第九十七話 心と身体に休息を
皆のお陰で自分の気をコントロール出来るようになった
それは自分だけの力ではなく、相手の力も利用する方法だ
瑠璃「それにしても、酷くないですか?土方さんの後に総司と左之さんを一度に相手させるなんてっ。しかも本気だったし」
土方「悪いな。けど真剣にやらねえと逆に危ないからな。斎藤と山崎はお前を相手に本気で刀を向けることなんて出来ねえだろ」
山崎「・・・」
斎藤「・・・」
手を抜いたほうが危ない 確かにそうかも
沖田「兄弟だから出来た事だよ」
原田「ま、そんなとこだな」
そう言われると、そうなんだろう
瑠璃「そう言えば今更ですけど、兄弟なのに他人行儀な呼び方でいいんですか?せっかくだから兄弟っぽく呼び合いましょうよ!」
沖田「それもそうだね、兄さんとか言った方がいいのかな」
瑠璃「兄さん二人いるから、名前付けないとややこしいよ」
土方「総司から兄さんって、気持ち悪いな」
沖田「決めました!歳三兄さんと呼びますよ」
土方「やめろっ」
原田「俺は今まで通りでいいぞ、けど土方さんは土方さんって訳にも行かねえな。兄貴って呼ぶよ」
土方「だから、いいって」
やめろと言っているけど、照れてるんじゃないの?
沖田「瑠璃はなんて呼ぶの?」
瑠璃「私?私も歳三兄さんっ、でいいですか?」
土方「・・・好きにしろ」
原田「なあ瑠璃、俺は何て呼んでくれるんだ?」
瑠璃「ふふっ、左之兄は?」
原田「おっ、それいいな」
原田は喜んでいるが、土方は異常に照れている
土方は長男とは言えこれまでで末っ子だった
ここで正真正銘の長男になったのだ 嬉しいに違いない
斎藤「なんと、土方さんが照れているっ」
山崎「こ、これは初めて見ました」
なぜか、照れる土方を見て照れる二人がいた
そして、翌日
うっ、身体が痛いっ そう、まさかの筋肉痛です
なんで今更って思いますよね?
一番私がそう思っていますよっ!
「瑠璃、どうした?動きがおかしいが」
「一さん、笑わないで聞いてくれますか?」
「ああ」
「筋肉痛です」
「筋肉痛だと!何故」
「なにゆえって、なったもんは仕方がないでしょ」
「すまん」
「いえ」
あたたっ、自分でも笑えてくる
こんな姿他の人たちに見せたら笑い者だ
「瑠璃くん、ここにいましたか」
「てててっ、山崎くんなんでしょう」
「どうしたのですか」
また言わなくちゃいけないのかっ
「・・・」
「筋肉痛だ」
「ええっ!」
一さんが言った、たった一言で片付けた
その通りなんですけど、そのええっ!って反応・・・
「鍼打ちましょうか?痛みが和らぎますよ」
「えっ!鍼!?」
「そうか山崎はもともと鍼師だったな。瑠璃してもらうといい」
「え、遠慮します」
「楽になるぞ?」
「だ、大丈夫です。これしきの事で」
「瑠璃くん、遠慮は要らない。直ぐに済みます」
「・・・遠慮します」
その場を去ろうと踵を返したが
(いたたたっ、全身が痛い・・・兄たちを恨みます)
「瑠璃「瑠璃くん、怖いのか?」」
声を揃えて言わないでぇ
怖いよ、鍼なんて刺して神経おかしくなったらどうすんの!
「やってもらいなよ」
「!?、総司!いつの間にっ」
結局私は山崎くんの餌食となった
鍼を刺す痛みは無かった
けど!プスッと言う音が怖い!
首の後ろとかっ、肩とかっ、足首にもっ
「うぅ…」
「そんなに力を入れないでください刺しにくいです」
「瑠璃、力を抜け」
「抜けたら抜きますよっ、ひいぃ」
緊張と恐怖でぐったりと疲れたようで
そのまま深い眠りに入ってしまいました
「寝たな」
「はい、これまでの疲労が一度に出たのでしょう。目が覚めたらよくなっていると思います。では、私はこれで」
山崎はそう言い終わると、部屋を出た
「こんな小さな体でよくやっている。心配するな、俺が必ず守る。瑠璃には指一本とて触れさせぬ」
斎藤は夢の中にいる瑠璃にそう誓った




