暇下がり
「ひー」
「まー」
「ねー」
「あなた達ヒマヒマ言う余裕があるなら掃除でもしなさいな……ってなんで胡蝶花さまも混ざってるんですの??」
「うちもヒマなんだものー」
「そう言われましても……あと胸は仕舞ってください、うちがイカガワシイ店みたいじゃないですか」
「いーじゃないのぉ減るもんでも無いし」
「目のやりどころに困るんですよっ」
いそいそと胡蝶花さまの前を合わせて、たわわな果実を仕舞い込む紫丁香花。
「んもー、タケちゃんったら硬いんだからぁ」
ぴしっ。紫丁香花の手が止まる。
「……タケ?」
「ちゃん?」
「…………あぅがーっ!!もーなんでその名前で呼ぶのレーコさん!?」
「ふふふふふ、うちにとってはライラックちゃんはいつまでもおタケちゃんなーの」
「あぅぅ……」
し、胡蝶花さまと紫丁香花ってこんな仲良かったんか…………
「蓮華草知ってた? あの二人の関係」
「いんや初知りー」
「だよねー」
「こらこら2人とも、その辺にしておきなさいな」
奥の事務室から灯台躑躅が出てきて、紫丁香花と胡蝶花を諌める。
「だってぇ」
「レーコさんが」
「はいはい話は後で聞くから。それにここでは本名禁止」
なるほど、さっきのはお2人の本名か。…………なるほど紫丁香花はおタケさんなのか。困ったらこのネタ使おうっと。
「あと君影草、蓮華草、人のことをあまり探索しないように。人には理由があるんだからね?」
「む、分かりました灯台躑躅様」
キリッとした表情に当てられて、あたし達も背筋を正す。
「……でないと秘密のワクワク感が薄れるからね。その為の華名だぞ?」
ニカッと笑う灯台躑躅様。一気に空気が緩んだかと思えば、
「そーねー、でも秘密を自分から明かす分にはいいでしょ? 」
のんびり口調の胡蝶花様が紫丁香花の手を取る。
「うちと紫丁香花ちゃんは家が向かい同士で年も近くてね〜、要は昔っからのト・モ・ダ・チ」
「そうなんでしたか……」
ん? 歳が近い? あれそういえば紫丁香花って大学はもう終わってるみたいな話してて、胡蝶花さまが灯台躑躅さまとこの店を始めたのが確か……
「君影草、その視線はなんだ?」
むすっとした顔の紫丁香花が居たかと思えば、
「あら〜蓮華草ちゃん、そのお顔はひょっとして、お給料は1/3にして欲しいのかしら〜?」
「ひぃっ!? やめてくださいそんなことになったら行き倒れますぅ」
2人して青ざめたその時、ドアが空いて外の熱気が流れ込んだ。カランコロンと転がる鈴の音で止む頃にはそれぞれ持ち場について、
「「「「「ようこそお越し頂きました、我が花壇へ」」」」」
そう、この時だけは全員居合わせなければならない。向きはバラバラだとしても花壇の華は、観る者の前に在らなければならないから。
「…………お、おう……」
「うわぁ、びっくりした……」
「…………っと、おや、各務先輩じゃないですか」
「……お、今日居たんだ」
夏の日差しを連れてその人はやって来た。
【キャスト裏話】
胡蝶花/ 令狐 静華/リンフージンホァ
??歳
産まれも育ちも空の宮だがルーツが外の国にあり、名前の読み方が2つある……らしい。暑がり、かつ上半身にダイナマイトをお2つ搭載しているので夏は色んな意味でキケンな人である。
アルストロメリア・長春華の開店時とピンチの時にそっとどこからか資金を持ってくるとウワサだが……?




