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第四章 5人目のB級誕生と事業拡大編

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第三話 功績稼ぎのための行先

 かつて同じC級だったパーティメンバーに先を行かれた。そのことに対して俺が思ったことはまず素直に悔しいということ。


 そしてそれ以上に浮かんだのは、


(いいぜ、面白いじゃねえか……!)


 楽しいという感情だった。


 これまでだってA級になることは目標だったが、これで更にそれを目指す理由が一つ増えた。


 椎平もわざわざ俺に内緒にしてB級に昇級した後に、こうして自慢してくる点から察するに挑発しているのだろう。


 お前はまだF級(そこ)にいるのか、と。


 確かに俺はこれまで目立つのはまだ早いとか回復薬作成の件もあって昇級を急いで行おうとしてこなかった。


 その方が効率的だと判断したからだ。


 だがここまでされてはそんなことは言ってはいられない。


「……って、少し興奮し過ぎたな」

「そうね。お互いに落ち着きましょうか」


 上級の探索者が本気で敵意や殺気などを放った際の圧は、一般人のそれとは比べ物にならない。


 それこそひ弱な非探索者なら体調が悪くなる。または意識を保っていられないことも十分にあり得るだろう。


 それなのに俺も椎平も感情が高ぶったあまりに、こんなどこにでもある喫茶店で少しその圧を出しかけてしまっていた。


 このまま他に影響を及ぼすのは不味いし営業妨害になってしまうではないか。


 そうならないために俺も椎平も頼んであった飲み物に口を付けて冷静になろうとする。


「そう言えば朱里達から聞いたわよ。イギリスのA級探索者とやりあったんですって?」

「まあな」

「戦ってみた感じはどうだったの?」

「結果は惨敗だよ。でも戦ってみた感じは追いつけなくもないって思えたな」


 改めて俺はソフィアやアーサーと戦った時のことを話す。


「ふーん、その感じだと獄炎の双剣士は本気を出していなさそうね」

「だろうな。A級があの程度で終わりだとは思えないし」


 そもそも相手は二つ名となっている双剣を使っていない。


 つまりまだまだその力の底は見せていないと考えるべきだろう。


「でもそれを言うなら夜一だってそうじゃない」

「それはブースト薬のことを言ってるのか?」


 確かにあれは使えばもう少しまともな戦いを出来たと思うが。


「違うわよ。だって夜一が本気でなりふり構わずに行くのならまずはランクアップポーションを使うでしょ?」


 ランクアップポーションを使えば無条件でランクを一つ上げられる。


 五本あってまだどれにも手を付けていないのでその気になれば俺は5までなら即時にランクを上げられる訳だ。


 つまり俺はステータス的には50までならデメリットなしで強化できることになる。


「それをしなかったってことはあんたも相手と同じで力を隠していたってことでしょ。大方、無意識の内にでも再戦を見越して情報を相手に与えないようにしたんでしょうけど」


 今回は勝てなくても次は必ず勝てるように。


 言われてみればその通りかもしれない。


 自分でも気付かぬうちに今回では勝てないと理解していたからこそ、次で勝つために俺は自分の手札をなるべく見せないようにしていたのだろう。


 その判断は間違っていないように思う。


 こちらの戦力を誤算してくれればその隙を突く方法など幾らでもある。


 なにせ今の俺はランクが一つ上がるだけでステータスが10も変わる異常な成長率を誇るのだし、相手の予想よりもずっと早く強くなれるはずだから。


(なんにせよランク上げは必須だな。それでレシピが増えれば錬金真眼のレベルアップ条件も満たせるし)


 それと並行して昇級のための実績作りも行わなければならないだろう。


 あるいは隆さんに頼めば実力さえあれば昇級試験を受けさせてもらえる可能性もなくもないが、それを頼りにしていて失敗したら目も当てられないので。


「となれば行く場所は一つだな」

「なによ、急にどこに行くつもりなの?」


 その椎平の疑問に俺は端的に答えてやった。


「警察だよ、警察」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 主人公が弟子の女の子にうつつをぬかしてる間にレベリングサボっているのがね。ちょっと上げてますが廃人のようにレベリングしないのは性格的におかしい気がする。
[気になる点] 敵の御使い側はどこら辺まで知識があるのかねぇ。 御使いギフトで特殊なスキルは貰えてるっぽいけど、ソロ討伐特典の固有職は知ってなさそうだったかな? [一言] 公言してるからランク1落ち…
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