表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Time Trip to Another World 〜暁〜  作者: 蒼穹の使者
第三章 結〜蝦夷編〜
99/113

第九十九話 続・福山雅治事件

どうしてこんな事になってるのか

私の口が滑ったのが悪いのと、総司に聞かれたのが不味かった

たぶん道行く人に「福山と言えば?」って聞いたら

「雅治?」って答えると思うよ? 

はぁ・・・


「一さん、入りますよ?」


静かに障子を開け部屋に入ると、一さんは黙々と刀の手入れをしていた

その背中がなんとも刺々しい空気を出しているというか


「一さん?」

「なんだ」

「どうして怒っているのですか」

「・・・」

「無視しないでください」

「怒っていない」

「やっぱり怒ってるじゃないですか・・・」

「・・・」

「私と雅治っていう男の関係が気になるのでしょ?」

「っ!?」

「出来るだけ分かるように説明しますけど、分かっていただけるかが心配です」

「そのような説明はいらん」

「では、どうしたら機嫌が直るのですか」

「・・・」


こういう時ってどうしたらいいんだろう

きっと、前いた時代の男だとかそんな事を考えているんだろうけど


「はぁ、これは独り言ですから聞かなくてもいいですよ。未来には福山雅治というそれは恰好いい役者がいるんですよ。役者になるぐらいですから見た目はいいんです。テレビとか映画で大人気です。役者ってみんなを喜ばせるのが仕事ですから、嫌われないように良い所だけを見せるんですよね。偶像ですからね、本物はどうだか知りませんけど。偶像相手に好きだの愛しているだのっていう人も居ますよ?でも、所詮は夢の中でのお話なんです。誰も本気で一緒になろうなんて考えてないですよ」


「・・・」


「そんな偶像を私が愛していると思っているんでしょうか・・・私の愛する人は」


一さんの刀を手入れする手が止まった もうひと押しかな


「まだまだ伝わっていなかったのですね私の愛は。私がこの世で一番好きな人、一番近くにいたいと思っている人は目の前にいるのに・・・私の行いが悪いのですよね」


突然、一さんがくるりと振り向いた、目を大きく見開いている

でも、更にもうひと押し


「すみません。お手入れの途中だったのに邪魔をしてしまって。私はこれで」


部屋を出て行こうと背を向け立ち上がろうとすると


「瑠璃っ!」

「ぶわっ」


思った以上に大きな声で呼びとめられたので、変な声が出た


「瑠璃がこの世で一番好いている、一番側にいたいと思う者とは」

「・・・」

「・・・」


続きは?そこで止まるのかっ、一んさんっ


「その、瑠璃が一番誰よりも好いているのは・・・」

「一さんですよっ!他に誰が居るんですか!」

「!?」

「もうっ!」


むぎゅー、むぎゅーって一さんを抱きしめる

だってそんな不安そうな顔で見られたら、こうするしか無かった


「ぬっ、る、瑠璃っ」

「一さん、まだ足りませんよね。私の愛情もっとお伝えしますっ」


これでもかって力を込めて、むぎゅむぎゅしました


「分かった、瑠璃の気持ちはよく分かった」

「本当ですか?」


確かめるために顔を覗き込んだら、耳まで真っ赤にした一さんがいた


「ああ、本当だ」

「一さん、顔が真っ赤です」

「なっ、・・・瑠璃の所為だろっ」

「ふふふっ、一さんっ、大好きですよ」


二人の事が気になって仕方のない他の兄弟と山崎は外でその様子を見ていた


「だ、大胆だな」

「左之さんでも、そう思う?」

「俺はあんなにしてもらってねえぞ」

「ひ、土方さん!された事があるのですかっ」

「山崎くんはしてもらった事ないの?」

「お、俺はそのような・・・」

「瑠璃の抱擁は癒されるぜ」


山崎は暫くそのまま動けないでいた


これにて事件解決 お粗末でしたっ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ