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Time Trip to Another World 〜暁〜  作者: 蒼穹の使者
第一章 起承~京都・大阪編〜
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第十三話 非番

ストーリーには全く影響しません。

くだらないお話です。

今日は非番です。

非番の日は何もするなと土方さんは言います。

そんな土方さんは非番の時こそやる事があるんだとか、言っておりました。


総司はどこかの警護に連れ出されました。

かなり面倒くさいと渋っていましたが、近藤さんの一言で一転。

仕方がないとか、僕しかできないからなんて言い喜んで出かけていきました。子どもか?

一さんは巡察だし、非番は暇だなんて贅沢なことを考えながら縁側に座ってぼうっとしています。


「ふわぁ・・良い天気、眠いなぁ。」


気づいたら縁側の柱に寄りかかったまま、眠ってしまった。

秋の清々しい風と穏やかな日差し。

あいかわらずこの時代の時間の感覚がつかめない。


誰かに見られるかもなどとは全然思っていませんでした。


「そういう訳だ、原田もその件、頭に入れておいてくれ」

「ああ、分かった。」

「ん・・・おい、あれ」

「あ?瑠璃じゃねえか。何してんだ?」

「今日は非番だ、暇を持て余してんだろ」


二人は瑠璃のもとへ向かった。


「おい、土方さん。こいつ寝てるぞ」

「は?ったく。こんなところで寝やがって、どんだけ無防備なんだよ」

「だな。それにしても気持ちよさそうだな」


原田は瑠璃の隣に腰かける。


「なるほどな。土方さんも座ってみろよ、急ぎの用はねえんだろ?」

「ああ?仕様がねえ、たまには付き合ってやるか。」


土方も縁に腰かける。


「確かに、こいつは眠たくなるかもしれねぇな」

「だろ?」


「・・ん~、んっ!?」

「くくっ、目が覚めたか」


なんで隣に土方さんと左之さんが居るの?


「あのっ、どうしたんですか?お二人とも」

「どうもしねえよ。あえて言うなら、昼寝してる女が誰かにしょっ引かれねえように見てたってとこだ」

「は?」

「瑠璃は無防備すぎるんだよ。寝込み襲われたらどうするんだ」

「誰が誰を襲うんですか?まさか、また来たんですか!あの男たち」

「ばか、そう安やすと何度も入られてたまるかよ。お前を襲うのはあいつらだけじゃねえってことだ」

「え?わかりません」

「お前、女だろ?」

「はい」

「俺は男だ」、「俺も男だ」 「は、い・・それが?」

「はぁ、ったく。おまえは…斎藤から怒られるぞ」

「なんで一さんが出てくるんですか」

「原田、後はお前に任せた。俺は仕事の続きをしてくるよ」


「左之さん、土方さんは何を言いたかったんでしょうか?」

「だから、」


原田は瑠璃に顔を寄せ、囁くように言った。


「男って生き物は本能的に女を欲するんだよ。瑠璃、さっきのお前はすげえ美味そうだったぞ」

「えっ、やっ。ちょっと」


左之さんのその艶のある声で、しかもこんなに近くで囁かれたらさすがに赤面では終わらない。

火が出そうだった、心臓がバクバク煩い。


「くくっ、悪い。悪戯が過ぎたか?兎に角お前は女だ。あんまり無防備な姿見せんじゃねえぞ。喰われちまう」

「もう、左之さんっ!」

「冗談じゃねぇぜ。瑠璃は別嬪だからな、できれば相手は俺がしてやりてえんだが。誰かさんに斬られるのも嫌だしな」

「だから、揄わないでください。左之さんは狡いです。大人の色気出すの止めてください!」

「そんな風に言われるのも光栄だな。ま、あんまり瑠璃困らせてもいけねえ、俺は行くからよ。ゆっくりしとけ、じゃあな」


左之さんはいつものように私の頭をポンポンして去って行った。

一人になって冷静になると、とても恥ずかしくて赤面せずにはいられなかった。

土方さんも左之さんも、すごく大人で色気がある。

もしその二人が・・・止めよう!考えるのはやめよう!

でも、この時代の人は肉食半端なさそうだよね。

草食男子とかありえないんだろうな。

っ、だから考えるの止め!!



「瑠璃、そこで何をしている」

「へ?あっ、はじめさん。いつからそこにっ」

「少し前に戻ってきた。瑠璃が居るのが見えて来て見たんだが、少し様子がおかしいように思えてな…」

「あ~ははっ、気にしないでくださいっ。」

「そうは言っても顔が赤い。熱でもあるのか?」


一さんは自分の手を私の額にあて、様子を見る。

こ、こんなに近くに一さんの顔がっ!

どんどん熱が集中していくのが分かる。

ダメだって、さっきのアレで今のコレはないでしょ!


「一さん、本当に大丈夫ですっ!早く土方さんに報告行かないと」

「ああ、夕刻は冷える。長居はするな」

「はぃっ」


一さんって、額に手とか当てるような人だっただろうか。

最初会ったときは表情が読めなくて、無口で(いまも口数少ないけれど)冷たい印象だった。

有無も言わさず悪は斬捨てる!

そんな感じでしたよ?

いや、それは表向きの彼であって本当は違ったんだろうか。

総司だって、今は言わないけれど何かあればすぐ「斬るよ」って言っていたし。


「僕が誰を斬るって?」

「うわぁっ、総司!お、おかえり」

「瑠璃ちゃんって面白い子だよね。心の声が出ちゃってるんだもん」

「ええ!私、声に出してた!?」

「うん」

「え・・・」



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