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第五話:勝手に戦え!あの私関係ないので国外追放して貰って良くってよ(最終回)

全編完結済み。連続投稿になりますのでこちらは第五話(最終話)となりますのでご注意をお願いします

これ彼女の様子からしてきっと本来のイベントなら私がイジメる側で取り巻きも攻略対象モンスターたちでなく令嬢たちで愛情ポイントが高いかだれかしらの攻略対象の固有イベントで対象者が助けに来てくれるのだろうけど…どうしたものかしら


「身分を笠に着てはいけないというのならお前の身分も学園内では使えないということだよな」


黒っぽい見た目の攻略対象者モンスターが一歩前に出てくる。相手が男で腕力では敵わないことも怖いけれど。それ以上に手抜きのポリゴンとズレたテクスチャーで迫ってくるのが恐ろしすぎる。なんで主人公ヒロインは平気なのかしら?


(彼女がシャンネが言うように主人公なのだとしたら彼女の目には美しく見える様に加護が掛かっているのかしら?)


(わからないわ、でもその可能性は有るかもしれないわ)


(シャンネここは私に任せてもらえないかしら、多分今の私なら出来ると思うの)


(出来るって何を?)


(……)


ジュリアは黙ってしまい答えてくれない…もしかして!



キャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ



あまりの絶叫に私は耳を塞いでしゃがみ込む、鼓膜が破れるかと想った!


私だけでなくそれはこの場に居た全員同じだったようでモンスターたちも耳?を抑えてヒロインの狂った様子を見る


「どうしたんだいハニー、その女がなにかしたのかい?」


驚かせないように彼女に近づくモンスター共、傍から見てるとゾンビに囲まれて食べられる美女要員にしか見えない


「ヒッ!バケモノ!」


(今の内よ!逃げましょう)


デリムに肩を貸してその場から立ち去る


(ジュリア何をしたの?)


(昔ね私が大切にしている人と逢えなくなるように意地悪する人が居たの。でもその意地悪を私は見破れるようになったの、だから彼女にも本当の姿を見破れるように力を貸してあげたの)


じゃあ今ヒロインは初めて攻略対象モンスターを見ているのね


ジュリアは主役だった『悠久の彼方の君へ』の中で魔女の幻術で見えなくなってしまった出逢いの道を解除した魔法を使ったの?でもあの魔法は愛情ポイントが充分じゃないと使えなかったはず


(…誰かさんがいっぱい私を愛してくれたおかげね、それにねシャンネだけじゃなかったわ。私は逢ったことのない顔すら知らないはずの人たちからの愛も感じられたの)


ジュリアが逢ったこともない人達、それはきっと貴方を生み出し大切に育ててきた神様達クリエイターなのじゃないだろうか…離れてしまっても貴方を誇りに思う人、あなたに対しての理不尽つかいまわしが許せなくて|戦った(裁判をした)人、あなたを好きでいてくれたゲーマーたち


たとえプレイヤーとして彼女をゲームの中で操れたとしても彼女という人格までは奪えない


取り乱しさっきまで最愛の人を化け物と言えるあの子はきっと側は主人公でも主人公を一人の人として愛さなかった、主人公なかのこと私の差は紙一重だ。私でも愛せなかったキャラクターは沢山いたもの


当たりどころが悪かったのだろうか場所の中でもデリムは朦朧としていて私は恥ずかしがる彼を強引に横にし膝枕の上に寝かせると大人しくなった


馬鹿な人…


頼んでもいない赤の他人のために必死になって…


少しくらい何をしているのか教えてくれたって良いじゃない、心配している人の身にもなってよ…


頑張った労いにデリムの髪を撫でているけど彼の耳は真っ赤っかだった



公爵家に着くと念のため私の主治医を呼んでデリムを見てもらった、軽い脳震盪ということで骨などには異常はないみたい

彼らモンスターもとい攻略対象たちからのお礼参り(復讐)の可能性も考慮してデリムは公爵家に居候、彼の両親の家には公爵家の腕利きの私兵を付けた



居候しているデリムと弟のクリスはなんだか知らないけど漢の約束とやらが有るらしくて学院から帰るといつも一緒に剣術の稽古をしている


私が王立学園の三年生になる頃にはA組だった王子やヒロインたちはDクラスに、Eクラスにならなかったのは王家の温情と言うかなけなしの抵抗というか面子の問題で本当はEクラスなのは公然の秘密で誰しもが知っていた


もちろんAクラスは誰ひとり欠けること無く元Eクラスよ


新一年生として弟のクリスも入学し、入学早々攻略対象の黒っぽいの(現王国騎士団長の息子)に絡まれたが返り討ち。弟が強すぎて無茶をしないかとお姉さんわたしとジュリアは心配です。


お礼参りを心配した私達だけれど、逃げ回るヒロインと追いかける攻略対象たちにはもう私のことは眼中にないみたい


そして早かったような長かったような学院生活最後の日、悪役令嬢ものの定番イベント


『卒業記念パーティー』

を迎えたのだけれど…


「あんたイベントのときだけローポリになりやがってキモいのよ!スチルの時みたいにきれいなビジュアルになりなさいよ!」 


「ろーぽり?すちる?何のことだ!そんなことよりも父上にまで色目を使うなんてなんて女だ!」



挨拶もなくのっけから醜い乱闘騒ぎを見せられてせっかくの卒業パーティーを台無しにされている|三年生(私達)はキレても良いんじゃないかしら


Aクラスと言えば将来国を背負って立つ優秀な人材たちの集まりであって純粋にそれ以降は能力的に落ちる、もちろん学歴だけでなくコミュニケーション能力や一芸に秀でた者もいるのでクラス=絶対ではないのだけれど…


主人公や王子を含めたDクラスはそれ以前の問題よ、素行が悪すぎる


資質を問われる最後のチャンスである卒業パーティーでこれは無い…


キャラクターたちには悪意はないのよね作り上げた人たちに愛が無さすぎた


ある意味これ以上被害者(愛の無いキャラ)を産まないためにはこのゲームメーカーが倒産して良かったとも言える


「あの私達関係ないので帰ってもいいでしょうか?」


「「大有り(だ)よ!!」」

(ないわよ)

ジュリアから冷静なツッコみ頂きました、伝説の正統派ヒロインが放つ低音ボイスごちそうさまです


「だいたいあんたが悪役令嬢の役をしっかりしていないからこんな事になってるんじゃない!」

「そもそもお前が予と婚約を結ばなかったからこんなアバズレがしゃしゃり出てくることになったのだ!」


王子はまだ被害者プログラムされたものとして可哀想だとは思う


でも主人公(転生者)だけは無理、同情の余地はない


あなたの努力次第でこの世界を良くすることは出来たはずなのよ!

だけどこの(主人公)には何を言っても無駄、悲しいけれど都合の良い結末しか見えていない人には何を言っても響かないの


ため息を一つ付いて勝手に戦っているヒロインと王子に告げる


「あの私関係ないので国外追放して貰って良くってよ」

そう啖呵を切って卒業パーティーを後にした


その後我が国では主人公ヒロイン攻略対象(愛の無いプログラム)達によって内戦が…起きる前に阻止され、第一王子を含めた攻略対象たちは廃嫡、主人公は極刑、連帯責任で主人公の一族全員も極刑に処された



五年後


「あ~あ、わたし国外追放されたら貴方とジュリアと一緒にこの世界を旅したかったのになぁ~」


「またその話しかい、今一緒に三人で旅をしているじゃないか」

デリムはまた始まったと笑いながら答える


「まぁんま、まんまぁ」


「またおっぱいでちゅか?ジュリアは食いしん坊さんでちゅね」


啖呵を切ってその場を去った私は国外追放どころか未来の宰相婦人になってしまっていた。未来の宰相は隣りにいる旦那さんのデリム、旅とは言っているけど未来の宰相としての挨拶回り、わたし満足なんかしていないんだからね!


ジュリアには私の懐妊と同時に逢えなくなった


それは夢の中でも逢うことが出来なくなった

 

でも悲しいとは思わなかったの、だってタイミングが良すぎるもの


この世界では産まれてくる子の性別が解る便利な物はない、でも直感で女の子だと思った


もし女の子じゃなかったら産まれてこなかった貴方を恨んでね、産まれてきた男の子を貴方の代わりにして愛でるなんてことはしないから、男の子は男の子として愛でるからね!ちょっと脅迫じみていたかもしれないけれど、産まれてきた子はやっぱり女の子、出産で朦朧としている私の頭に懐かしい声が聞こえてきたの


(私よ!大切にしてくれなかったら魔法かけちゃうんだから!!)


それがジュリアからの最後の言葉だったけれど、とても彼女らしくて私は泣いてしまったの

いかがでしたでしょうか?前作(短編)の悪役令嬢ものの伸びが良くて嬉しくなり。その勢いのままに新作を書いてみました。最初は前作同様一話完結の短編にするつもりだったのですが書き始めたら止まらなくなり全五話の作品になりました。だいぶ削って短くしたつもりなので描かなかった部分も多くて評判が良ければ描ききれなかった部分を追加して長編にも出来ますので評価やブックマークして頂けると前回同様出力全開フルスロットルで書きますのよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] > 私が王立学園の三年生になる頃にはA組だった王子やヒロインたちはDクラスに > だけど主人公や王子を含めたBクラスはそれ以前の問題よ、素行が悪すぎる 間をとって「王子たちはCクラス」 …
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