になったことでどうにか解決できたな」


 昇級してD級ダンジョンで活動をするようになり、ランクアップしたことで新たなレシピを手に入れたことでようやく新たな能力を開花させたユニークスキルの錬金真眼。


 苦労しただけあって得た二つの能力はどちらもかなり強力で便利なものだった。


 その一つ目の能力は状態異常の魔眼である。


(こちらが視認した対象にMP消費で任意の状態異常を付与できるのか)


 流石にこれはMP1ではないようで、付与する状態異常の種類によって消費MPは変わるらしい。


 それに対象のMIDなどによって効果があるのか、あるいは効いても持続時間などに差異はある。


 しかしそれでも魅了や麻痺、石化に恐怖、更に即死などの魔眼で発動可能な状態異常を好きに使えるのは戦略の幅がかなり広がるというものだろう。


 問題があるとすれば、この能力を発動する際には隠蔽したままは無理らしく、虹色の瞳を露わにする必要があるみたいだ。


 しかもその際には右目が発光するのは避けられないようで、眼帯越しでも右目が虹色の輝きを放っているのが分かるくらいには目立っていた。


(ここでも人間離れが加速しそうだな、おい)


 超人的な身体能力を持っている上に右目を虹色に発光させて様々な異常を引き起こしてくる存在。自分のことながら、どこの怪異やホラー的な存在だと言いたくなるというものだ。


 もっともその点はもはや今更なのでどうでもいいが、相手にバレないように能力を発動するためには眼帯の素材を遮光性の高いものに変える必要があるだろう。


 かなり強い光を放つようなので、それを抑えられる素材としてどれが適切なのかは色々と試していくしかあるまい。


 これだけでも十分に強力な力なのだが、それ以上に次の能力がヤバイ。それこそ今の俺にとって必須級の能力だったのである。


 その名もレシピ検索。


 文字通りレシピを検索する能力なのだが、その効果を一言で表すなら錬金アイテム以外のアイテムや素材を錬金真眼で目視することで解析。


 するとそれと類似する既存の錬金アイテムのレシピを検索できるというものだった。


 試しにこの能力を爆裂玉に使用した結果、爆裂丸という効果はほとんど同じで名称が違う錬金アイテムのレシピを検索して入手することができたのだ。


(なるほど。これまでにも効果が被っているアイテムが幾つかあるとは思っていたが、それは異世界でもこういう形で似たようなアイテムが作られていたからなのか)


 転移石と携帯型転移ゲートのようにほとんど同じ効果なのに、何故か別物として分けられているアイテムがあった。


 しかも片方だけ錬金アイテムという区分で。


 それはきっと異世界でも色々なアイテムが研究開発されていたからに違いない。


 黄金神一派が作り出した物は錬金アイテムで、そうじゃない物それ以外の派閥が作り出した物というふうに。


(なんにせよこれでレシピ収集が大分楽になるな)


 これがあれば錬金アイテム以外からもレシピが手に入るようになるのだ。


 スキルレベルを上げるために保有数を増やす必要があるレシピの新たな入手方法が判明することは大変有益である。


 なお、レシピ検索で手に入るレシピはあくまで既存の代物のみ。


 これまでの黄金神一派がレシピとして作成し登録した物の中からしか手に入らず、新しいレシピを作り出せるわけではないようだ。


(いずれは俺自身が新しいレシピを作り出すこととも可能になるみたいだけど、それはまだまだ先になりそうだからな)


 だがその能力を手に入れれば、アマデウスが言っていたこの世界の素材と異世界由来の素材を合わせたアイテムを新たなレシピとして登録することも可能になる。


 そのためにもレシピの収集は続けて、錬金真眼を始めとしたスキルのレベルを上げなければ。


 俺は解析に成功した魔物の素材などを改めてレシピ検索に掛けて、新たなレシピを入手するべく努力を重ねるのだった。

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