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現代にダンジョンができたら潜りますか?〜私は今の仕事にしています〜  作者: 黄緑のしゃもじ
第3章「冒険者への一歩」

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22話「クエストらしい」

お久しぶりです。遅くなりすみません。



「……あれ? シルクさんこれって?」


 ふと、いつもなら目に入らないボードに違和感を感じ足を止める。


「それはクエストですね」


「クエストですか……」


 クエスト。前々から聞いてはいたけど、今まで自分の階層ではクエストがなかったから気にしてなかった。

 それが今ふと目に入ったところだった。


「10階層のクエスト内容はほとんど採取ですね。モンスターの素材とかは良質な物が必要なので比較的モンスターが弱い10階層付近では素材クエストとかはないですね」


 でも、そう考えるとそうだな。まだダンジョン自体に慣れていない冒険者にとってはその方が安心するかもしれない。


「それで内容は……薬草の採取? 報酬は回復ポーション。これは割といいかもしれないな」


「ですね。駆け出しの内はポーションは高いですから」


 実際はお金の方がいいけど少なかったらあれだし、そう考えると物でもらう方が確実だな。


「大体このレベルのクエストは攻略ついでに出来るような物ですので、簡単なものだけですね」


「へー、じゃあ、このクエスト受けます。どうしたらいいですか?」


「わかりました。薬草の採取クエストを受け付けますね。今は私がここにいるので受付させていただくのですが、普通は受付に行ってもらって、受付にも簡易クエストボードがありますのでそれで指定していただければ」


「わかりました。じゃあ、次からそうしますね」


 そのまま受付へとシルクについて行く。


「では、クエストの説明を詳しくさせていただきます。

 名前は薬草採取クエスト。報酬は回復ポーション、薬草の量によって報酬の数が変わります。最低でもポーション2つ分の1kgは必要です。1kgずつポーションを1つ報酬に加えさせていただきます。

 以上です。何か質問はございますか?」


「えーっと、いつまでにとか時間制限はありますか?」


「このクエストについてはありません。なのでもし今薬草を1kg持っていたらそれでクエスト達成になります」


 時間制限なしで、自由も聞くのか。


「中には時間制限ありのクエストもありますのでご注意下さい」


 ふむ。討伐クエストとかは時間制限かあるのかもしれないな。じゃあさっさと20階層まで行って楽しまないとな。


「ちなみに今日はどこまで行かれますか?」


「んー。そこらへんは気分かな? やめようと思った時に戻ってきます。一応15階層までを目標にして」


「わかりました。今日も頑張ってください!」


 初のクエストに少しの楽しみを持ちながらギルドを後にする。


「あ、シルクさんにあの人のこと聞くの忘れてた。戻ってからでいいか」


 あの時の男について思い出しながら11階層へと向かう。


 いつも通りの青い光に包まれ浮くような感覚の後すぐに景色が切り替わる。そこは今まで通り石造りの壁に床。隣には下に降りるための階段があり一段ずつ降りていく。緩やかで少しのだけの階段を降りるとまた景色が変わる。

 木々が生い茂り生命が溢れているだろうと思えるほどの自然。別に森というわけではないが生き物が住むには適している環境。水があり、植物があり、生き物がいる。

 11階層からはそれまでの階層より自然が豊かで人も生きて行けるだろう環境になっていた。この12階層も11階層と変わらずの景色であった。


「すごい自然だな……」


 秘境というほどではないが今の日本人なら訪れるパワースポット的な存在感だ。中々人が住む近場でこれほどの自然はないと思う。田舎でも人の足跡はあるからな。


「景色が同じならモンスターも代わり映えしないのかな」


 12階層に来て思うことは自然についてとモンスターの、心配だ。今までと同じモンスターなら代わり映えせず、飽きてしまいそうだ。オークも前の階層で割と倒したからな。


 そんな事を思いながら先に進む。道はないわけではないが獣道みたいで、しっかりとした道ではない。それをとにかく進んでいる。


「はっきり言うとダンジョンと言えば洞窟をイメージしていたのだが、この、自然は圧巻だな」


 入り口や出口は石造りなのだからその先もそんな感じかと一瞬は思っていたけど、階段を降りると自然が広がっているとか、魔法というのはなんでもありだと思ってしまう。実際全てがそれで片付くので魔法という言葉は便利だ。


「って事で歩いていたけど、出てくるのはやっぱりお前か」


 この自然の中を突っ切るのだ、襲われる事を覚悟で周りを気にしながら歩いていたが目の前に現れるのはちょっとどうかと思う。


「グオオオォォォ」


 唸る声は地響きのように聞こえる。


「やっぱり大きいわ。ゴブリンの倍は超えてるな」


 見た目は豚、二足歩行の豚さんだ。でもガタイはしっかりしていて、ゴブリンよりも強く見える。しかし、この前倒しているモンスター。


「オークはごっついな。倒すけど」


 数十体倒しているから負ける気はしない。しかし、ここでもオークか、倒しすぎると飽きそうで怖い。


 そんな事を思いながら剣を抜く。しかし、駆け出すわけでは無く左手を前に出す。

 この土日で学んだのは魔法がメインだった。今まで馬鹿みたいに走って斬っていたが先制攻撃は魔法でする方が得策だ。せっかく全要素の魔法を覚えたのだ、使わない手はない。


 イメージする。いつもみたいに水を浮かばせるのでは無く、手のひらの前で炎が燃えるイメージ。


「『ファイアボール』!」


 左手から火の玉が放出され、オークに直撃し燃える。


「命中。後は剣でとどめを刺すだけ」


 魔法で牽制して剣でとどめを刺す。それが今までの戦闘で感じた安全な戦い方だ。


「んー、あれか、脂が多いと燃えやすいのか?」


 そんな疑問を覚えながら近く。いや、豚の体脂肪率は15パーセントだ。そんな事を言えば豚さんに失礼である。オークがただ肥えてるだけだろう。


「はっ!」


 動きが鈍いオークにとどめを刺す。苦しまない様に首を跳ねる。


「まあ、こんなもんだろ」


 簡単に倒せた様に側から見えるといいのだが、実はスキルを使っていたりする。

 オークの筋肉はわりと硬くて普通の攻撃なら切断までは難しく、切り傷程度だ。しかし、今回は首を落としたわけだがそれはスキルを使っている。それもいつも通りスラッシュだ。

 あれからシルクに質問をし続けて魔法とスキルについて学んだ。

 スキルはSPを使用する量によって威力が変わる。SPは自分で調節する様にできる、そこは慣れだと言っていた。例えばスラッシュを使うときにそのままありったけの力で放つのではなくて、落ち着いて調節する。最初はできないがコツを掴めば調節できる様になった。イメージ的には今まで10で放っていたのが5ぐらいに減らせた、半分減らせたのは凄いことだ。逆に増やすこともできる。あのブラックハウンドぐらいなら今の僕でも一撃で倒せるぐらいの威力は出せるらしい。今は無理だが。常にスキルを使って慣らすことで威力を調節できるようにしている。


 魔法はこの世界の属性である、火、水、風、雷、土の五大属性の基本形、「ファイアボール」などと回復魔法の基本の「キュア」を教えて貰った。基本魔法を覚えることで応用が効くらしく、例えば「ウォーターウォール」もそれにあたる。「ウォーターウォール」の魔法は実際にあるみたいだが、それを知らずに僕自身がイメージで作れたわけで自由が効くみたいだ。つまり基本の魔法さえなんとか覚えられれば後は自分次第で魔法を成長させることができる。


 そう考えるとこのダンジョンの中ではかなりの自由があるわけで、縛りは少ないみたいだ。


 確信する。自分が成長する意欲がある限り強くなれると。


「実際ゴブリンよりも強いはずのオークも簡単に倒すことができたわけだしな」


 こういう考察は自分が強くなるための感情に作用する。割と考える事は好きだ。


「っと、そんなことよりもこの調子ならちゃっちゃと進みますか、クエストもあるし」


 思考を切り替えクエストについて考える。この階層なら目を凝らせば見つかると思うけど……


「『サークナ』……ないな」


 そう簡単には見つからないか。ちょっと根気よく探してみるか。



 それからモンスターと戦いながら地道に薬草を探す。薬草は見つからないが、モンスターはオークだけではなくてゴブリンとコボルトもいた。全体的にモンスターのレベルも上がっている気もするが難なく倒す事は出来た。


 このままだと12階層も攻略してしまいそうだけど……


「ああ、やっと見つけた……」


 常にサークナを使って探索しながら歩いていた。魔力の消費を常にしている状態だが、魔力の上昇と魔法を使うことに対する慣れで魔力の消費は抑えられていた。

 そう言っても最初から最後まで使用し続けると魔力が空になるからしていないけど。


 でも、ようやく見つけた。


「ここの一角が薬草か」


 畳2畳分、薬草が生えていた。ん? いや、この草なら所々で見た気もするけど……

 そうか量としては少ないかもしれないがこれだけ集まっていたからサークナに反応したのかも。実際魔力を絞って使っていたから能力的には鈍っていたのかも。まあとにかくこの一帯の薬草は摘んどこうか。


 薬草を摘み終わる。中々量は多かった気がするけど、実際どれぐらいの量になってるのだろうか?ちなみに薬草は「ポケット」に入れている。アイテムボックス的な物なので便利だ。しかし、量を見るにはどうしたら……


「ポケットをサークナで見たら……お、見れるやん」


 サークナを発動したままポケットを見ると数字が浮かんでいた。ポーションは個数で薬草はグラムで浮かんでいる。数字は1kgか。


「一応これでクエストクリアやけど、これで満足はできないな。薬草の形は覚えたし、魔力の無駄でサークナを使い続けるのはやめよう」


 一応これで12階層は攻略した。10階層超えてもそれまでとあまり変わらない気がするな。手応えはあまりないし、ちょっと拍子抜けだな。


「この調子なら今日で15階層までは余裕そうだ。こうなりゃ薬草摘みがメインになるな」





 

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