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Time Trip to Another World 〜暁〜  作者: 蒼穹の使者
第一章 起承~京都・大阪編〜
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第十九話 再び登場(神田と乾)で大混乱

すっかり神田と言う男たちのことを忘れていた私たちでしたが、彼らは覚えていたようです。


「ねえ、百合ちゃん。なんか嫌な感じがしない?妙に屯所内静かだけど」

「そう、ですね・・・」


すると突然、障子が開けられた「ザーッ!」

山崎だった。


「真田君!瑠璃君も一緒か。」

「何かあったんですか?血相変えて」

「境内に彼らが現れた、副長たちが応戦している。真田君は隠れていてくれっ」

「嫌です。私も行きます!私が目当てなんでしょ!」

「真田君、これは副長命令だ!」

「私にも意志があります。私が彼らを止めますから」


普段はおっとりとしている百合だがこの時ばかりは早かった。 

刀を手に飛び出した。


「百合ちゃん!」

「くっ、まったく困ったもんだな」

「山崎くん、追わなきゃ」

「言われるまでもない」


百合を追って境内に出た山崎と瑠璃、そこには神田がただなる気で土方に迫る。


百合「土方さん!怪我を」

土方「百合、てめえは何で出てきた!」

神田「真田百合、お前を迎えに来てやったぞ」

百合「私は行きません!」


百合が土方の前に出る、土方を庇おうとしているのだ。


原田と斎藤は乾と対戦していた。

乾は原田の槍と斉藤の刀を素手で受け、かわしている。

神田からあかの気が炎のように揺らめき立つ。 

頭からは二本の角が生えていた。

乾からは黒の気が立ち昇り、鼻は長く伸び、背には翼があった。

誰がどう見ても彼らは人の姿をしていなかった。


神田「真田百合、まだ目覚めぬのか。ここの者たちと関わるな、おまえは俺たちのもとへ来い」

土方「煩いんだよ!こいつは行かねえって言ってんだろうが」


神田が更に気を高めると、髪は白銀色に変化し紅の気が百合を包み込む。それに答えるように、百合の髪も白銀色へ変わった。

そして彼女の腰に差していた刀が鞘から飛び出した。

刀の葉が幾重にも別れ、扇のように広がった。


百合「こ、これは・・・鉄扇」


百合がその鉄扇へ手を伸ばすと、静かに主人の元へ降りてくる。

強い風が巻き起こり立っていられないほどだった。


乾「これ以上彼女を煽ると不味いのでは?ここは一度退きましょう」

神田「仕方があるまい。百合、よく考えるのだ己にとって何が一番よいのか」


神田が刀を静かに鞘に戻すと人の姿へ変わった。

風も止んだ。目を細め瑠璃の方へ近づく。


神田「佐伯瑠璃と言ったな、おまえはもう目覚めたのか?」

瑠璃「何のこと?」

乾 「彼女が目覚めたとなればこれ以上は・・・我々は手を引く方がよいでしょう」

神田「まさか気づいておらぬのか?己の力に」


土方、原田、斎藤、沖田が瑠璃を守るように囲む。

その光景を見た神田は、


神田「まさかっ!そうか、やはり歴史は繰り替えすのだな。先祖が犯した罪を代々と受け継ぎ、逃れることは許されぬ、か。ふはははは!」

瑠璃「何なの」

乾 「救世主の目覚めそれに火地水風、すでに揃っていたとは」


神田は羅刹天、乾は迦楼羅だ。

これらは神の前では跪くしかないのである。

二人は膝を付き、しぶしぶ頭を下げ去って行った。


瑠璃「意味が分からない・・・何?あっ、土方さん怪我っ」

土方「ああ、これぐらい何てことねえよ。お前の力は要らねえ」

斎藤「副長、瑠璃は力を制御できるようになっています。以前のような心配は要りません」

瑠璃「はい、というわけで腕、失礼しますね」

土方「おいっ、瑠璃!」


ものの数秒で治療は終わった。

土方さんは何か言いたげだったけど、観念したのか「ありがとな」と言い、頭をポンポンして戻って行った。

初めて土方さんにポンポンされた。

左之さんしかしないと思ったけど大人は皆する技なんですね。 

ちょっと不意を突かれた気分だ。


それより、彼らが語って行った意味不明な言葉と何故、彼らが私たちに跪いたのか。私たち?


その晩、また夢にあるじが現れた。

どうも私だけでなく、土方さんたちにも眠ったままの力があるらしい。

土方:青龍 原田:玄武 斎藤:朱雀 沖田:白虎 

個々の力は恐ろしく強いらしく、あの二人など屁でもないそうで。

だから、なんなの?もはや私が知っている幕末ではない。

完全に違う世界だ!


「顔色が悪い。どうした」

「一さん、私もよく分からないのですが、夢で・・・斯く斯く云々」

「・・・な、・・・信じがたい、な」

「でしょ?まあ、考えても仕方がないので時の流れに任せましょう!」

「あ、ああ」


あんたはあんなに悩んでいたというのに、もう放棄したのか。

その恐ろしく早い切換えを是非とも伝授してほしいものだ。


「一くん、なに難しい顔してるの」

「総司、あんたは白虎らしい」

「は?」

「総司と斎藤じゃねえか、どうしたそんなところで突っ立って」

「左之、あんたは玄武らしい」

「・・・は?」

「おい、お前らこんな所にいたのか。さっさと来い!飯だとよ。何で俺が呼びに来てんだ」

「副長が青龍」

「あ?」


(一くん、どうしちゃったのさ)

(斎藤?だ、大丈夫か)

(斎藤の頭がいかれちまってる)


「あれっ、まだ此処に居たんですか!土方さんまで。ミイラ取りがミイラですね(笑)」

「おい、斎藤の様子がおかしいが・・・」

「え?どんな風にですか?」

「俺は朱雀・・・」

「一さん!だから、もう忘れてくださいって。ほら行きますよ~」

「(全員が)原因はおまえかっ」


「斎藤があんな事になるとは…信じられねえ」

「土方さん、相手は瑠璃ちゃんですよ?」

「あ、ああ」


終盤はガヤガヤしてしまいましたが今は分からない事だらけなので仕方がないのです。

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