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九十三話

 村を襲撃してくるオークの群れから防衛の中、家族をシェルターに送ってから、そのままシェルターへ人が入りきるまで念の為に護衛をしてた為に、他の戦闘班より遅れて現場に到着。

 なので、指示をしているだろうお姉さんの場所へと移動してから話を聞いておく。


「あら、白河君来たわね」

「襲撃がオークの群れですけど、防衛は大丈夫ですか?」

「そうね、人だけの戦力でみれば無理だけどね。見てのとおりトラップを使ってるから割と如何にでもなるかしら」


 どうやら、現状は戦闘班のレベルアップをして欲しいみたいで、お姉さん自身や美咲さんも戦場に出ず采配とお姉さんの護衛に徹している。そう言うわけで、俺やイオにも余り前線に出て欲しくないみたいだな。


「ま、レベルアップもあるけど、一つ試したい事も有るからね」


 なにやら狙ってる手があるらしい。

 どうやら戦闘班が殆ど村から離れていても敵の殲滅、それが無理でも時間を稼げる手段を考えてあり、お姉さん的に今のうちに試しておきたいようだ。


「だからね、白河君にもお願いするけど、今戦場に出てるメンバー以外は手を出さないようにお願いしてるのよ」

「わかりました、とりあえず様子見しますね」


 イオも隣へと呼んでおいて、最終防衛ラインで何時でも突撃できるように待機。

 戦闘班も随分と練習したのか、上手い事遠距離から攻撃してオークを誘導し、罠に嵌めてから近距離でフルボッコ。もしくは、罠自体が敵を倒せるトラップとなっているので、嵌めた時点で放置のオークもいる。

 とはいってもそんな罠に嵌るオークの数が多い訳でもないので、実際は遠距離攻撃で牽制と足場の悪さで移動速度が遅くなってる。全体的の二割ぐらいが罠に嵌って討伐されてるぐらいだろうか? まぁ、十分な成果ではあると思う。


「随分と沼に足をとられているオークが多いですよね」

「トラップ二割、沼七割、抜け出すのが一割と言った所かしら? まだまだ訓練するところが有りそうね……トラップで四割程、沼で六割にしないと駄目ね」


 なるほど、お姉さん的には満足が出来ないらしい。

 まぁ、責任者だからな。満足がいく結果だとしても十割満足したと言っては駄目なんだろうなぁ……まぁ、戦闘班ならトラップ無しで十割討伐! なんてのが理想だろうしな。現状に満足したら理想にはたどり着けないからしかたないか。


「そういえば、盾は使えたのよね?」

「相手はモンスターじゃなかったし、遠距離攻撃でしたから実証した訳じゃないですけどね」

「使えると解れば良いのよ。そうね……盾の種類を色々作って検証を広げていこうかしら」


 使えるとはいっても、オークの接近攻撃はきつそうだけど……武器で防ぐよりはマシではあるかな。

 ただ、敵の遠距離攻撃を防げるのはありと言える。魔法を併用して使ってくる奴は少ないだろうケド、人型が居るから弓をそのまま撃って来る奴もいるしな。石とか投げてくる奴もいるし。


「あ、そろそろかしら? 皆ゆっくり下がって!」


 余裕があるので盾についての会話をしていたら、戦況がお姉さんの望む形で動いたようだ。

 戦況を見た感じは、抜けた奴は全部討伐済み、トラップにかかったオークも倒し終わっている。残るのは沼に嵌ってゆっくり動いてくる奴等だ。

 とはいえ、オークって力技で沼から飛び出せたと思うんだけど……何か違うのだろうか? あいつ等、普通に足をとられながら進んでくる。

 そんなオークを遠距離攻撃を使いながら、オークがバラバラにならないように牽制しながら、戦闘班が下がっていく。


「よし……ここね! スイッチ押すわよ!!」


 全員に聞こえるようにお姉さんが声をだしてから、手元にあるスイッチを押す。

 スイッチが押されるてゴゴゴゴゴと音がしたかと思うと、沼が下へと落ちていく。それと同時にオークが落ちていき……かなりの深さがある穴が出来上がった。


「……これどうなってるんですか?」

「落下死させる足場崩しのトラップね。結構深いから気をつけて。後……生き残っても良いように下は針の筵になってるわよ。まぁ、針と言うよりは鉄串だけどね」


 おおぅ……洞窟でのお宝探索映画とかに良く在るような即死トラップか。確実に殺しにくるやつだ。


「上の土というか沼の重さでトラップの仕掛けは壊れないんですかこれ?」

「研究班が作った作品だから大丈夫だとは思うわよ。まぁ一応、定期的に整備はする予定だから大丈夫よ」


 まぁ、こういったトラップを大量に村の周囲に作ってあるなら……防衛で戦闘班が少なくても大丈夫という事か。オーク相手に通用したのなら現状だと俺達が知っているモンスターで、周囲にいる相手ならば問題なく倒せるという訳だ。


 兎に角、今からはオークが残っているかどうかの調査だ。それに、一体何処からオークが来たのかも調べないといけないだろうな。


「オークは全滅かしら? 周辺の状況は……イオちゃんちょっと確認してくれる?」

「ミャン!」

 

 さてさて、ここからは俺達も仕事に参加か。周辺の森の中をくまなく探索だな。

 イオを連れて、森の中を探りに行きますか。もしかしたら何処かにオークの集落とかあるかもしれないしな。


 それにしても、オークの肉と魔石で村としては大量の物資の入手となるか……オーク素材で武器防具が充実する訳だし、戦闘班の強化がまた行なわれる訳だ。少し楽しみが増えるな。

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