表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/5

第二話:伝説のヒロインに何させとるんじゃ!手抜きってレベルじゃねーぞ

全編完結済み。連続投稿になりますのでこちらは第二話となりますのでご注意をお願いします

 

彼女はずっと泣き腫らしていて目元も赤くなって痛々しかった。


 声をかけると彼女はずっと辛かったのだという


 怒りたくないのに怒ってしまう、ありがとうと言いたいのに罵声と嫌味しか言えない


 「でも貴方が私の身体に入ってから全てが変わったの、私は見ることしか出来ないけれど感謝すべき事を感謝し、間違っていたら謝るそんな当たり前のことが出来るようになって行く姿を見れて嬉しかった」


 彼女の言葉を聞いていると何か呪い…というよりも強制力が働いているように感じてしまう


 「ちょっといいかしら?」


 彼女に許可を取って泣き腫らした目元が出来るだけ痛くないようにツリ目な目元を手で垂れさせる


 「やっぱりそうだわ!!」


 「?」


 何のことを言っているの?と困惑している元の持ち主シャンネに


 「ああ、ごめんなさいね、ところで貴方ここではないどこかの記憶が有ったりしない?」


 「ぼんやりとではあるのだけれど、ここと似ていて少し違う国?なのかしら、に居たような気がしているわ。でもしっかりしたことは解らないの」


 「サンドラ皇国という国に覚えはない?」


 「聞いたことがある気がするわ。でも周りにそんな名前の国は無いわよね…」


 「ジュリア・フォン・ネーデルラという名前は?」


 「えっと…あれ…ジュリア?私はジュリア?どういう事なの」


 混乱し始めた彼女を抱き締め落ち着かせるように優しく呟く


 「大丈夫、大丈夫だから落ち着いて」


 「でも!私はシャンネなのにジュリアで…」


 彼女が落ち着くまで頭をそっと撫で続けて待つ


 その間に私の方も頭を整理する。


 私も彼女シャンネも幼い姿だから気づくのに遅れたけどアナカナ説明書に載る成長したシャンネはメーカーの出世作にして代表作のちに「彼方シリーズ」と呼ばれる乙女ゲーの真祖『悠久の彼方の君へ』に出てくる主人公ジュリアにそっくりなのだ。


 彼女は遠く離れた地にいる攻略対象たちと夢を通じて愛を育み、出逢うために互いに旅をする、一定以上の愛情ポイントが貯まると彼女たちが出逢うのを阻止したい魔女の幻術を解除して出逢いの道を示したり、夢だけでなくホログラムのような形で攻略対象の前に現れて語り合ったり、していく内に徐々に心も距離も縮まっていく、思い出すだけで涙が出そう


そう言えばイラストレーターかみえし様とキャラクターの権利関係でも揉めていたような気がする。


 ジュリアとシャンネの見た目の違いはお目々がジュリアはタレ目でお胸が少々なだらか、シャンネはツリ目でボリューミーそれ以外は一緒!!




 あのメーカーそこまで切羽詰まっていたのか…自社の旧作品からイラストレーターに無許可で勝手にちょっとだけ替えて別キャラとして使いまわし…当然怒るわね


 シャンネ/ジュリアはキャラクターも作り込まれず、名前と性格だけ適当に弄ってバグだらけのこの世界に正ヒロインしゅやくの性格を持ったまま悪役令嬢役として放り込まれてしまったと


 同じプラットフォームで開発されたジュリア様はシステムに贖うことが出来ず、元が人間の私はシステム無視できてしまう。仮定だけどそんな気がする


 「貴方に名前を呼んで貰えたおかげで思い出してきたわ。でもどうして私のことを知っているの?」


 ううむ…これは説明するべきか否か。説明しても余計に混乱しないだろうか


 貴方はゲームのキャラクターでなんて言われて喜ぶ人は居ないんじゃないかしら…


 「混乱しそうだから折を見て少しずつ説明しようかと思うのだけれどどうかしら?」


 「そうね今でも混乱しているもの、私としても少しずつの方が助かるかも」


 そう言って初めて微笑むシャンネジュリア


 ま、眩しい!流石は乙女ゲーで一時代を作り上げ今なお人気のシャンネジュリア様、顔は同じはずなのに中身の輝きが違いすぎて悲しいを通り越して一撃でハート鷲掴みにされたわ


 普通自社の看板娘にこんな酷いことする?でも想像するとなんか察してしまう




 多分もう離れて行ってしまったんだろうね、ジュリア様を生み出して大切にしてきた人たちが…




 「とりあえず一つだけ説明するわね。私もジュリア様も別の世界からこの身体に転生したの」


 嘘は言ってない…と思う


 「転生?」


 「生まれ変わりね、ジュリア様が多分生まれたときからシャンネの身体に入っていて私がつい一週間くらい前からジュリア様の代わりにこの身体に入ったって感じかしら」


 そんな感じで私達の夢の中でお話をするという奇妙な共同生活が始まったの


 それとジュリアの方から様付けは距離を感じるからと互いに名前だけで呼び合う様になったわ


 そしてもう一つ、私はこの世界プログラムにおいて異分子にんげんな私は触れることでバグを修正させる能力がある事が判ったの




 一年が経ち、二年が経ち、バグを見つけると握手をしたり、身分的に握手を拒まれる時はチップを渡すときに触れたりとあの手この手でバグを取り除いていったわ。


その頃にはこの世界が『物語』の中だってこともジュリアに伝えて今後どうしていくかも相談し合った。

もちろんジュリア自身が別作品のキャラクターだということは隠してね


今から二年後にこの国の第一王子との縁談が持ちかけられ呼ばれて出向いたお城で初めてお逢いした第一王子にシャンネが一目惚れをし国王も息子の後ろ盾として良縁と喜び政略結婚が決まること


王子本人は乗り気ではなくずっと冷遇が続き、学園に入学すると偶然出会った男爵令嬢に熱を上げ最後には婚約破棄して捨てられること


そう伝えたのにシャンネは本人に逢ってみるまで決められないわと困り顔。ここが物語の中だと伝えてあるのにちゃんと相手を見ようとしている…ええ子や


 

 二年後物語はゲームのプロローグ(説明書)通りに進み第一王子との縁談が舞い込んできた

ブクマや評価をしていただけると作者が大変喜びます!


『ページの下にある☆マークでの評価』


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ