67 持ち帰って考えることにした
奥から、多くの女性たちが出てきた。
女性
「にらめっこじゃなくて、会いたくなったって意味よ」
こども
「じゃあ、会いに来たって言えばいいよね」
親分
「どうだ。腹いっぱい食えているか?」
こども
「うん、毎日、食べることができて幸せだよ」
女性
「あとは良い着物を着せてやりたいねえ」
親分
「すまないが、当分は無理だ。
3年後なら、なんとかなるかもしれないがな」
女性
「当てにならない話だねえ」
親分
「じゃあ、また、夜に来るよ。
でも、何かあったら、表の屋敷に呼びに来るんだぞ」
女性
「ああ、頼りにしているよ」
親分
「おい、おめえたち、表に戻るぞ。
こどもたち、またな」
こども
「もう行っちゃうの?」
荒くれ者AとBとC
「夜なんて、すぐ来るさ」×3
俺は、親分にどうぞこちらへと、手を伸ばされて、表の屋敷に戻って、中に通された。
白丸
「あの子供たちは、親分の親戚かな?」
親分
「いいや、血は繋がっていないが、子供みたいなものだな」
白丸
「なぜ、あんなに多くの子供たちを澄ませているんだ?」
荒くれ者A
「子どもたちだけじゃないぜ、女性たちもだ」
白丸
「すると、夜に客を取らせているのか?」
荒くれ者B
「そんなことをするわけないだろう」
荒くれ者C
「おれたちはな、親分に食わしてもらっているんだ?」
白丸
「どういうことだ?」
親分
「おまえたち、その口のきき方はなんだ?
ていねいな話し方を覚えろと言っただろう!」
荒くれ者3人は、小さくなった。
白丸
「話を聞かせてくれるか?」
親分
「流石です、もうお分かりのようですね。
わたしたちが9割の利益をのせている理由は、女子供たちを養うためです。
吉田油屋は、親子二人食えれば良いという勘定で1割の利益で商いができるでしょう。
しかし、わたしたちは食わせなきゃならない人数が30人くらいいます。
ほかの油屋も似たようなものです」
白丸
「それで、9割の利益を乗せているのか?
だが、それでも、取り過ぎと思うがな。
他の店で働いているひとたちは、贅沢しているのではないか?」
親分
「ぜいたくかもしれませんが、他の店で金を使って、金を回していますからね。
食うのがやっとの給料では頑張って働く気がしないだろうし、家族だって持てませんからね。
男が働いて、妻とこども2人を食わせて、たまには良い着物を買えるくらいは稼がせてやらないとダメです。 だから、油を安く売って欲しくないのです」
白丸
「うーん、それでも、9割の利益を乗せるのはなあ」
親分
「本当は10割の利益を乗せたいところです。
しかし、なんとなく気が引けてしまいますね」
荒くれ者A
「親分、いっそのこと、10割の利益を乗せてくれたら、仕入れ値の2倍で計算が楽なのですが」
荒くれ者B
「そうしたら、こどもたちに着物を買ってやることができます」
荒くれ者C
「果物も、月1回ではなくて、月2回くらいは食わせてやりてえ」
親分
「おれに、伝説の青兵衛さんのような商才があればなあ」
白丸
「伝説の青兵衛さんのような商才ですか、うーん、あのひとは伝説ですからね」
親分
「ですねえ」
白丸 こころの声
『青商売術を活かす良い機会を得たぞ』
白丸
「良い話を聞かせてもらった。
ちょくちょく寄らせてもらおう。
だが、おまえたち3人は、しばらく、吉田油屋の近くをうろつかない方がいいな」
荒くれ者A
「どうしてですか?」
白丸
「俺の散歩道だから、出会えば、やっつけることになってしまうからだ」
親分
「しばらく、吉田油屋のことは忘れることにします」
白丸
「うむ、そうしてくれ。 またな」
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