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百六十一話

 話の内容を二十一層へと変更し、最初にどんなフィールドだったかを説明していく。

 山岳地帯で空からの攻撃の可能性が有るという点と、その空からの奇襲を迎撃できるモンスターが居て、そのモンスターがどの様な魔法を使ったのか、足場が悪すぎるので相手の方に分が有ると言う事を話て行く。


「それはまた……面倒ですね」

「山岳か、亀裂に落ちたりする可能性もあるな」


 ロープや専用の靴は必要になりそうだと話を進めていく。それと他にも道具が居るだろうな。ピックやら杖やら……まぁ、十フィート棒とかスコップが有るから、ある程度は大丈夫だと思うけど。

 そもそも足場が悪いので、戦闘をする事すら大変だ。


「……魔法や弓矢だと射程が届かない距離なら、銃の量産が必要だな。それも遠くから狙撃できるライフルとかだな」


 守口さんはスナイパーライフルの必要性を説く。だが、そもそも銃を作る為の素材が足らないという事で、採掘が! などと言っている状況だ。

 となると、二十一層に足を踏み入れれる人数は必然的に少なくなる。まぁ、現状二十一層まで来れる人は居ないから問題が無いが、将来的にはそうも言っていられない。


「採掘の量を考えると、探索者が二十一層にいける様になるまでに、数を揃えるのは無理ですね」

「ハンドガンですら、まだまだ試作だからな。量産するにもまだまだ時間が掛かるか」

「開発する側から言わせて貰えば、まだまだ無理だな。今の段階だと、探索者の中でも使えない人間が居るだろうからな」

「まぁ、弓や魔法だと射程が届かない場所なら、手を出さないようにしても良いと思うんですけど」

「白河君……確かに手を出さないと言うのも手ですが、そのような迎撃で魔法を使うモンスターであるなら、魔石も属性で良い物のはずですよね」


 確かにそう何だよな。しかも、あの山羊型のモンスターは電撃を使っていた。と言う事は魔石も雷の魔石の可能性が高い。

 そうであるなら、今考えられてる魔石発電も、更に効率が良い物になる可能性は高い。

 なので出来るのであれば、山羊のモンスターから魔石は回収をしたいと言うのは、責任者として当然だろう。


「空中からの攻撃はどうなんだ? 何か魔法とか使えるのか?」

「私が見たところは特に……もしかしたら、自分の体に風魔法を纏いながら、突撃はしてたかもしれませんけど」

「なるほど、その可能性はありますか」


 鳥のモンスターはな……余り情報が少なかったからな。まぁ、それを調べる前に木々があった場所に突入したし、その後も直ぐに帰って来たからな。

 此処までの流れは特に情報がある訳じゃない。なので、話は次へと進めて行く。


「まぁ、問題は別で……二十一層になんか変な空間が有りまして……」


 兎に角、あの特殊なフィールドについての話を進めて行く。

 気になるのは、元・自衛隊の人達が同じようなフィールドを、ニ十層以降の場所で見た事がある、そんな報告が有ったかどうかだ。


「ふむ……次行ってみて検証してもらわないと解らないが……通称・モンスターハウスなどと言った場所もあるぐらいだからな」

「……あのフィールドがモンスターハウスと同系列の可能性があると?」

「まぁな。モンスターハウスの特性として、特殊なモンスターが居たり、大量のモンスターが沸いたりして、更に良いアイテムが入ってる宝箱がある」

「確かに状況は似てますね。特殊なモンスターに強いアイテムが手に入りましたから」

「どんなモンスターが居たか教えてもらえますか?」


 モンスターについてか。植物系のモンスターが居て如何に面倒だったかを説明して行く。

 あんな、某ロボットアニメにあるような、有線式の遠隔射撃が出来るとか……なんだろう? 研究者達が作ろうとしている気がする。


「……モンスターが先にそんな事を!? 構想は練っていたのに!!」


 唐突に笹田が叫び出した。やっぱり開発を考えていたか……確かにそんな攻撃が出来る武器があると、防衛装備とかに良さそうだ。

 まぁ、そこら辺は婆様達に頑張って貰うとしてだ。


「そのモンスターは確かに面倒でしたけど、倒せなかった訳じゃないので。ただ、株分けとかするタイプが有りますね」

「株分けか……確かに植物系のモンスターには、その手の行動で復活する奴も居たな」

「やっぱり他にもその手のモンスターは居ますか」

「似たモンスターと言えばスライムとかも居るぞ。あいつ等は分裂するからな……ゲームなどみたいに弱い敵では無いぞ」


 あー……スライムって強敵なのか。まぁ、特性を考えてみれば弱い訳が無いか。

 何せ、分裂・再生・合体・溶解などと言った特性持ちが弱い訳が無い。何故スライム=弱いという設定にしたのか。

 まぁ、それについては出会った時に注意するとしてだ……今は、あのフィールド関連の話だ。


「まぁ、スライムは出会ったら気をつけるとして、そのラフレシアみたいなモンスターが、面倒な相手と言うのは伝わったと思いますが、問題は其処からなんですよ」


 さて、此処からが一番の爆弾だろう。

 論より証拠という事で、蔦で出来た鞄を机の上に置き、中からスヤァと気持ち良さそうに寝ている、植物少女を出してつつ説明を続ける。


「ラフレシアもどきを倒した後、こいつが出てきまして……なんか懐かれました」

「……白河君が持っていた、蔦で出来た鞄が少し気になってはいたけど……なんというか、言葉に出来ない状況だね」

「懐かれた!? ダンジョンのモンスターだろう!! なぜ、懐くなんて事が起きる!?」


 守口さんが驚き騒いでる……と言う事は、何処からも報告がなかった事例って事か。

 とりあえず、この少女を起こしながら話を進めていくけど……さてさて、どう話を進めた物か。


「確か、村だと最近子狼をテイムしてたが……ふむ、ダンジョンから直接とは興味深いな」


 そう言えば、ダンジョン外でも大人の狼はテイムが出来なかったが、子供ならば懐かせる事に成功してたっけ。

 

「研究者としての意見は何か有ります?」

「いや、そもそも子供はテイムが出来る可能性が有る。それは実証されているからな。後はどのモンスターでも出来るかどうかを調べるぐらいだから、特別何かある訳じゃない。ただ、ダンジョンでも出来るのかと言った事ぐらいだろうな」


 イオに関しては……まぁ、横に置いておくとして、現状テイムが成功しているのは狼だけだ。なので、他のモンスターでも出来るのか? と言う内容の方を今の所は、専用の研究者が調べているらしい。

 まぁ、今後に期待と言った所なんだろう。もし蜜蜂みたいなモンスターでも居れば……蜂蜜を大量に手に入れるとか、牛みたいなモンスターから牛乳っぽい物を等といった生産系から、馬や鳥などの移動や伝令に使える……そんなところまで派生する可能性は高い。


「まぁ、今は彼等の活躍に期待と言った所だが、そんな状況下の時に白河君が、その植物な少女を連れて帰ってきたのは大きいだろうな」

「可能性が高くなるって事ですね」

「そう言うことだ。まぁ、植物系のモンスターならば……農場とかの生産系も良さそうではあるな」


 なにやら色々と思考をしだした笹田さん達。

 まぁ、確かにモンスター達は人の世を破壊していったが、現状をみれば全て排除できる訳じゃない状態になっている。であれば、共存出来る存在があるのならば、共存をする。

 その選択肢が出来るようになったのは、恐らくだがイオのお陰だろうな。イオが、防衛やら輸送などの仕事で村や街を走り回っているからな。

 見た目も可愛いので、最初はモンスターだからと警戒されるが、いつの間にかに皆と仲良くなっている。

 だからこそ村と街においては、友好的なモンスターに対して何かやろうとする者は出て来ない……はずだ。


「兎に角、その植物ちゃんは友好的モンスターとして、協会に登録しておくか」

「色々お手数おかけします」


 そんな話をしていると、起きた植物少女は会話の内容が理解できたのか、みんなに向かってペコっと頭を下げていた。


「……ふむ、何を言ってるか理解出来ているのか?」

「そんな感じはありますね。会話は出来ませんが、意思疎通は出来てましたから」

「頭は良いと……ま、面倒を見る人物は必要だろうが、大きな問題は起こりにくそうだな」

「大体イオと同じと考えてもらえば良いかと。イオもかなり頭が良いですからね」

「確かにそうですね。今日も元気に配達とモンスターの間引きを、頑張っていましたから」


 まぁ、イオの場合終わった後のご褒美を楽しみにしている。そんな処が有ったりはするけどな。

 あぁそうだ。イオにこの子を紹介しないとな。敵対されたら困るから、しっかりと面を通しておかないと。っと、話がそれるから戻すとしてだ。


「まぁ、そんな訳で二十一層は色々と問題点がありましたね。木々があった場所も、攻略が終っても次の階層へ行ける階段は出ませんでしたし」

「ふむ……その少女は別としてだ。やはりモンスターハウスの亜種だろうな。状況が余りにも似すぎている」

「となると、モンスターハウス的なモノは二十一層以降に出ると?」

「ま、上級ポーションやらと、質が良い物が出るようになる階層だからな。当然……難易度が厳しい物も出るようになると言う事だろう」

「……村側のメンバーが二十一層にもぐるようになる前に、色々と情報を纏めて置いた方が良さそうですね」


 皆、攻略スピードをどんどん上げているみたいだからな。やっぱり鉱石……それも、ミスリルの情報は大きかったと言う事だろう。

 手に入れて、オリジナルの武器を! と言った思いが皆あるんだろうな。

 確かにフルミスリルソードとか……なんか格好良さそうだしな。とは言え、ミスリルの産出量少ないからなぁ……オリジナル装備でフルミスリル製となれば、一体どれだけ必要になるやら……。


 まぁ、報告する事はしたし、懸念している事も伝えた。後は上層部がどう判断するかだろう。

 とりあえずだ……少しダンジョン探索は休んで、この植物少女や手に入れた魔本やらポーションやらを村に行って、色々と話をして行かないとな。

 この子をどうするか。まずはその事も決めないといけないからな。


 ……そうえば、魔本が被りか新規か調べてなかった。それも調べないといけないのか。ふむ……やる事やら報告する事がいっぱいすぎて、色々と確認すべき事などをして無かったみたいだな。

 一度、持ってる物などを調べておいた方が良いかもな。

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