第九十一話 お帰りっ!
夕餉の仕度をしていると、何やら表が賑やかだ
瑠璃「なんか外が賑やかですね」
山崎「見てきていいですよ。ほぼ終わってますから」
瑠璃「ありがとう」
庭に出たら左之さんが帰ってきていた
瑠璃「左之さーん」
原田「おお、瑠璃。今帰った、土方さん居るか?」
瑠璃「はい、居ますよ」
原田「瑠璃に会わせたい奴が居るんだけどよ」
瑠璃「誰ですか?」
原田が外にいるらしい人に声を掛けた
そこに現れたのは、瑠璃が密かに再会を願っていた人物だった
瑠璃「百合ちゃん!」
瑠璃は百合のもとに駆け寄り、そのまま抱きついた
百合も慣れたもので百合を受け止め再会を噛み締めている
神田「おい!俺たちも居るのだが・・・」
瑠璃「わっ、びっくりした」
百合「瑠璃さんったら、ふふふ。変わらないですね」
乾 「宜しくお願い致します」
瑠璃「ん?」
なぜ宜しく頼まれたのか、首を傾げる
原田「話は土方さんに会ってからだ。行くぞ」
そして、三人は原田に連れられ中に入っていく
その後、沖田の帰宅を待って広間に招集された
土方「という訳で、この三人も俺たちの仲間としてサキュバに立ち向かう。異論はないか」
斎藤「ありません」
山崎「ありません」
沖田「うん、構わないよ」
瑠璃「お帰り、百合ちゃん」
土方「三人の事はお前に任せた。いいな」
原田「任せてくれ」
そして、久しぶりに賑やかな夕餉となった
彼らは別に家を持っているので、夕餉が終わると戻っていった
玄武って、そういう事をしていたんだ
左之さん凄いな
沖田「あれっ?」
瑠璃「どうしたの?」
沖田「いや、何であれが此処になるのかな」
瑠璃「あれ?」
総司が指を指した先を見ると、
そのあれは土方さんの句集だった
瑠璃「あれね、落し物だって男の人から渡されたの。どうして総司が不思議がるの?」
沖田「僕が持ち出したんだけどさ、途中で落としちゃって。怪しげな男が拾ってくれたんだけど、あれ見て凄く喜んでたんだよね。だからあげたんだけど。ふうん、戻って来ちゃったんだ」
瑠璃「えっ!総司が持ち出したの!!」
沖田「だってあれ、暇つぶしになるんだもの」
斎藤「あんたは、また土方さんの物を勝手に!」
瑠璃「一さん、知ってたんですか」
斎藤「っ!」
それで、土方さんはあの時総司のやろうって言ってたんだ
という事は初めてじゃないのね・・・
瑠璃「常習犯?」
沖田「だって、見つかりやすい所にあるから」
瑠璃「もう、止めなよ。ね?」
斎藤「それよりその男、先に総司が会っていたのだな」
沖田「そうそう、その男さ僕の刀が菊一文字って知ってたし、家紋見てさ、名乗ってもないのに僕の名前を当てたんだ!それに突然手を握って来たんだよ。気持ち悪いでしょ!」
瑠璃「手を握ってきたって、握手じゃないの?」
沖田「あくしゅ?」
斎藤「あくしゅとは何だ」
瑠璃「こうでしょ?」
瑠璃は沖田の右手を取って握手をしてみせた
そして、瑠璃がいた時代では挨拶の時にするものだと
沖田「未来の挨拶ってこと?」
瑠璃「たぶんもう直ぐ皆するようになりますよ。外国人が持ち込んだ挨拶ですから」
よく分からないが不思議な男に会ったものだ
沖田(あの男・・・何者なの)




