035・裸のお付き合い
「ふう~、やっぱ風呂は気持ちいいよなぁ」
俺達の拠点と化している魔銀亭は大きな風呂が有名だが、俺達が宿泊している部屋、レイドルームというんだが、実はそこにも浴室がついている。しかも四人で浴槽に寝そべっても問題ない広さだから、思いっきり手足も伸ばせて気持ちがいい。
「ホントよねぇ」
「この一ヶ月、ほとんど毎日入ってるから、もうお風呂なしの生活なんて考えられないわ」
「家を買うにしても、お風呂は絶対に必要ね、これは」
うん、この会話でわかってもらえたと思うが、プリム、リディア、ルディアも一緒に入ってたりする。しかも隠したりなんかしてないから、胸とかお尻とか、全部丸見えなんですよ。
「それはいいんだが、なんか今日は、いつもより距離が近くないか?」
家に風呂を付けることには、俺も反対しない。というか大賛成だ。
だがプリムとリディアは風呂の中だというのに、しっかりと俺の腕にしがみついている。プリムの大きな胸が、形が変わるほど押し付けられてるんですよ。これで理性を保ってる俺を褒めてほしい。リディア?形はいいが、さほど大きくはないですよ。ルディアの方が大きいですね。
そのルディアはまだ恥ずかしそうにしてるんだが、それでも素肌を晒しており、今は俺と背中合わせで湯舟に浸かっている。ちなみにプリムとリディアは、最初っから隠す気ゼロだった。まあさすがに恥ずかしそうにしてたし、今も顔は真っ赤だけどな。
って、そうじゃなくて!
「あのねぇ、もう一ヶ月近くも一緒にお風呂入ってるのに、全然手を出してこないじゃない。いい加減、女としての自信を失くしちゃいそうよ」
「いや、欲望だけでみんなを抱くわけにはいかないだろ。それにみんな、貴族や騎士の名家の出なんだから、婚前交渉は問題になるような気がするし」
俺がまだ誰も抱いてないのは、これが理由だったりする。貴族とか騎士の家のことはよくわからないが、互いの家の利益や繋がりもあるわけだから、婚約したとはいえ、まだ正式に挨拶もしてない俺が手を出すのは色々と問題が出てくるんじゃないかと思ってるんだよ。
「一時の欲望に身を任せるんじゃなくて、後のこともしっかりと考えてくれていたんですね」
リディアが嬉しそうに顔を綻ばせながら、腕に抱きつく力を強めた。ちょっ!胸が!いくらそんなに大きくないと言っても、綺麗なお椀型で弾力もあるから、当たってる感が半端じゃないです!手も当たっちゃいけないとこに当たってますよ!?
「そんなこと気にしてたのね」
「そんなことって言われてもなぁ」
「ごめんごめん。悪気があるわけじゃないのよ。私達のことをしっかりと考えてくれてたんだな、と思ってさ」
嬉しそうにそう言うとプリムは立ち上がり、ルディアと入れ替わった。ルディアの胸は形もバランスもいい。大きさはリディアより一回り大きいぐらいだが、十分美乳と言っていいだろう。リディア?微乳かなぁ。双子なのに不思議だよねぇ。
「大事にしてくれるのは嬉しいんだけどさ、家族や周りが何て言おうと、私達は大和と結婚するよ。もし反対されたりなんかしたら、家との縁を切ったっていい」
ルディアは俺の腕を取らず、背中を預けながら甘い声で囁いてきた。風呂場でそんな声をされると、本気で理性が崩壊してしまうから止めてほしいんですけど。
「それにさ、肉欲は子供を作るためにも必要なことなんだから、私達はいつでも、あんたを受け入れる準備はできてるのよ?」
俺の後ろに回ったプリムが、首筋に両腕を回して耳元で囁いてきた。背中に当たる大きな胸の感触もさることながら、本気で甘く蕩けてしまいそう声なんですけど!
「子供か。確かに欲しいけど、まだ早い気もするな。それにミーナもまだ王都だし、一人だけ仲間外れにするのも悪い気がする」
俺は努めて冷静に答えた。
そもそもミーナは、俺がリディア、ルディアとも婚約したことを知らないんだよ。何となく予想してるような気はするが、やっぱり俺の口から直接伝えるのが誠意ってもんだと思う。それに子供は欲しいが、まだ早い。生活基盤もまだできてないし、最低でも定住してからでないと、子育ては無理だ。それに子育てとなると、女性陣はハンターを引退とまではいかなくとも、それなりの期間活動を休止しなきゃならない。それじゃ何のためにレイドを組んだのか、わからなくなるってもんだ。
「ミーナのことは私も気になるけど、あの子は元々、大和と私がそういう関係だと思ってたわけだし、自分は邪魔なんじゃないかって思ってたぐらいだもの。それにリディアとルディアのことだって受け入れてくれてるし、もしそうなったとしても、仕方がないって言ってたわよ」
うん?ちょっと待て。なんか話がおかしくないか?ミーナがリディアとルディアのことを受け入れてる?仕方ない?それってどういうこと?
「ミーナさん、王都に出立される前に、私とルディアに言ってくれたんですよ。もし私達が大和さんを好きになったとしても、応援しますって。先に私達が抱いてもらったとしても、それは大和さんの側を離れていた私が悪いから、って。確かにミーナさんには申し訳ないですけど、私だってずっと、アプローチをかけてたんですからね?」
ミーナさん、あなたは予知能力でも持ってるんですか!?というか、別にミーナは悪くないでしょ!?その場合、悪いのは欲望に負けた俺だよ!つかやっぱり、リディアのあれはアプローチだったのかよ!あれっていうか、今もだけどさ!何んなの、これは!?もう状況に流されて、欲望に負けてもいいってことなのか!?
「それにさ、まだ子供は早いっていうなら、無属性魔法を使えば妊娠はしないよ?生活魔法の一つに、そういう魔法があるしね。なんでそんな魔法があるのかわからなかったけど、今ならよくわかるわ」
生活魔法便利すぎるだろ!というか、なんでそんな魔法が生活魔法なんだよ!?カテゴリー的には医療系だろ、普通は!あ、夜の「性活」に使うから、生活魔法なのか。ってどうでもいいわ!
「というわけで大和、私達三人は、今すぐでもいいのよ?」
耳元でプリムが、今まで聞いたこともない、とても妖艶な声で囁いた。
だがそこまでされても、俺は踏ん切りがつかないでいる。何故なら三人が三人とも、震えているのがわかったから。三人とも俺に体を密着させてるから、隠しようがないんだよな。だけどここまでさせておいて何もしないってのも、男としてどうかと思う。
「やっぱりミーナだけ後回しってのは、悪いと思うんだよ。多分遅くても数日で帰ってくるんじゃないかと思うから、それまでは待ってくれないか?」
ミーナを言い訳に使わせてもらうのは卑怯だと思うが、本音でもある。俺と結婚するために騎士団での最後の任務に従事してるわけだし、できるだけ平等に扱いたい。俺の我儘でしかないんだが。
「やっぱりそうなるわよね」
「大和さん、優しいですからね」
「待たされる身としては辛いけど、それはミーナも一緒だものね」
「ごめんな」
我儘を聞いてくれる三人が、とても愛おしく見える。俺には過ぎた子達だと思うよ、本当に。
「だけどさ、それは処理しなきゃダメよねぇ?」
「わあ!今日はいつもよりご立派ですね」
「し、仕方ないから、やってあげるわよ!」
この親不孝者が!オリハルコンの意思で耐えたというのに、お前が存在を主張しちまったら台無しじゃねえか!あれか?ヘリオスオーブに来て初めて本気出したから、滾って昂って仕方ありませんってことか?
「実は私もさ、けっこう昂っちゃってるのよ。心配しなくても、最後まではしないから」
「私達に任せてください!」
狐も竜も肉食だから、捕食者の目ってのがよく似合うわぁ。ルディアはまだ躊躇いがあるけど、プリムとリディアは喜々として俺の息子にご挨拶中だ。あ、お願い、そこはやめて!それはらめえ~っ!
こうして最後の一線だけは越えないが、息子が落ち着くまで、俺は今日も徹底的に絞りつくされたのでした。
少し短めですが、リア充爆発しろ話です。
15禁なので書いてませんが、プリムはかなり昂ってます。本当に最後の一線を越えてないだけで、それ以外は全部やっちまってます。三人とも肉食系ですから。大和も肉食系ですが、ミーナのことがあるので耐えてるわけですよ。ノクターン可の予定はありませんので、あとはご想像にお任せします。
ちなみに大きさ的にはプリム(92)>ルディア(84)>ミーナ(83)>リディア(79)になります。




