表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
189/889

百七十七話

 円形闘技場風の場所。その中央にオオトカゲがじっと此方を待つように待機して居る。

 さてさて、この状態で戦闘となるとガチバトルかな。とは言え、あのオオトカゲは隙が少ない。

 しかもこの広さだと、アンチモンスターライフルの出番は無いだろう。このライフルで、どこぞのゲームみたいに突スナ……突撃スナイプなんて出来る訳が無い。

 まぁ、手は他にもある。黒弾を使うハンドガンとか鉄串とかは良さそうだな。


「それじゃ、戦闘開始と行きますか!」

「んー!」


 双葉と同時に先制攻撃を開始。四本の蔦の鞭と、まずはという事で目を通常弾で狙う。それと同時に風魔法の弾も撃ち込んで行く。

 だが、通常弾も風弾もオオトカゲの鱗に防がれて、ダメージを与える事が出来なかった。

 そして双葉の蔦による鞭はと言うと、絡まるのを嫌がったのか尻尾や爪を使い丁寧に弾いていた。


「ま、最初はこんなもんか。まぁ、拘束されるのは嫌と見えるな」

「ん! んー!!」

「そうか、双葉は拘束を狙ってくれるのか。なら、俺は牽制をして行くとするか」


 普通に黒弾で狙っても避けるか防がれるだろうし、ここは通常弾と魔法で牽制しつつ双葉の蔦で、一瞬でも拘束するのを狙うのが良策だろうな。

 そう言う訳で、狙いを目・口・腹やらを狙う。

 まぁ、そんな簡単に命中する訳も無く。目や口は塞ぎ、腹などの柔らかい部分を狙ったものは、尻尾やら腕を使い防がれる。

 牽制なので問題は無いけど少しムカつく。とは言え、こうして牽制していけば、拘束のチャンスも来るはず。


「それにしても魔法は属性系だと、どれが弱点なのやら!」


 鱗が対魔法性能が高いのか、四属性のどれも弾いてくる。恐らく、どれかは通用するはずなんだけどな。

 となると狙うのは、やはり柔らかい部分なんだろう。……綺麗に防がれているから、どれが正解か解らない状態だけどな。

 ラッキーヒットでもいいから、どれか命中しろ! と思うけど、中々に巧みな防御を抜ける気がしない状況だ。


「くっそ……鱗の上からでも通用する方法は……っと!」


 オオトカゲは通常弾も魔法も十分に弾けると思ったのか、防御しながらゆっくりと俺のほうへと向かって着て、その口をタイミング良く開けて、麻痺ブレスを吐き出して来た。

 まぁ、俺も早々食らう訳じゃない。ゆっくり広がる息といった攻撃ならば、風魔法で防げば良い。ただ、その分攻撃の回数は減る訳だけど。


 そんな感じで、オオトカゲのブレスを防ぎつつ牽制を続ける。

 ただ、オオトカゲの行動のお陰で、少しだけ隙が出来る。まぁ、防御主体から攻撃を混ぜた状態に変わったのだから当然だ。


「双葉、狙えるか?」

「ん!」


 ほんの一瞬だが、狙うべきチャンスがある。

 相手の攻撃を防いだ瞬間に銃撃をすると、オオトカゲが少しだけ大げさに防ごうとする。普通よりもモーションが大きい防御行為だからな。狙うタイミングになる訳だ。


「ガァァァァァァァァァァ!!」


 吠えながらオオトカゲがブレス攻撃をして来る。それを、風魔法で吹き飛ばしてから、開いている口を狙いハンドガンのトリガーを引く。

 オオトカゲが銃撃を防ぐ瞬間に、勢い良く口を塞ぎ前足を大きく振るう。

 その瞬間を双葉が狙い、蔦を使ってオオトカゲの前足を縛り上げた。


「っと、このままだと前と同じで蔦引きのやりあいだな!」

「んー!」


 ただ、今回は隙が増えれば良い。

 ハンドガンに黒弾をセットし、照準をオオトカゲに合わせて射撃。発射された黒弾は、狙い通りにオオトカゲの頭部へと飛んでいくが……。


「ちっ……黒弾でも完全に通用する訳じゃないのか!」


 オオトカゲに当たった黒弾は、弾かれる事は無かったが、命中した場所の鱗を砕くだけという結果に終った。

 直に二射目を撃とうとしたけど、双葉の拘束が解かれてしまい、同じ場所を狙って射撃をするタイミングを逃した。


「さて……同じ手は通用しないだろうなぁ」

「んー」


 相手も拘束を更に警戒しているからな。とは言え、一箇所だが鱗を破壊する事が出来た。

 となれば、其処に向かって集中砲火をすれば良い。

 オオトカゲも、弱点が出ている状態だから、その部分を防ぐ事を前提に動くだろうけど、そうなればそれで、ガードをする前足などの破壊が出来るから、問題は無いだろう。


 兎に角、手を休める必要は無い。

 魔法の属性を調べるべく、オオトカゲの破壊した鱗を狙いどんどん撃ちこんで行く。

 当然だけど、防がれるが関係無い。むしろ黒弾の射撃で前足の鱗も破壊して行くので、その部分に魔法が当たっても、弱点を調べる事は出来るからな。

 双葉も蔦を鞭のように使いながら、鱗を破壊した部分襲撃して行く。


「火弾! 水弾! 土弾! 風弾! さぁ、どれだ!!」


 破壊された部位に、それぞれの属性魔法による弾が襲うと、命中した中で一番ダメージを与えたと思われるのが、風弾だった。

 となると、このオオトカゲは土属性か。うーん……とは言え、鱗の魔法耐性が高い。

 オオトカゲに魔法を使いダメージを与えようと思うと、目・口・柔らかい部分と、銃撃で狙う場所と同じ条件だ。

 それ以外の方法となると、今やったように鱗を破壊して其処に当てる。

 となると、打撃系武器で鱗を破壊してと言う事になるが……こいつに接近は辛いよな。


「なら、遠距離から鱗破壊を狙うのが一番だろうけどな」


 派生と中級が使える俺なら……鋼や雷魔法を打ち込むと言うのも手だけど……何と言うか、ここはやはり後続の探索者に厳しい仕様だな。


「とはいえ、モンスターのデータは収集できたからな。後は倒す為に行動をやれば良いだろ」


 雷魔法や鋼魔法を使えば……恐らくごり押しが出来ると思う。という訳で、まずは雷魔法を試してみると、オオトカゲは電撃による麻痺状態に。

 麻痺をしたのであれば、一気に攻めるべきだろう。


「マナブレードの出番だな!」


 マナブレードに風魔法を使い、風のハンマーを作り出す。

 身体能力を強化する魔法を使用した後に、麻痺をして居るオオトカゲに向かって一気に接近してから、風のハンマーを振り下ろした。

 振り下ろした場所が鱗を破壊した所で、その部分を中心に風のハンマーが魔法爆発。

 風属性の魔法ハンマーが爆破した勢いで、周囲の鱗が弾き飛ばされ、鱗の中の肉は風の爆破でズタズタの状態に。


「ま、接近できてマナブレードを使えればこんなもんだよな」


 恐らくアンチモンスターライフルでも、同じ結果は出せただろうけどな。しかし、黒弾の威力が通じないのは予想外だった。

 そして、以外と強かったのが双葉の鞭だ。二度と拘束されるか! と、大げさな動きになるものだから、隙だらけになる。

 お陰で、黒弾や魔法を中てるのが楽になった。


「双葉お疲れ様」

「んー!」


 双葉も役に立ったのが嬉しかったのか、満足しているようだ。

 オオトカゲに関しては最初の奴よりも強化されていた。まぁ、ボスだからって事なのだろう。とは言え、これもしっかりと報告しておかないとな。通常マップで出会った奴と同じと思ったら敗戦間違い無しだ。


「さて、ボーナスはなんだろうなっと」


 オオトカゲを回収した後に、次へ階層に移動する為の階段と、鍵にソロボーナス。まぁ、見慣れた風景だ。

 鍵とボーナスを拾い上げ、ボーナスの内容を確認してみる。


「ふむ、羽ペン? 何でこんな物が?」


 手に入れたのは謎の羽ペン。インクは無いのだろうか? と思うが、何か魔法的な物だとインクは必要が無いかも知れない。

 だが……別に物を書くだけなら、羽ペンなど要らない。古い物ならタイプライターからワープロ。使用は制限されるがパソコンもある。


「何か面白い効果でもあれば良いけど」

「んー?」

「まぁ、技術レベルと言うか発展の仕方が違うから、何度でも記入できるペンとかも、かなり凄いアイテムなんだろうけどな」


 ま、婆様達に調べてもらえば、その効果だけでも改良して面白い物にしてくれるかもしれない。

 さてさて、次へ階層はどんなものか、今回が峡谷だったからな。下手したら……崖の道とかじゃないだろうか? とりあえず、二十三層を見てみるとしますか。

ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます


最初から、電撃やら鱗破壊をしろよ! と言う話ですが、モンスターの調査の為に最初はやらなかったと言う事になりますね。

主人公……調査する癖が完全についてます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング

宜しければ下記のリンクもお目を通して頂ければ幸いです

新しい話をアップしていきますよヾ(*´∀`*)ノ:孤島で錬金術師~修学旅行中に孤島に飛ばされたから、錬金術師になって生活環境を整えていく~
― 新着の感想 ―
[一言] 魔本コピペ用かな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ