第二十三話 レシピ整理と解けない氷
書き溜めなどのためにちょっと次の更新まで期間が空くかもしれません。
なるべく早く再開するつもりですのでご容赦ください。
ランクが20になるまでで新たなレシピも色々と手に入れていた。
その中の一つが転移ゲートである。
これ以外では、低位MP、VIT、LUCアップポーション。
ポイズンスパイダー、バーサーカーブル、アイスドレイクの仮面が同系統のレシピとなるだろう。
ただ仮面については今のところはあまり使い道がないし、ステータスアップ系のポーションを作るのにはそれぞれの必要素材の他に、霊薬の素の品質が80を超えないといけない。
だから現状で作れる、あるいは作るべきなのはダンジョン転移ゲートの他では虫除けのお香、錬金術師の指輪、そして氷華生成装置の三つとなっている。
錬金術師の指輪は錬金術師の外套のアクセサリー版だ。これには体力回復薬などが込められて、そうした場合は実物を飲まなくてもスロットに込めた物に応じた項目を回復できる代物となっている。
試しに体力回復薬を込めたものを使ってみたが、念じるだけで傷が治ってHPの回復がされるのはかなり使い勝手が良かった。
(これなら回復する隙がほとんどなくなるな)
しかも外套と違って複数装備しても問題ないのがありがたい。
仮に外套が複数装備可能だったなら身代わりの外套を何着も身に纏っておけたのだが、そう都合よくはいかないみたいだ。
なお、錬金術師の指輪のスロットに身代わりの指輪は入れられなかった。
どうやら錬金術師の指輪に込められるのは一部の回復や補助などのサポート系のアイテムだけらしい。
(錬金武器が攻撃系、外套が防御系、指輪が支援系のアイテムって分類になってるのか?)
それぞれに入れられるアイテムには制限があるし、火炎蜥蜴の鱗のように武器と外套に入れた際に発揮する効果が異なるアイテムも存在している。
それもあって発揮する効果などを把握するのは割と苦労するかもしれない。
「回復薬以外でも込められるアイテムがないか色々と試してみないとな」
虫除けのお香は使用してから一定時間の間、虫系の魔物が接近してこなくなるというアイテムだった。
ただし全ての虫系魔物に効くとは限らず、品質によって時間や通用する相手が変化するらしい。
それでも錬金術師の指輪に込めて俺が使用すれば、それなりのランクの魔物まで通用しそうではあった。
外崎さんが現実の虫にも効果があるか。
ない場合でも効果があるようにできないか研究するとのことである。
そして最後の氷華生成装置はその名の通り、氷華と呼ばれるアイテムを作り出す装置だった。
稼働させるのにMP、材料に錬成水を必要とするが、今の俺達ならそれはどうということはない。
(俺以外でも作れるのは非常に良い点だな)
氷華とは氷系統の魔物などが時たまドロップする、氷で出来た華のようなアイテムのことだ。
その効果は、有する特性の冷却によって出現してから一定期間、冷えた氷の状態を維持するというものだけ。
分かり易く言えば、特性を発揮している内は冷えた状態を維持して溶けない氷である。
ただし砕いた場合は効果を維持できなくなるので、絶対不変という訳ではない。
はっきり言って戦闘では全く役に立たないアイテムである。
だが現実世界なら、その使い道は色々と考えられた。
「装置で作れる氷華はサイズ変更ができるみたいだな」
ドロップアイテムの場合はサイズを選べなくて、時には両手が抱えなければならないサイズもあったが、この装置なら口に入る小さなサイズも作成可能だった。
「これって効果時間が切れたらどうなるんですか?」
「消えてなくなるぞ。その際に水になったりもせずに跡形もなく」
発揮する性能は氷そのものではあるものの、アイテムでもあるからか物理法則に従わない面も有しているのだ。
「水にならないのなら飲み物に入れるのにいいかもしれないですね。氷が溶けて薄まることもないですし」
「それ以外でも保冷剤とか冷却装置とか、別のことにも使えるかもな」
人体に影響があるのか確認しなければならないが、問題がなければ例の喫茶店でも利用できるかもしれない。
それもあって愛華も割と熱心に効果などの検証に付き合ってくれている。
これまではドロップ品なのでそれほど手に入らない上に安定供給などは出来ないこともあって、あまり有効活用されているアイテムとは言い難かった。冷やすだけなら普通の氷とかで良かったし。
だが今回のレシピによって氷華を作り出す装置が完成したので、供給の面での問題はクリアしたことになる。
装置の大きさも電子レンジくらいなので持ち運べなくもない。
製氷機としてみるなら、かなりコンパクトな部類だろう。
これを上手く利用できれば、また面白い事が色々とできそうだ。
そう思って氷華を錬金術師の指輪に込めてみたところ、効果が強くなり過ぎて身体が凍りつきかけたのは笑い話だろう。
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