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Time Trip to Another World 〜暁〜  作者: 蒼穹の使者
第一章 起承~京都・大阪編〜
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第二十三話 禁門の変にどう絡む?作戦会議

話は禁門の変に戻る。会議再開


近頃の長州は外国から武器を仕入れ勢いづいている。

長州は会津藩主の松平容保まつだいらかたもりを排除しようと躍起になっている。

新選組が京に残れたのは会津藩のお陰であり、その恩義は彼らにとっては大きい。

よってこの戦いを黙って見ているわけにはいかないのだ。


土方「この戦いは暴挙にもほどがある。長州を京から追い出さなければならねえ」

原田「長州は最新の大砲や銃を仕入れているらしいじゃねえか。大丈夫なのかよ」

土方「攘夷だと言いながら西洋の武器をしこたま持ってやがる」


(薩摩はどう動くのでしょうか)


斎藤「長州の暴挙は防がなくては京の町も多大な被害を受けるだろう」

永倉「会津藩はまともな飛び道具なんて持ってねえだろ。俺らだって旧式の大砲しかねえんだ」

沖田「どう相手を叩くかだね」

藤堂「会津藩は蛤御門固めるんだろ」


(そうか、あそこが一番の激戦区になるんだった。となると新選組はそこを中心に配置される。でも、話が通ってなくてあっち行け、こっち行けと盥回(たらいまわ)しにされた挙句、結局大した働きができなかったはず)


沖田「瑠璃ちゃん、それ本当?」


(正直、幕府は新選組のことは都合のいいようにしか考えていません。負け戦になれば煙たがられ、勝てば我らの軍だと大げさに称える。幕府のことはあまり信用しない方がよいかと思います。会津藩への恩義を返す事が必須ならば、私たちは暴挙に及ぶ長州軍を何としてでも抑え込み、手柄を会津へ渡せばいと思うのですが。ご褒美は少しいただきたいですけどね)


土方「お前、大胆だな」


(新選組には真の正義で戦ってほしいんです。守るべき相手は一般庶民ですよ。彼らがいなければ国は成り立ちません!)


土方「まあ、もっともな意見だな」

永倉「おい、土方さん独り言はやめてくれ」

藤堂「そうだよ、何が大胆でもっともな意見なんだよ」

山南「私たちには聞こえないでしょうが、恐らく瑠璃さんが仰っているのですよ。大胆なお話をね」


(山南さん、さすがです!って、聞こえているんですか?)


近藤「とにかくだ!そんな暴挙は絶対に許さん。民を守ってこそがお国の為になるのだ」

土方「問題はどう動くか、だ」

斎藤「やはり我々は蛤御門で迎え撃つしかないでしょう。あそこを通してしまうとやっかいです」


(ん~、すみません。私は土地の情報に詳しくないのですが御所があるところですよね。こちらの隊はそう多くないですし、長引くと負けます。短時間で仕掛けて終わらせなければなりません。一番は、あちらが仕掛けてくる前に夜襲でもかけられれば良いのですけどね)


土方「夜襲か…山崎、島田、長州勢が京入りする日を探ってくれ」

山崎、島田「承知しました!」


沖田「ははは、僕はうずうずするよ」

原田「そうだよな。まともにぶつかっても勝てねえからな」


(もちろん私も参加いたします)


斎藤「瑠璃!」


(大丈夫ですよっ)


土方「くくっ、おもしれえじゃねえか」

永倉「なんか分からねえが、瑠璃ちゃんの声が聞こえてきたんだけどよ。どういうことだ?」


(ふふ、私がお二人の脳に交信したんですよっ。すごいでしょ?)


藤堂「げっ、おまえ怖いって」

土方「じゃぁ説明は不要だな、山崎からの報告を待って決行する」


(土方さん、相手が何処に駐留するのかも調べて下さいね?屋敷の見取り図みたいなものがあると便利です)


土方「分かってるよ」




会議は終了!疲れたぁ。

京都の夏は本当に暑い、風がない、汗が止まらない。


「瑠璃」

(一さん、お疲れ様でした)

「ああ、それにしても暑いな」

(いつの時代も京の夏は暑いんですねえ)

「瑠璃、少し涼みに行かないか?鴨川は風が通って涼しいらしい」

(いいですね!行きましょう!)


浅葱色の羽織から洋装に変わり隊士たちは長かった髪を切った。

もともと恵まれた容姿を持った新選組。

巡察で彼らが通れば町は色めき立つ。


私も切ろうかな。

洋装でこれじゃ逆に目立つよね?


「瑠璃、どうした」

(あの、私の髪を切ってくれませんか?)

「何を言っている。女が髪を切るなど」

(一さん、私のいた時代では短髪の女性たくさんいましたよ?それに、もともと私は短い髪型が好きなんです。切っても直ぐに伸びるんですから気にしないで下さい)

「そうだが…」

(それにこのままだと目立って、女だとバレてしまいます。戦場で女だとバレたら、慰めものにされてしまうかもしれませんし)

「なに!許さん、そんな奴は俺が斬る!」

(だ、か、ら、髪切ってくれませんか?)

「…、…、承知した」


河原で髪を切る斎藤。勿論、刀で。

ハラハラと髪が落ちる。

一房、また一房と手に取り肩より少し上の長さになった。


「終わったぞ」


瑠璃は斎藤に仕上がり聞いた。


(どうですか?)


斎藤は目元を赤く染めながら、


「似合っている。男の様に仕上げたつもりだが、ますますあいらしくなってしまったな。」


(一さん、ありがとうございます。早く鏡で見たいです)


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