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第六十三話







 1937年12月24日、千葉陸軍戦車学校。この日、将和は東條や杉山達と新型中戦車の視察に来ていた。


「おぉ、あれがチハか……」

「フハハハ。その通り、あれこそが集大成とも言えるチハよ!!」


 将和の驚きの言葉に杉山はニヤリと笑う。


「こいつがチハの諸元だ」


 東條はそう言って将和に書類を渡す。




九七式中戦車『チハ』


全長 7.02m

全幅 2.87m

重量 33t

懸架方式 独立懸架およびシーソー式連動懸架

速度 45km

行動距離200km

主砲 95式48口径75ミリ戦車砲×1(80発)

副武装 13.2ミリ機銃×1

    7.7ミリ機銃×2

装甲 砲塔

   前面80mm

   側面65mm(傾斜20°)

   後面50mm(傾斜10°)


   車体

   前面60mm(傾斜60°)

   側面45mm(傾斜50°)

   後面45mm


エンジン ハ9乙川崎九八式八〇〇馬力発動機改造

液冷V型12気筒ガソリンエンジン(650hp)

乗員 5名




【概要】(ネタバレ)


 三週目の将和君の日本陸軍が開発生産配備したチハ様。(チハ様バンジャーイ)

 初陣は日ソ戦争であり参戦していた三個戦車連隊の各中隊に配備されており損害は僅か2両(ただし後送修理後に復帰)であり他の戦車に比べたら月とスッポンである。

 武装は88式野戦高射砲を元に設計した戦車砲であり砲弾のコスト削減のため野戦高射砲の砲弾も互換性があり使用可能としている。なお、徹甲弾(97式徹甲弾)は海軍の協力もあり貫通力は大幅に向上している。

 100mで103mm、200mで95mm、500mで88mm、1000mで72mmの貫通力となっていた。

 装甲については試製96式中戦車で取り入れた傾斜装甲を存分に使用しておりノモンハン事件ではソ連軍の45ミリ対戦車砲を跳ね返した程である。

 エンジンは大馬力を発揮するディーゼルエンジンの開発が間に合わなかったので98式軽爆で使用されていたハ9をデチューンしつつ使用している。

 また足回りは変速機は前進4段、後進1段で、初のシンクロメッシュ方式を採用した。操向装置は国産戦車に従来から使用された遊星歯車式のクラッチ・ブレーキ方式であったが、大重量となったことから油圧サーボを導入し、機動性は良好となる。

 開戦時には14個戦車連隊の各中隊に配属されマレー侵攻作戦では英軍のマチルダ戦車(シンガポール防衛のため16両配備)を薙ぎ倒し、ガダルカナル島ではM4中戦車をも薙ぎ倒したりする。

 戦争後半には攻撃力強化のため99式56口径野戦高射砲(史実四式高射砲)を戦車砲に搭載した『チハ』改が登場したりする。




「大陸の事変が直ぐに終わってしまったがなんのなんの。予算は取り敢えず取れたから生産は掛かれる」

「大丈夫か? 確か新型の97式小銃も制式採用して生産中なんだろう?」


 既に陸軍では史実99式小銃を早期に開発完了とし97式小銃として生産中であった。他にも史実99軽機関銃も来年に98式軽機関銃として採用される段階まで来ていた。


「大丈夫大丈夫。議員達の給料を削減してまでやってるからな」

「……第二の二・二六をさせるのはやめてくれよ……」


 将和は前回、議員の給料削減で色々あった事を思い出すのである。


「そうはそうと……ソ連の動向が怪しいと聞いたが?」

「……ハルピンの兵力が徐々に増えているとの事だ」

「……まさか……」

「分からん。だが川島君からの情報では兵力が増えているとの事だ」


 芳子は女優として満州で映画撮影をする傍ら、諜報もしており今はハルピンで映画撮影にいたのだ。無論、ソ連側からも監視されていたがかつて第一次上海事変を起こした力量は見事なモノとしか言えようがない。なお、将和と関わってからはその美貌や体型が更に磨きが掛かっており映画関係者からは「何かあったのか?」と首を傾げる程だった。(まぁ将和とえっちらほっちらしてるからである)


「無茶はするなと伝えているし躾ているからまぁ大丈夫だろ」

(それは君だから言えるもんだぞ)


 将和の言葉に杉山はそう言おうと思ったが出る前で飲み込んでおいた。言わぬが花である。


「制式採用は来年だが既に工場では生産が開始されている。6月までには一個戦車連隊には配備出来るだろう」

「分かった。此方も融通を効かせるよう岡田総理達頼んでみる」

「頼む」


 そして1938年の幕が開けた。1日から三好家では家族でおせち料理を食べていた。


「フフン、今日はボクが主役だからね」

「いや芳子……」

「それなら芳子さん、私も主役ですからね」


 将和の左右を満州から帰還したばかりの芳子とメイド服姿の美鈴が占領しており交互で将和におせち料理を食べさしていた。まぁ二人が張り切るのはお腹に将和の子を宿したからであり夕夏やタチアナ達もそれを祝福をしていた。


「あらぁ、赤飯は晩御飯にしましょうか」

「程々にな夕夏」

「それは貴方の合戦よ」

「……しぃましぇん」


 夕夏の言葉に将和はウッとするも夕夏はクスリと微笑んだ。


「別に構わないわ。子どもは多い方が良いもの……ね?」

「そこで俺を見ないでくれ母さん」


 ちゃっかりセシルとしのを左右にはべらかす将弘である。なお、今回も同期は藤田怡与蔵らである。


「俺も今年からは航本部長だからなぁ。まぁ何かと家には帰りやすくなったしな」

「あら、それは良かったわね」

「え、お父さん帰りが早くなったの!?」

「そうよ」

「ヤッター!!」

「あのね、あのね、今度本を買ってほしいの!!」

「お父さん、ボクは新しいラジオを……」

「俺は拳銃!!」

「私はバイク!!」

「ちくわ大明神」

「誰だ今の……」

「分かった分かった。ちゃんと買ってあげるからな……ってこらミハイロ!!」


 ちゃっかり銃器をねだるタチアナの長男に将和は(ロシアの血はおそろしや……)としょうもないだじゃれを言うのである。

 そして1月には海軍次官と兼任していた山本の代わりに二回目の海軍航空本部長に就任した。


「堀越さん、『あれ』はどうですか?」

「順調です。発動機も栄が21型が出来ていますから搭載しろと言われたら搭載出来ます。ただ水メタノール噴射装置付の31型が思ったよりも難航しているようです」


 名古屋にある三菱の航空工場を訪ねた将和は応対した堀越と話をしていた。


「中島航空ですが誉発動機を開発した中川さんもどうやら此方側(記憶持ち)でして我が同志に加えています」

「成る程。それで栄の開発速度が速かったのか……」

「それで三好中将、実は……」

「分かっていますよ堀越さん。誉発動機の開発でしょう?」

「中川さんは独断で既に誉の試作発動機を開発しています」

「よっぽどの自信でしょう? なら構いませんよ」

「ありがとうございます!!」


 将和の言葉に堀越は頭を下げるが将和は苦笑する。


「まぁまぁ。それで発動機ですが……何としてもハ-42とハ-43は開発してほしいのです」

「……言われると思っていました」

「では……?」

「実はこれも独断ですが深尾さん達が前年度から『火星』の開発をしています。初号機の完成は4月の予定です」

「ハハハ、技術者は独断専行が好きですね」

「前回の悔やみと言いましょうかね……我々は飛べなかった飛行機達のために何とかしてあげたい一心なのです」


 堀越の目は真剣だった。飛行機乗りの将和からしてもそれは本気だったのは言うまでもない。


「期待しています……が、無茶はしないでください」

「無論です」


 将和の言葉に堀越は力強く頷くのである。








御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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― 新着の感想 ―
[一言] 烈風や天雷とか出ますかね?
[気になる点] 第六十話で補助艦艇は建造中止にしましたけど大丈夫ですか?。正面装備を揃えることに夢中になって補助艦艇の薄さが原因で後々で泣く羽目にするのですが。 例、工作艦明石 [一言] チハの開発成…
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