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刻印術師の異世界生活  作者: 氷山 玲士
第四章:嫁の実家へ、挨拶回りの旅に出ます。バレンティア竜国編
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069・旅の予定はいつでも流動的

 あー……体がダルい……。今日バレンティアに向けてアルカを発つってのに、昨日と一昨日、みんなにたっぷりと搾り取られたから、正直動きたくねえよ。コロポックル達まで参戦してくるとは、完全に想定外だったからな。いったいこの二日で、何発ブチかましたんだ?


「おはよう、大和」

「おう、おはよう」


 マナと目が合った。今日俺の隣で寝ているのはプリムとマナで、プリムに抱き着くようにミーナが、マナに抱き着くようにユーリが、さらに少し離れたところにリディアとルディアが抱き合って寝ている。コロポックル達とはアルカの自然の中で、夕食までくんずほぐれず貪りあったが、その後はヘロヘロになりながらも自分の仕事に戻っていったし、基本的に俺達の部屋には入ってこないからここにはいない。


「どうしたの、大和?」


 プリムが眠そうに目をこすり、身じろぎしながら甘えてきた。


「いや、動くのがダルいと思ってな」


 プリムは最初こそ積極的だったが、いや、今も十分積極的なんだが、実は尻尾を掴みながら、後ろから激しくされるのが好きみたいだ。まさかMっ気があったとは思わなかったが、そのせいで俺も必要以上にハッスルしちゃうんだよな。


「ああ、なるほどね。レラの料理を食べたとはいえ、やっぱりコロポックルも含めての13人相手は大変だった?」

「大変なんてもんじゃないだろ。むしろレラの料理がなかったら、とっくに死んでるんじゃないかって思うな」

「あの料理、本当にすごいものね。ファングタートルなら私も狩ったことあるけど、まさかあんな効能があったなんて、ちっとも知らなかったわ」


 マナもファングタートルという魔物に、恐怖を抱いたようだ。マナを抱いたのは一昨日が初めてだが、一度俺を受け入れると、その後は吹っ切れたように白く綺麗な体を隠すこともなく、下から俺を包むように、体全体で抱き締めてくれた。それでも恥ずかしさはあるみたいだが、羞恥と快楽でピンクに染まった白い肌はとても色っぽくて、俺も張り切らせていただきました。


「そういえばコロポックルで思い出したんだが、アトゥイには驚かされたな」

「なんでアトゥイだけなの?」

「アトゥイってウンディーネのフェアリーハーフだろ?普段は人化魔法を使ってるし、解除した姿は昨日初めて見たから驚いたんだよ」


 コロポックルのアトゥイは、ウンディーネをベースにしたフェアリーハーフのホムンクルスだ。ホムンクルスといってもウンディーネと変わりはないに等しい。普段は人化魔法を使っているが、レベルが高いこともあって手足の鱗はほとんどない。

 だが人化魔法は魔法なので、当然解除することができる。昨日湖の近くでアトゥイの相手をしたんだが、その時に人化魔法が解けてしまい、下半身が魚に戻ってしまった。そこで初めて知ったんだが、ウンディーネって太ももの真ん中あたりから下が魚っていうのが本来の姿だったんだよ。これはラミアの魔族も同じらしい。つまり人化魔法を使わなくても、しっかり合体できるというわけだ。


「ああ、なるほどね。確かに知らない人って、けっこういるわよね」

「普段は服とかスカートとかに隠れて見えないものね」

「だからウンディーネの姿に戻ったアトゥイさんを、あんなに激しく責め立ててらしたんですね」


 そうなのだ。人魚をそのままいただけるという事実に俺は興奮してしまい、人化魔法を解除してもらったアトゥイを何度も何度も貫いてしまったんだよ。コロポックルの中じゃ、アトゥイとくっついてた時間が一番長かっただろうな。

 っていうか、いつの間にかリディアとユーリも起きてきた。リディアは妹の体を撫でまわっているが、今日出発するのはわかっているから、そこまで執拗ではない。逆にユーリは、少し恥ずかしそうに姉の体にしがみついている。一番年下なのにけっこうな耳年増だったからコロポックル達とも話が合うし、昨夜はリディアと二人で責めてきたぐらいすっかり仲良しさんになってたぞ。


「このままじゃアトゥイが倒れちゃうだろうし、ウンディーネかラミアの婚約者でも探してみる?」

「ということは、やっぱりトラレンシアですかね」

「待て。なんでそんな話になる?」

「え?いらないの?」

「もう六人も婚約者がいるんだぞ?これ以上どうしろってんだよ?」


 そう、俺には既に六人も婚約者がいる。高ランクのハンターや王侯貴族も複数の妻を娶ってはいるが、だいたい三人ぐらいだから、俺は多い部類に入る。もちろん五人とか六人っていう人もいないわけじゃない。確かトラレンシアにいるHランクハンターなんて、十人って話だったな。


「大和を受け入れるには、もう少し人数が必要なんじゃないかって思ってるのよね」


 だがプリムは、この二日で俺が一度も気絶しなかったことが不満のようだ。レベルが高いとそれに比例して精力も高くなるらしく、プリムの相手をしてる時が一番大変なんだが、それでも何度も気を失ってたし、他のみんななんて数回ぐらいでダウンしてたから、必然的にプリムの負担が増えるってことにもなっているんだよ。まあプリムは、それですら喜んで受け入れてくれてるんだが。意外な性癖だよな。


「それに私達は、いずれ大和さんの子を産むわけですから、お相手できなくなることもありますしね」


 俺の上に乗るのが大好きなユーリの言う通り、今は生活魔法で避妊してるから妊娠することはないが、いつかは子供を作ることになる。全員が一斉に妊娠することはないだろうし、ハンター活動も続けるからそれは避けるつもりだが、そんなに先の話でもないだろう。

 そんな理由もあって、妊娠しないコロポックル達を愛妾としてけしかけて来てるんだが、コロポックル達だって仕事があるわけだから、いつでも相手できるとは限らない。だからあと何人か、それもできれば王族や貴族以外から探せばいいんじゃないかっていう話になってるんだそうだ。


「だけどそんなことしたら、みんなの相手をする時間が減るんだぞ?いいのか、それで?」

「確かにそれは寂しいですけど、その分女同士で楽しんでますし、大和さんとシてる方にも色々とやってますから、そこまで減るわけじゃありませんよ」


 一番エロエロなリディアらしい意見だ。実はユーリより胸が小さかったことに計り知れない衝撃を受けていたが、それとこれとは別のようで、ベッドの中では常に女性陣の主導権を握っている。俺とシてる女にちょっかいをかけるのが大好きで、俺とス時は背面系の体位を好み、みんなから責められることも楽しみにしている生粋のエロ娘だからな。


「その辺はなるように、ってことで。それよりどうする?ミーナとルディアはまだ起きてこないみたいだし、先にユーリの杖をオーダーしに行くか?」


 いつもされるがままのミーナだが、本人的には普通が好みのようだ。ルディアは俺とスる時はしおらしくなり、従順になることもあって、体面系を求めてくる。二人の共通点は俺の顔が見える方がいいってことで、毎回しっかりと抱き合いながらヤッてますな。その二人は一昨日のリベンジをされてしまったため、まだ起きてくる気配がない。

 そしてユーリの杖だが、これはユーリがどの武器を使うかが未定だったこともあり、陛下もとりあえずということで作った物なので、性能的には市販のミスリルロッドと大差はない。だからマナの剣を依頼したこともあって、陛下から機会があればユーリの杖も頼んではどうかと直接提案された。陛下が作らなくていいのかと聞いてみたんだが、杖を使うハンターは少ないため、陛下も数える程しか作ったことがないらしい。実際フロートにも杖を使うハンターは両手の指で足りるぐらいしかいないから、需要はユーリやロエーナ王妃のように治癒魔法を使える人ぐらいしかないそうだ。


「それがいいかもしれないわね。ついでってわけじゃないけど、プラダ村、だっけ?その村に顔を出してきましょう」

「ああ、そういやユーリがプラダ村に行くって話だったが、ゴタゴタが続いてたから先延ばしになってたんだっけか」


 レティセンシアの陰謀を暴いた際、王家としてはプラダ村に謝罪するため、ユーリを派遣する予定があった。だが事後処理や迷宮氾濫といった事態に見舞われてしまったこともあり、いまだ訪問できていない。先日フィールで聞いた話では、プラダ村としても事情は理解してくれてるし、新たなミスリル鉱山の調査が済んだこともあって、近々正式に騎士団と鉱山開発のための犯罪者奴隷がやってくるそうだから、色々と手が回らなくて大変なんだそうだ。


「プラダ村には私も行くわよ。事情がどうあれ、王家が約束を違えるわけにはいかないしね」

「それなら、みんなで行きたいですね。私もプラダ村には行ったことありませんし、新しい鉱山には興味があります」


 リディアがマナに賛成したが、その分バレンティアに行くのが遅くなるんだぞ?


「一日二日遅れたとしても、問題はないですよ。アミスターやバレンティアを観光しながら向かうって伝えてあるんですから。それに四人乗ってもジェイドが飛べるようなら、バレンティアが思っているより早く到着できますし」


 確かにそうだ。フロートからイスラまでは獣車で一週間ほどかかるが、これは山が多く起伏が激しいために、それらを避けるために沿って敷設された街道が原因だ。しかもフロートの近くにあるラグーン山は亜熱帯の気温なので、近くを通るだけでもかなり大変だと聞いている。他にも名前は忘れたが、麓は極寒だが山頂は灼熱というわけのわからない気候の山もあるそうだから、街道を敷設するのも大変だというのがよくわかる。

 その点空を飛べれば山の起伏は無視できるし、気候も地面から百メートルも離れてしまえば影響はないので、そういった難所を素通りできる。


「リディアとルディアがいいなら、プラダ村に寄ることは反対しないけどな。で、ジェイドに乗るのは俺とユーリは当然として、あと二人は?」


 ジェイドに四人乗って飛んだことは、実はある。だがジェイド的にもけっこう大変なので、あんまりスピードは出なかったし、航行距離も短かったんだよ。だけどジェイドは、あの時よりまたデカくなったし、体力も魔力もついてきてるから、今度はいけるんじゃないかと思う。それでも一番小さくて軽いユーリを乗せることで、軽量化を図ってはいるんだが。


「マナと、護衛ってことでミーナかしらね」

「そうですね。私とルディアは、バレンティアに入れば機会があるでしょうから」

「羨ましいわよ。私は大和と一緒に乗れないんだから」


 プリムが心底羨ましそうな顔をした。ジェイドは俺の、フロライトはプリムの従魔だが、二匹が自分で認めた人に手綱を任せることは珍しくない。実際ミーナとリディアは、それなりの頻度で手綱を操っている。だったらプリムも俺と一緒に乗ればいいんじゃないかと思うだろうが、そんなことをするとフロライトが寂しそうな目で見つめてくるんだよ。あんな目で見つめられたら、とてもじゃないが無理。


「せっかくプラダ村に行くんですから、ラウス君とレベッカちゃんも誘いませんか?」

「それはいいわね」

「だな、こないだフィールに行った時も会えなかったから、あいつらがどれだけ腕を上げたか見てみたい」


 リディアの意見に、俺とプリムは二つ返事で賛成した。ラウスとレベッカはプラダ村出身で、今はSランクのハンターとしてフィールで頑張っている。マナとユーリの装備をオーダーしにフィールに行った時は残念ながら会えずじまいだったが、それでも俺達の魔法のコツを教えてあるから、そろそろMランクに昇格できそうだってカミナさんが言ってたな。


「そういえばその二人って、まだウイング・クレストには加入してないんですよね?」

「ああ。自分達でどこまでできるか試したいって言ってたな」

「なるほど、将来有望な若手ハンターってことなのね。それなら私が反対する理由もないし、会ってみたいわね」

「私も久しぶりに会いたいです」


 マナとユーリも賛成のようだ。プラダ村までは一日もあれば着けるから、獣車を改造する必要もないし、プラダ村にはラウスとレベッカの実家もあるから、そっちでも問題はないし、いざとなったらアルカに行けばいい。あとはあいつらがフィールにいるかだな。

そういうわけで、ユーリの杖も新しくなり、さらにプラダ村に寄り道します。バレンティアとは真逆になりますが、アルカを経由するのでこんな荒業ができるわけです。

杖に関しては、魔法が戦闘補助という位置付けもあるため、いわゆる魔導士職がないこともあって、武器としてはマイナーです。固有魔法の治癒魔法を使える人か、近接戦闘が苦手なハンターが使うぐらいなので、ほとんどオーダーメイドに近い武器ですね。

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