表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
887/889

八百六十九話

今回も少し短めです。

 時間というのは「あっ」と言う間に過ぎるもので、ソラとサキさんの結婚式が遂に明日おこなわれる。


 ただ、やはり準備というのは思い通りに行かなかったようで……色々とひと悶着あったらしい。まぁ、らしいというのは、その話をソラからちょこっとだけ聞いた程度だから。

 そしてその悶着と言うのが……ソラの自業自得だろう? と思うような内容から、こればかりはどうしようもないよなぁと思う出来事まで。


 ソラの自業自得に関しては、急遽追加のイベントを頼み込んだらしい。そりゃ、時間的に色々と無理があったりするからな。それを無理矢理にでも押し通そうというのだから、調整なりなんなりと各所で慌ただしく動いたことだろう。

 ソラの我儘に振り回された人達には「南無」と言っておこう。



 そして有る種、一番の悶着というのが……結婚式の挙げ方について。


 これはもう大前提として、俺との関わりがあるから〝化身〟をメインとした神道系の式になるのは確定なんだ。


 ただ最近保護した宗教関係はコレを機に! と考えたらしい。

 世界が崩壊する前に主流だったからと「見た目からして綺羅びやかなウェディングドレスを着ませんか?」とプッシュする教会関係者。

 同じ神前婚でも、主神がーとかなんだとかと言う人もいたのだとか。ぶっちゃけ、ある意味皆さん大集合なので気にしなくても大丈夫です。なんなら「ロード」とかもいますからね。

 そしてどういう訳か顔を突っ込んできた仏教関係者。仏様の前で誓うスタイルでやってみませんか? なんて勧誘をしてきたんだけど……。


 そんな訳で、式のやり方について、決まっている事だと言うのに横から槍をどんどん入れてきていたらしい。


 ただまぁ、彼らも生き残りに必死って事だろうね。

 もはや宗教としてもぎりぎり生かされているような状況。時間をかければそれなりに安定はすると思うけど……当分の間は起きた出来事の所為でほそぼそとやるしか無い。そんな宗教が多数だ。

 文句はすべて狂信者達にいってくれって話なんだけど、そんな奴らは戦闘で殆ど散っていったからな。だから今更言いたくても言える訳がない。


「それに、愚痴った所で死人にムチを打つだけだからなぁ」


 死ねば皆仏様じゃないけど、そんな事をした所でなんの意味も産まない。

 むしろ、今まで曲りなりともその戦闘力で彼らを守ってきた人達だからな。そんな相手に死んだから文句を言うとか……お前ら何言っちゃってんの? って周りが思うわけで。

 そりゃ、言えるわけないよな。宗教である以上、死んだ人には安らかな眠りを……って祈るのは大前提な訳だし。

 そんな彼らが、人目も気にせずそんな話をしようものなら……どんどん人は離れていってしまう。と、彼ら自身もよく分かっているのだろう。


 まぁ、だからといって、こういったおめでたい話に便乗しようと猛プッシュされてもって話だが。


「探索者なんてやってるけど、ある意味家も神職系の家系になっちゃってるからなぁ……」

「〝化身〟とウォルちゃんが居るもんね」

「〝化身〟の社を管理するのも家しかできないしな」


 ただまぁ、皆がよく知る狩衣を着てとか巫女服を着てなんてことはしないけどな。


「って、前にも似たような話をしたような?」

「神様と関わるけど神職とは微妙に違うみたいな話だったっけ」

「そうそう。そもそもガチで本物と直接会話してるからなぁ……」


 禊をしたり祝詞を唱えたりなんてせずとも、直接顔を合わせて一緒に御飯を食べてってやってる仲。そもそも、この間も龍との戦いで助け貰ったしなぁ。

 まぁどう考えてもかなり特殊な立ち位置だと思うよ? 何せ家族みたいな感じで付き合っているわけだし。てか、そもそも〝化身〟がそういう付き合いを望んでいるからな。コレばっかりは周りに何と言われてもというやつだ。


「ただ、ソラも社に結界を張った人だからな。結局はこっちにどっぷりだから他の選択肢はないわな」

「ドレスが着たかったら後でこっそりと写真だけでもって感じかなぁ」

「ソレが無難だろうなぁ」


 そんな訳で、俺との関わりや、美咲さんとサキさんが従姉妹同士という仲に、ソラ自身が〝化身〟とそこそこ親しい仲という事も有って、変更出来るはずがない! と説明はするんだけどね。

 そこはさすが教会関係者。押しの強いこと。とは言え、諦めざる得ないんだけどね。無駄な努力お疲れ様。その努力は他に向けてくださいとしか言いようがない。


「ソラの奴も随分と苦笑してたよな」

「仕方ないんじゃないかなぁ。時間がないのに時間を奪われるし」

「ソレはソラが無理な注文をするからだけどな」

「あはは……ま、まぁ。それはきっとすごいサプライズ? が有るんじゃないかなぁ」


 サプライズか。

 美咲さんは何か知っていたりするのかな? 俺の方はソラとよく話をしているけど、全くその内容は教えて貰えない。

 ただ、美咲さんはサキさんと話をしているから……わんちゃん何かを聞かされている可能性がある。



 ただ……ソラが敢えて話さない内容を此処で聞くのはマナー違反だよな? もの凄く気にはなるけど、此処は我慢しておかないと。


「ま、よっぽどな事なんだろうなぁ。ほぼほぼ全ての行程が決まった後に押し込んだわけだし」

「本番を楽しみにしないとね」


 ソラが自信満々に「楽しみにしておけ」なんて言っていたからな。それなら思いっきり期待をしておくとしよう。そして後で「予想通りだったわ」とか「予想外だった!」とか、そんな話題で全てが終わった後に盛り上がるとしようか。

ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます!((*_ _))ペコリ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

宜しければ下記のリンクもお目を通して頂ければ幸いです

新しい話をアップしていきますよヾ(*´∀`*)ノ:孤島で錬金術師~修学旅行中に孤島に飛ばされたから、錬金術師になって生活環境を整えていく~
― 新着の感想 ―
[一言] もう神職というより神使に近いからなぁ。神との近さという点では大僧正だろうと教皇だろうと足下にも及ばない近さだし。
[一言] サプライズかぁ。 ウォル関連なら、最初は主人公という考えもありえそうだし、 ソラたちと、合同結婚式とかでも驚きはしないが。 主人公が結婚式を挙げたら、この作品の終了フラグにならない…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ