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はじめまして、旦那さま。  作者: momo
番外編 小話
10/13

家宅捜査(父)

アリシアのお父様視点です。

父がアリシアの旦那様を選ぶ切欠となったお話し。




 あの男が浮気性なのは解っていた。それでも可愛い娘にこれ以上嫌われたくなくて認めたというのにこの始末。なんたる不手際。我ながら本当に不甲斐なく娘に合わせる顔がない。ようやく最近になって父親を汚らわしく思う少女期を抜けたかと思っていたのに何たることだっ。おのれタリアス、許すまじ。愛しい娘が恋人の不貞に気付き涙する前にこの父が何とかしてやるからなっ。大丈夫だ愛しい娘よ、ぱぱに何もかも任せておきなさい。


 娘と付き合うに辺り清い清い清い清い清い清い交際をタリアスに命じた。禁を犯せば決して認めぬと脅したというのにあのタリアスめっ。見張りの報告によるとくっ……くくく口付けまではしていたと言うが、愛しい娘の為に怒髪天を衝いたが何とか押し止めたというのにっ。グレイを手放したのは後悔してもしきれん……いや、あ奴も可愛い娘に向ける目が変わっておったので引き離して正解だろう。


 あああ、それにしてもだ。やはり浮気は病気だ、女好きはどうにもならん。愛しい娘の足元にも及ばぬような淫売に誑かされおって。

 あいつは駄目だもう駄目だ。絶対に許さんっ。恋人が浮気しただけでなく子供までこさえたと知ったらあの子は一体どうなってしまうのだ? 駄目だ、アリシアがこれを知ったら悲嘆に暮れ命を絶ってしまうやもしれんっ。駄目だ駄目だっ。愛しい娘が涙する前にたとえ恨まれようと何が何でもあの男を遠ざけ、我が娘に似合いの男前で女遊びなどしない誠実で心優しく雄々しい相手を見つけてやるからなっ。


 だから許せよ愛しい娘。ぱぱはお前の為を思って部屋を漁っておるのだからな。けして娘の秘密を暴きたくて隠してある日記をこっそり覗き見ようと家宅捜査している訳ではない。お前がタリアスの不貞に気付いていないかが心配で、傷つき泣いていないかが心配でお前の部屋をこっそり家探ししているだけだからな。


 「おお、あったぞ!」


 ようやく見つけた日記に歓喜の声を上げる。娘はあの憎っくきタリアスとデートなのだそうだ。あ奴の不貞を知ったからには許したくはなかったが、娘の心内を覗くのに必要であった故に仕方がない。今日を限りに戦場おくりにしてやるつもりで根回し中だ。くそう、どうか娘よ。浮気男などに泣かされてなければよいがと愛しい娘が書き連ねる日記帳を開こうとすれば、中に挟まれていた紙がはらりと舞い落ちた。


 「うん? 何だこれは―――」

 

 床に落ちたそれを拾えば人物画であった。見目の良い貴公子が描かれ世に出回っている人物画は、若い娘たちの楽しみの一つだ。我が娘にもこのような物を集める趣味があったとは意外だ。どれどれ、あの子はどの貴公子が好みであろうか。可能なら引き合わせてやるのもやぶさかではないぞ。『ありがとう、お父様大好き』などといわれ抱擁されるのも悪くないなと、老眼が混じり始めたせいでぼやけて見えるそれを離して目を細める。


 「おや、これはカフェク伯爵エドアルド殿ではないか?」


 金髪碧眼で見目麗しく巷で評判の騎士だ。大変有能で剣の腕も王国で一二を争い国王の覚えも目出度い。


 「アリシアはこのような男が好みなのか。わしの若い頃にそっくりだのう、うむ。」


 これは愛しい娘の為にも調べる必要があるな。

 大丈夫だアリシア、外に女を作り孕ませるような男の変わりは仕事の出来るぱぱに任せときなさい。








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