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Time Trip to Another World 〜暁〜  作者: 蒼穹の使者
第三章 結〜蝦夷編〜
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第八十八話 未来人?

こっちに渡ってきたはいいけど

サキュバの足取りが全く掴めない どうして?


沖田は一人函館の外れを歩いていた

すると前からきょろきょろしながら歩く男がいた

髪は短髪で着物こそ着ていたが、何処かがおかしい


まあ、丸腰だし関わらないようにしよう

沖田は男とすれ違った


バサッ///


「あっ、落としましたよ!」


振り返ると出る時に暇つぶしになればと

持ち出した句集が落ちてしまったようだ


「悪いね」

「いえいえ」


男は屈んでそれを拾い、中腰のところで動きを止めた


「えー!これ、マジで!?」

「なに」

「菊一文字やん!凄え!本物ですか?」

「えっ?分かるの刀が。本物に決まってるでしょ、偽物なんかじゃ斬れないからね」


男は関心したように刀を眺め、顔をようやく上げた


「あっ、この家紋は沖田家のでしょう?へえ、生きてたんですね」

「あのさ、君は一体何なの?生きてたってどう言う意味さ」

「いやぁ興奮してしまって、沖田総司さん!」

「!?」


沖田は思わず刀に手を掛けた


カチャリ…


「おお!やっぱり本物は抜く寸前もいい音がしますね」

「君、怖くないの?僕、君を斬ろうとしてるんだけど」

「そうですか、いや大丈夫ですよ。貴方は斬らないから」


怪しいことこの上ない、だが不思議と憎めない


「あの、握手してもらっていいですか?」

「あくしゅ?」


そう言うと男は突然、手を握ってきた


「ちょっと、なんなの!」

「あれ、まだ握手はしてなかったのかな?もう少し後か。あっ!!」

「今度はなに」


沖田は思わず一歩後退る


「これ、土方義豊の豊玉(ほうぎょく)発句集やん!」

「知ってるの!?」

「俺、こっち来て今日が一番ついてる日かもしれん!」


なんなの本当にこの男、待てよ何か引っかかる

何処かでこう言う話し方する人がいなかったかな・・・


(うそっ、すごーい。総司すごいね!私ついてるかも)


あっ、瑠璃だ という事は・・・まさかね


「そんなに嬉しいなら、それあげるよ。じゃあね」


感動して浸る男をその場に残して離れた



あの男、未来人なの?

瑠璃みたいに時を越えてきてたりして

ははっ、蝦夷って面白い土地だね


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