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第四章 5人目のB級誕生と事業拡大編

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第十六話 キラー系での次なる狙いは

 アイスドレイク出現というイレギュラーはあったものの、ダンジョンコアはきっちり破壊した。


 つまり邪魔なダンジョンを消滅させるという、協会からの依頼も無事に達成したことになる。


 立ち入り制限などの安全確保などは協会で行なってもらうことになっていたので、俺のやるべきことは終了した形だ。


 つまりここからは完全に自由行動が許されるということでもある。


「とりあえずは美味いものでも食いますかね」


 俺はせっかく北海道に来たのだし、美味しい海産物などを満喫するとしよう。

 そのついでに愛華などにもお土産として色々と買っておく。


(それにしてもあのアイスドレイクはなんだったんだろうな?)


 E級ダンジョンのはずなのに現れたあのアイスドレイク。その件は協会にも報告してあり、彼らの方でも可能な限りの調査はするそうだ。


 もっとも数日後にはダンジョンが消えてしまうので、恐らく情報は掴めなさそうではあるが。


 前にサハギンダンジョンで知らず知らずのうちに特殊な条件を満たしてしまって、ダンジョンボスであるキングサハギンがボス部屋の外に出てくることはあった。


 今回もそれに近いようなことだろうか。


(でもそれならベルセルクブルがボス部屋の外まで出張ってくるべきだよな。なんでまるで関係ないアイスドレイクが現れるんだ?)


 そもそもあのアイスドレイクはベルセルクブルを味方として扱っていなかった。


 本来のボスを呑み込んでその立場を奪った形だし、協力関係だったとは思えない。


 ベルセルクブルもアイスドレイクに襲い掛かっていたくらいだし。


「……まあいいや。考えても分からんもんは分からんし」


 アイスドレイクの死体は新鮮な内に解体して解析率を上げるために利用してある。


 一部は素材として活用するのもありかもと結構迷ったが、やはり自分でアイスドレイクの素材を作れるようになることの方が良いと判断した形である。


 結果的にはそれは正解だったようだ。


(巨大な肉体を丸ごととはいえ、一体だけで解析率が7%とかなり高めだったからな)


 どうやらより強い魔物は一体だけでも上昇する解析率が高めになるように設定されているようだ。


 おかげで下級の魔物と違って乱獲する必要がないので助かった。


 そうして俺はこっちの支部長からお勧めされた多種多様な魚介類が食える店で、一人で食事しながら次のことを考える。


(せっかく北海道までやってきたんだ。こっち特有のダンジョンがあるなら潜っておきたいしな)


 出発前から幾つか目星を付けていたダンジョンはある。


 時間的にもまだまだ余裕があるので、帰らなければならない時まではそういうダンジョンを巡るとしよう。


(期せずして殺し(キラー)系のスキルを獲得しているし、ここは他のそれ系の奴も取っておきますかね)


 狙うのは水棲殺し(アクアキラー)だ。水棲の名前の通り効果範囲は水で生きる魔物と大雑把と言えるほどに広い。


 代わりに十の別種の水棲系の魔物を一定数討伐しなければならない。


 サハギンで一種類は達成しているから残りは九種類。


 こっちには水棲の魔物が出現するダンジョンが多いとのことだし、東京に帰る前にそのスキルを獲得しておきたいところだった。


 今のところ愛華や椎平の方も特に問題は起きておらずに平穏そのものとのことだし。


(となれば、ここは複数種類の魔物が現れるダンジョンを狙いますかね) 


 だとすれば次に向かうべきは海洋ダンジョンと呼ばれる、雄大な海が広がる場所に多種多様なモンスターが入り乱れる形で生息しているダンジョンだ。


 これまでは低級のダンジョンだったこともあり出現する魔物の種類は非常に限定的だった。

 多くても二、三種類でしかなく、少ない場合は一種だけだったこともあるくらいに。


 だが級が上になればなるほどそうはいかなくなる。


 それどころか別種の魔物がそれぞれの強みを活かして、探索者に襲い掛かってくるのは確実に多くなっていくのだ。


(最初のターゲットはジャイアントクラブからだな)


 巨大で採れる肉は多いが、大味で美味さはいまいちというバーサーカーブルと似たような残念な側面を持つ魔物。


 普通なら強靭な甲殻に覆われた体にダメージを通すのは難しくなるのだが、今の俺なら問題なかろう。


 それに今回のランクアップで手に入ったレシピの中で面白いものが手に入ったので、それが使えるかも試してみたい。


(ダンジョン転移ゲートってのは帰還ゲートとはまた違ってそうだしな)


 仮にこれが俺の想像通りの効果を発揮してくれるのなら、今後の活用に非常に有用な成果を出すことに繋がる訳だ。


 だからこそ早く検証を済ませなければ。


 そんな風なことを考えながら、俺は運ばれてきた茹でられたカニに齧りつくのだった。

活動報告で「薫のテレビ出演時のやからし」を公開しました。

興味のある方は、是非読んでみてください。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] 消えずに回収できるなら、翼も破壊せずに、すぐ収納すればよかったのでは?
[一言] 牛とかカニとかやはりダンジョンも地元に即した色が出るんですかね? 牛は食用に適さなかったけどカニは食えるのかな…
[一言] 定番の木彫りの熊まだあるんだろうか
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