八十五話
今日は報告回の上に短めです。
村へと戻りつつ、モンスターを適当に狩り素材をついでに集めておく。
生体の変化調査も合わせているから、定期的に確認。まぁ、現状そんなに変化もない様だ。
「まぁ、特に問題なさそうだからさっさと帰るか」
「ミャン!」
雀蜂の跡地でも、猪や熊ぐらいしか増えて無いから、食料や魔石を手に入れる手段が増えてるようになるな。
これは朗報だろう。逆に悲報といえば、その雀蜂の巣跡地に通常の動物が増えたはずが、一気に減ったことだろうか。
「これも報告だな」
まぁ、ついでの調査はこんなもんだろうな。後は、協会に戻って報告しよう。
「はぁ……また面倒そうな報告がありそうな顔ね?」
お姉さんが、俺の顔を見て溜息を吐く。そんな変な顔でもしてたのか? 謎すぎるな。
「流れで報告しますけど、先ずは、オークが出ました」
「……それは、良い報告ね! 食肉も増えるでしょうし、魔石も質が良いものが手に入るわね」
オークの報告はお姉さんどころか、皆に良い報告になると歓喜したが……先ほどの俺の顔を思い出して少し眉間に皺を寄せている。
「さて、次……後は悪い報告になるのかしら?」
「えっと……街が在りましたね。それに関してなのですが」
街は最初、シェルターの入り口が埋まっていた事。
そのシェルターを掘り起こして手紙を残しておいた事。
夜になってもモンスターの存在がなかった事。それらについて説明していく。
「はぁ……生き埋めになって無いと良いのだけど」
「返事は求めなかったので、他のシェルターも無事と相手がわかるぐらいでしょうけど」
「まぁ、それでも相手には希望になるから良いわよ」
お姉さんは随分とプラス思考のようだ。まぁ、こんな状況であれば他にも生きている人が居ると解れば、頑張る事が出来るだろうな。
「まぁ、シェルターの件はまだまだ先でしょうし、今は放置で良いわね。なにせ、一番近いシェルターに関しても話が進んで無いもの」
あそこのシェルターは未だに返事も来て無いのか……村側としては、ほぼ放置に近い対処になりつつあるな。
まぁ、今は次の報告だろう。
「日が昇ってからは、その街から川の方に向かったんですけど……〝無の森〟の反対側から一切モンスターは出てきませんでした。雰囲気としては〝無の森〟と違うので、似た感じは雀蜂の巣的なものかと」
「なるほどね。まぁ、そっち側は〝無の森〟が解決してからでしょうね」
やる事を増やしすぎたら、収拾がつかなくなるので一つずつ解決……という事で〝無の森〟に対して調査を優先。
そして、その〝無の森〟についての重大な報告をする。
内容はもちろん、あの不思議な〝シュル〟っという音と同時にあった気配。そして、それに対して攻撃した俺とイオが何も仕留めれなかった件。
「……何かしらね。ちょっと日にちをもらえるかしら? 少し資料あさってみるわ」
「お願いします。正直正体がわからなさ過ぎて、対策が……」
まぁ、後は調査してもらってから、あの森の奥へとアタックになるだろうな。
兎に角、ついでの報告に関しては後で生態報告書に記入しておく。
「とりあえず、協会員総出で調査するから……調査が終わるまで、白河君はオーク狩りでも行ってもらえるかしら?」
「わかりました。現状手に入る魔石はオークが一番質が良いですからね」
オーク肉も美味しいから……イオが大量に求めそうだし、村の人も嵌る気がするからな。大量に手に入れるべきだろうな。
今日はオーク肉が余分にあるし、妹達も気に入るといいけど……うん、塩だけでも美味しかったから、しょうが焼きとかにでもすれば、凄く美味しいだろうな。今からちょっと楽しみだ。
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