第七十六話 止まない戦争
これから起こる会津での戦争の事を話し合った
会津藩の松平は新政府軍の圧力には絶対に屈しないと宣言している
仙台や奥羽も会津を支持しており、東北地方は徹底抗戦の構えだ
土方「この戦いのどこかでサキュバが現れるはずだ。だが山崎が言うには姿が一定でない。どいつがサキュバなのかが分からないのが現状だ」
原田「戦いに紛れ込むんなら、ある程度の場所は絞られるはずだが」
斎藤「西郷殿が動き出す時が鍵となるのではないか。サキュバは西郷殿を探していると聞いた」
永倉「白河城と二本松は既に落ちている、次は若松城(鶴ヶ城)を落としに掛かるだろう」
藤堂「だとしたら、西郷さんはその時に動くんじゃねえのか」
大久保「二本松から若松城に向かう道はいくつかある、そのどこかで夢魔という化け物も進軍してくるんだろう?我々はその進軍を抑えなければ、多くの人が巻き添えとなる」
山崎「ではその進軍行程を調べますか」
瑠璃「待って!記憶が確かなら、ぼなんとか峠、なんだったかな、一番手薄な峠があったはず」
土方「それは未来で語られた史実の話か」
瑠璃「はい、えっと」
斎藤「母成峠」
瑠璃「それ!そこが手薄になってるはずです。夢魔は人間の部隊とは独立形成されているはず。だったら、手薄な場所から静かに進軍し城を落とすのでは」
土方「・・・あり得るな。山崎、調べられるか」
山崎「はっ!」
もうあの時のように分隊するけわけにはいかない
分隊してしまえば、本来の能力が発揮されない
それではサキュバに立ち向かう事が出来ないからだ
人間同士の戦争は止める事は出来ない
なぜならそれは人間が新しい未来へ進む為のひとつの手段でもあるから
そこに悪魔や神が関わってはならないのだ
土方「此処、会津でサキュバを仕留める!」
全員「はいっ!」
何かもう一つ忘れている気がする
この会津戦争で語り継がれた物語 なんだっけ
役に立たないなぁ、何のために未来で育ったの
藤堂「おっ、瑠璃どうかしたか?難しい顔になってるぞ」
瑠璃「平助。うん、何か忘れている気がして」
藤堂「大事な事なのか?」
瑠璃「大事かどうかも分からないんだけど、気になるの」
藤堂「そのうち思い出すだろ、考えても思い出せないなら何か行動した時に思い出すかもしれないし?」
瑠璃「そうだね」
瑠璃は時々ああやって一人で考え込む事があるんだよな
明るくて、元気で、強くて、優しくて
だけど横顔が寂しそうに見える時があるんだ
育った時代が違うからなのかは分からないけど
藤堂は瑠璃本人も気づいていない何かを感じていた




