第四十五話
各国への書状を送る表明をロイド様からされたその翌日、日が出るその頃、ブルリンのいる小屋で彼に朝ご飯をあげていた僕の耳に聞きなれた女の子の悲鳴が聞こえてくる。なんとなく察しがついてブルリンと共に小屋の外に出てみると、大きなリュックをかつぎ気を失っているフェルムを抱えているローズが出てきた。
流石に気絶はしていないが僕の時もああいう感じだったのかなぁ。第三者から見ると果てしなく異様な光景に見える。ん?ローズがこっちに来ているぞ?
「キュー」
「おわっ」
何かがばふっと後ろから僕の肩に飛び乗ってきた、黒い毛並に愛くるしい赤い瞳。ああ、そうか、ローズはこいつを探していたんだな。
「ククル、団長が呼んでるぞ」
どうやらこいつは僕の時のようにこれから『森』へ行くであろうフェルムを助ける芝居をするようだ。事実こいつの感知能力には助かってはいたが、それが仮初のものだと思うとなんだか……憎たらしい。
でも、今もこうして僕の肩に乗ってくれるということはそれなりには懐いてくれているということなのかな?
そうしみじみと考えていると、ぴょんと僕の肩から飛び降り中々の俊敏さでローズの足元にすり寄るククル………肉食獣と草食獣の図……。
「じゃあ、暫く戻れねぇから頼んだぞ」
「はい!いってらっしゃいませ!!」
ギンッと睨みつけられながらそんなことを言われ思わず敬語で返す。僕の応対にいぶかしんだような表情を浮かべたローズだが、すぐにどうでもいいものと判断したのかククルと共に外へ通ずる門のある方へ歩いて行ってしまった。
悪い人では決してないんだけど、怖すぎなんだよなぁ……。
「グル……」
足元では「さっさと飯よこせ、コラ」とばかりにブルリンが僕の足を殴りつけている。
「食いしん坊め、これが欲しいのか」
「はふっ……はふっ……」
手に持った果物をブルリンの口元に持っていき食べさせる。前は指ごと食べられるのか?と戦々恐々としていたが、意外とそんなことはない。というよりブルーグリズリーは雑食と言われているが、習慣上、獲物を食い散らかすようなことはない魔物だ。
「………団長がいない間どうしようかなぁ」
ブルリンに果物を食べさせながら出発までのことを考える。今日を含めて15日間の猶予がある。普通なら訓練、体調を崩さないようにするのがベストだけど……それだけではあまりにも変化がない。
というより肉体面は旅の途中でも鍛えられるだろう。ならここでしかできないことをするのが重要なのではないか?
ここでしかできないこと、勉強?
それはローズに貰った本を熟読していればある程度は大丈夫。万遍なく理解していれば大丈夫、な筈。
じゃあ、格闘技とか剣技?
そもそも殴る蹴るしかできない格闘経験皆無な僕が十日やそこらでろくなものを学べるとは思えない。でも一応齧っといて損はないので、これも考えておこう。
「後は……治癒魔法、かな?」
僕はまだ傷とか筋肉の疲労とかしか治したことがないから、よくは理解していないけど、ローズがいないこの約十日間で治癒魔法について理解を深め、その扱いを心得ればいいのではないか?
幸いこの国にはローズ並みに凄い治癒魔法を使う人がいる。
「とりあえずの訓練が終わったら行ってみるかな」
「ググ……」
「ん?ああ、ごめん手が止まっていたね」
もう一つ果物を取出しブルリンに与えながら、これからのことに考えを巡らせる。
オルガさんならよく知っているはずだから、色々教えてくれるだろう。じゃあ、いつもより早めに訓練を終えて診療所に行ってみよう。
「イヌカミ様、何処へ向かわれるのですか?」
「ん?救命団のところまでですよ」
日が大分上がった時間帯、少しばかりの休みを貰った私は、ウサトくんのいる救命団へと足を運んでいた。その最中、城の城門を通ろうとしたところを守衛を務めるアルクさんに声をかけられた。
「ウサト様の所ですかッ!」
「え、ええ」
やけに語尾に力が籠った後輩気質な喋り方をする彼に押されながらも頷く。
アルク・ガードル、彼は城の守りの要である城門の警備をしている騎士の一人であり、シグルスさんにも一目置かれている騎士達の中の一人。近衛の騎士や隊長という職には就かず、自ら城門の守衛という任についている変わった人、らしい。
まあ、そうでなくては私が王国の外に出るときのお付きには抜擢されないだろう。あの時は私の不注意でウサト君を巻き込んで行方不明になってしまったが、あの後、アルクさんは寝ることを惜しみ私たちを探してくれたというのだから、彼がどれだけ愚直で真っ直ぐな男かは分かる。
「ウサト様なら先ほど街の方に向かうのを見かけましたッ」
「そうなんですか?」
成程、それでは街の方に行った方がいいかな。……すっかり、ウサト君に会いに行くって感じになっちゃったな、そうなんだけどさ。
魔道都市ルクヴィスにある魔法学園について色々聞いて欲しかったんだけど。異世界魔法学園ものばりの都市に少しばかりの期待を抱いているこの私の熱い思いは何処に発散すればいいッ。
「アルクさんはルクヴィスについて知っていますか?」
「良いところ、とは言い難いですが……ルクヴィスは魔法を学ぶという事では最高の環境だと思いますッ」
「……というと、アルクさんは……」
「私も一時はルクヴィスで魔法を学んでいた身です。魔法と剣だけが取り柄だったので卒業もギリギリだったんですけどねっ!」
ははは、と砕けているようで爽やかな声で笑ったアルクさん。しかし、私から見てもアルクさんはそれなりに強いと思う。炎の系統の魔法を用いると聞いたし、剣もかなりの腕前だ……。
首を傾げ、うーんと唸っていると私の考えをなんとなく察したであろう、アルクさんの同僚?の騎士らしき二人が、腕を組みうんうんと頷き何かしら呟く。
「取り柄っつってもアルクさん、苦手なの弓術とか棒術とかそれくらいじゃないですか。イヌカミ様、この人はその気になれば近衛騎士にだってなれるんですよ」
「そうそう、何で上に上がらないんだろうって常々思ってます。早く昇進しろー」
「お、お前ら……」
「ん?それはどういうことですかな?」
同僚たちからのキラーパスに動揺しながら素に戻った彼に、しめたとばかりに質問を投げかける。私の笑みを見たアルクさんは、苦笑いしながら手を横に振ってはいたが、言い逃れはできないと悟ったのか脱力するように腕を下げ被っている兜を照れるように掻く。
「私は、結構不器用なので……一つのものしか守れないんですよ」
「それなら近衛騎士でもいいじゃないですか?」
近衛騎士が守るのは主であるロイド王。それでは駄目なのだろうか?
「いや、近衛騎士はロイド様を中心に臨機応変に守る対象が変わってしまうんです。そんなの不器用な私じゃ手が回りません。だから此処を守ってます」
サッと顔を城門に向ける。
高くそびえたつ堅牢な城壁は何者の侵入を許さんとばかりにそびえたっている。
「ここを守り通せば誰も通れない。よって誰も城の人々が傷つけられることはない。城門を超えられたら終わりですけどねっ!」
茶目っ気たっぷりに頭を掻いたアルクさんだが、その姿に私は密かに戦慄していた。
学園にいた、ということは学生。
剣と魔法が取り柄。
炎の系統魔法。
不器用。
………しゅ、主人公。
まさに主人公たる要素を兼ね備えた守衛、アルク・ガーデル。
カズキ君とは違う意味でイケメンだ……。
「でも、しばらく城の守りは同僚に任せます」
「え?」
どういう意味だろうか。
疑問を抱くように首を傾げていると、急に規則正しく足を揃えたアルクさんが、背を伸ばし―――。
「不肖、このアルク・ガードルッ。救命団所属のウサト様の旅にご助力させていただくことになりましたッ!」
そうよく通る声で口にした。
「………え?」
「ははは、私自身も驚いています。なにせ、昨日城の者から伝えられた事なのですから」
素っ頓狂な声が上がるのはしょうがないだろう。なにせ、昨日の時点でお付きの騎士を決めているなんて驚きだ。流石、ウサト君抜け目がない。そして何気に有能な彼を選ぶところが憎らしいぞ。
いや、彼は気づいていたのだろうな、アルクさんの滲み出る主人公気質に。
「ふ、流石だウサトくん、完敗だよ……アルクさん。ウサトくんをよろしくお願いします」
「はいッ!」
圧倒的な敗北感と共に、街の方へ歩き出す。
彼と一緒ならウサトくんも大丈夫だろう。ウサト君なら余程の敵でなければ五体満足で逃げ切れるだろうし。それに未来を予知するアマコが加われば、より安全性が増すだろう。
というより、鉄壁過ぎてどうやったら倒せるんだってレベルのパーティーだ。
ということは問題は私か。
私が行くのは勇者信仰が篤い国、カームへリオ。そう遠くない国だが、色々面倒くさい事になりそうだ。……主に人気者過ぎてねッ!!
「……駄目だ、気が滅入る」
話を聞くだけで胃がもたれそうだ。でも勇者である私が行けば協力してくれること間違いなしの国らしいので行かなくてはいけないのが現状なんだよなぁ。
午前中の訓練を終えた僕は一人で街の診療所にやってきていた。僕を見かけても前のように大騒ぎはしなくなったけど、暖かいようなくすぐったい視線は感じる。
まあ、前まではブルリン背負って走ってたから、変わった感じはしないや。
とりあえず……。
「こんにちはー」
軽くノックして診療所の扉を空け挨拶をする。相変わらず救命団と同じような清潔な屋内、結構久しぶりに来たので感慨深い気持ちになっていると、診療所の奥の方からぱたぱたと聞き覚えある声と共に一人の少女が小走りで掛けて来る。
「いらっしゃいま……ってあれ、ウサトくんじゃない」
「こんにちは、ウルルさん。今日はオルガさんに用があったんですけど……忙しいですか?」
「ううん、大丈夫だよ。今日は患者さんが来ない良い日だからねー」
良い日、か。確かに患者さんが来ない日は怪我人が出ないって事になる……うん、確かに良い日だ。にこにこと上機嫌なウルルさんについていきながら、今回来た目的を軽く説明する。
「へぇ、お兄ちゃんに治癒魔法を……うん、いいと思うよ。お兄ちゃんそれだけが取り柄だから!」
意外とウルルさんはオルガさんに厳しい。
いや、多分素は結構毒を吐く子かもしれないな。
「でも、お兄ちゃんもそうだけど、ウサトくんも相当凄いことになってるよねー。聞いたよー今度はローズさんと組手やっていたんだってー?」
「え?違いますよ」
「え?そうなの……あ、あははは、確かにそうだよね。ローズさんと組手なんてしちゃったら―――」
「一方的に殴られただけですよ」
「死んじゃ……って、は?」
組手なんてしても一方的に殴られるのは変わらないですよ。僕はひたすら亀のように耐え、あの一撃を避けられるまでに頑張った。
「いやぁ、頑張りました。でも終わってみれば団長も結構手加減してくれたのかなって思いますよ。だって僕まだ生きていますもん。……というより、何で僕と団長が組手していたなんて噂が?」
「……あは、あはははは、救命団の訓練場で響いていた音を不思議に思った子供が、ローズさんと喧嘩してるウサトくんを見たって言うから……」
それでそんな噂が、ローズと僕が喧嘩……僕が必死に命の危険を訴えかけていた時の話かな?敬語も何もかもをかなぐり捨てて命乞いした覚えがある。
それでも訓練続行されたけど。
「それにしても大変だったんだね……あ、ここがお兄ちゃんの居る部屋だよ」
「ありがとうございます」
ウルルさんが扉を叩き『ウサトくんが来たよー』とやや大きめの声で扉に向け言い放つと、ややくたびれたような声で『入っていいよ』と声が聞こえた。
扉を開け放ち中に入ると、簡素な部屋の片隅に置いてある机に備え付けられた椅子に座っている男性の姿が視界に映る。
「病みあがりなのにすいません、オルガさん」
「別に構わないよ、人と会うのは僕のささやかな楽しみだからね」
ウルルさんの兄、オルガ・フルール。ローズ並の治癒魔法の使い手でありこの診療所の主。
今から僕が教えを請おうとしている人だ。
「成程、旅に出るその前に僕に治癒魔法を……」
取り敢えず此処に来た理由と、各国へ書状を送る事について説明してみた。しきりに頷いて何かを考えているが、断られる雰囲気ではないようだ。
「でも僕に教えを請う必要なんてないと思うよ?ウサト君なら直ぐに僕よりも凄い治癒魔法使いになれるよ?」
「それでも、ローズさんが森へ行っている今、貴方に教えを請いたい」
「う、うーん……僕はウサト君のように体は強くないし、えと、治癒しか取り柄が無いし」
腕を組み悩ましげに唸ったオルガさん。
そんなオルガさんに、ウルルさんがアドバイスするように手を挙げる。
「じゃあさ、試しに私達の治癒魔法を比べてみようよ。ウサト君も構わないでしょ?」
「大丈夫ですよ」
「じゃあ、やってみよう!」
「僕には聞いてくれないんだ……ははは」
苦笑しながらも手を前に出したオルガさんと、満面の笑みのウルルさんの視線を受けてから僕も掌から治癒魔法を放出する。
僕の治癒魔法の色は水晶で魔力系統を測った時と同じような薄い緑色。
ウルルさんは僕よりも若干濃い緑色だけどそんなには色に大差はない。でもオルガさんは……。
「……やっぱり」
濃い、透明さは残しつつあるものの若葉の色に似た緑色だ。思い出せばローズの治癒魔法も僕よりも濃く今のオルガさんの治癒魔法よりも薄い緑色だ。
「オルガさん、何時も魔力をどうやって練っているんですか?僕は特に意識せず練ってこんな薄い緑色なんですけど……」
「それは僕も同じだよ。僕の場合はウサト君やウルルの治癒魔法と少し違って、生まれつきってやつだね」
「生まれつき……」
「でもこの濃い治癒魔法は病を治せる程の効果がある。その代わり僕自身には治癒魔法をかけるのは凄い苦手なんだけどね……あははは」
―――もしかしたら色の濃さで直せる段階があるのではないか?
今までなんとなく放出していた治癒魔法の光を見つめ、ゆっくりと拳を握る。今この拳に宿る光はこの世界で初めて治癒魔法を使ってから全く変わっていない薄い緑色のままだ。
「僕が知る限り治癒魔法で病を治すのは色々違ってくる、単純に外の怪我を治すんじゃなくて、体の『中』の病を治癒させる。……いいかい?治すんじゃなくて治癒させるんだ」
「……私にはよくは分からないけど、お兄ちゃんの治癒魔法は私達の一歩先にあるって認識でも良いの?」
「そうだね、その認識で間違ってはいないと思うよ」
僕の治癒魔法より一歩先にいる……。
ローズなら何かを知っているかもしれないけど、なんとなくだがこれは僕が自分でやらなくちゃいけない事の様な気がする。オルガさんと俺の治癒魔法の違いは色の深さと考えるならば単純に僕の治癒魔法がオルガさんのそれと同じ色になれば、病を治せるようになるんじゃないか?
僕の知っている彼女なら……。
「……」
―――取り敢えず魔力を大きくせずに、魔力をつぎ込んでみる―――
溢れ出ていた治癒の光が手の表面を覆う程度に収められ、その状態のまま何時もはやらない魔力のつぎ込みを始める。薄いなら魔力の濃度を上げればいいんじゃないかと思ってやってはみたが……何だか地味だな。
でも電撃が走る様に魔力がジリジリと迸りながら心なしか色が変化していっている気がする。
「ウサトくん何してるの?」
「え?魔力継ぎ足してるだけなんですけど」
手から目を離さずにそのまま魔力をつぎ込んでいると、次第に手の表面を覆う治癒の緑色の光がどんどん深く色づいていく。行けるか……そう思った瞬間、隣で僕の手を覗いていたオルガさんが息を吞むと同時に僕の腕を掴んだ。
「ウサトくん!今すぐそれをやめるんだ!!」
「へ?」
もう少しで成功しそうなのに!?―――と言葉にしようとしたその瞬間、魔力を継ぎ足していた僕の右手が溢れだすような光を放ち――――鮮血が散った。
「はぁ……」
僕の手から光が迸ってから一時間位が過ぎた。
あの後、僕の手は確かに濃い色の治癒魔法に包まれた。だけどその次の瞬間に僕の手は蓄積された力に耐えられなかったのか、破裂した。破裂したと言っても手自体が爆散した訳じゃなくて、切り傷のようなものが手にできてそこから魔力が漏れ出してしまった、という訳だ。
ここで驚いたのは、展開していたはずの治癒魔法が発揮されなかった事だ。勿論、怪我をした後に普通の治癒魔法をかければ元通りに治った。
自分の傷を治して気付いたんだけど、僕のやった方法はかなり危険な試みだったらしい。ウルルさんはガチ泣きしてオルガさんからは叱られてしまった。でも得られるものがあった。
「治癒魔法の治癒出来る範囲は濃度によって変わる」
それが今回、ここにきてなんとなく出した法則。そしてもう一つ分かった事がある。治癒魔法は色が濃くなるほど自身の体を治せなくなるというデメリットを負っているという事だ。
事実、蓄積された治癒魔法が破裂した時、濃い状態にあった治癒魔法じゃ僕の手にできた傷は治せなかった。加えて、生まれながらに濃い治癒の魔力を持ったオルガさんが自身に治癒魔法をかけることを苦手としていた事に納得がいく。
「試してみる価値はある」
何回か繰り返せば感覚も掴めるだろう。恐らく魔力の濃さを強めればオルガさんやローズ並に怪我人を早く治せるようになるし、今まで難しいと思っていた病気の人も治癒することができる。
これからの訓練としては安定して魔力の濃さを選んで使えるようにすればいい。
その為には……。
「練習あるのみって感じか」
再び右手に治癒の光を集め濃度を濃くさせていく。
この新しい訓練の良い所は何処でもできるって所だね。でもまた手を血だらけにして周りに迷惑をかけるのも忍びないので、訓練場に行こうと踵を返し後ろを見ると……。
「ウサトくーん!!」
「先輩じゃないですか……」
後ろを向いた僕を見つけた犬上先輩が、笑顔を浮かべこちらに手を振っている。こちらへ駆け寄ってきた彼女は嬉しげな表情を浮かべ、やや興奮気味に僕に話しかけてきた。
「唐突だけど、どうやってアルクさんの主人公気質を見抜いたんだい!?」
「いきなり何言っているんですか」
本当に唐突ですね先輩。
―――まあ、新しい訓練の為に帰ろうとは思っていたんだけどもう少し街をブラブラしていこうか。先輩、なんだか凄い無理してる……いやいつも通りか。
「ちょっと待ってください……スゥー―――ハァ――――……よし、いいですよ」
「私と話すのそんなに面倒くさいのか……ウサトくん」
「そんなことありませんよ」
ちょっとは思ってますけど。
でもそんなには嫌とは思ってはいないので敢えて口には出しませんけどね。




