表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目指せダンジョンインフルエンサー! ダンジョン配信で大金持ちに!?  作者: 黒頭白尾@書籍化作業中
第3章 超新星は更なる高みへ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/97

第73話 WHO ARE YOU?

好調なようなので突発更新です❗️

 無事に目的を達成した俺は知り合いに旅行から戻ってきた旨を連絡してから日常生活に戻った。


 大学も一週間ほど休んでいたこともあり、その間の授業のノートなどを友人に飯を奢る代わりに借りるなどのごく普通の大学生活を過ごすために。


 だけどその時間は長くは続かなかった。


 何故ならそれからすぐに俺はとある人物に呼び出されたからだ。


「来てくれてありがとう。それと突然呼び出してごめんなさい」

「それは別にいいけど、わざわざ俺だけをこんなところに呼び出すなんて何かあったのか?」


 ダンジョン配信についてどうしても相談したいことがあるとのことだったので、てっきり他にも誰かいると思っていた。


 だがその予想は外れで、半ば個室のような席がある喫茶店に彼女だけが待っていたのだ。


 そう、同じダンジョン配信サークルのメンバーであるサクラが。


 彼女は若くて美人な上に中級ダンジョンで活動出来る実力者なこともあって、日本ではそれなりに有名なダンジョン配信者だ。


 だからこそ同じサークルメンバーやそれ以外でも言い寄る男が多く、その対処には割と苦労していると聞いている。


 だからこそ基本的には男と二人っきりにならないようにしているとかで、同じサークルメンバーの俺と合う時でもいつも友人のミドリやアスカがいたものだ。


 だけど今日はその例に漏れるように彼女しかいないのである。


 そのことに何だか嫌な予感を覚えたが、かと言ってここで踵を返して逃げ出す訳にもいかない。


「えっと、まずはあなたに謝らないといけないことがあって」

「謝る? 俺に?」


 そう言われてもサクラに何かされた記憶などない。


 そもそも奇妙な縁がある彼女のことはそれなりに警戒していたのでサークル活動をする上で最低限の接触しかせず、なるべく関わらないようにしていたのだから。


 それとも俺のいない間にダンジョン配信サークルで何かあったのだろうか。


 そう思った俺だったが、サクラから発せられた次の言葉まるで予想とは違ったものだった。


「実はあなたが旅行に行ってる間に妹さんが私達のサークルが集まる場所に来たの」

「はあ!? 何故に!?」


 そんなこと妹からは一言も聞いてない。


 だとすると俺に隠れて勝手にやった上にその事を未だに黙っていやがるらしい。


「出来れば怒らないであげて。妹さんは最近様子のおかしいあなたのことを心配していたみたいなの」


 母が病気になるまでは家族の関係は良好だった。


 だけど母が重い病気で入院するのとほぼ同時に、見舞いにほとんど来ないで何をしているかもまともに教えてくれないと様子がおかしくなる兄。


 それに妹は怒りを抱くと同時に心配していたらしい。


 それこそ母がもうすぐ死ぬかもしれないという事実に耐え切れず、悪い宗教にでも嵌ってしまったのではないかと。


 その結果、俺が何をしているのかこっそりと調べた妹はなんと俺が最近になってダンジョン配信サークルに所属したことを突き止めたらしい。


 そしてそこで悪い奴らとつるんでいると思い込んだ末に、なんと抗議しに来たのだとか。


「何をしてくれてんだ、あいつは……」


 思わず頭を抱え込んでしまう。


 まさかこの年齢になってこんなことで恥ずかしい思いをするとは思ってもみなかった。


 これではそれこそモンスターペアレントならぬモンスターシスターではないか。


「妹さんが来た時にあなたと関わりがあるのが私しかいなかったこともあって、対応した私は色々と事情を聴いてしまったの。あなたのお母さんが重い病気とかもその時に知ってしまった形ね」

「別にそれは構わないし、むしろこっちが迷惑を掛けたみたいで申し訳ないくらいだよ」


 抗議にしにきた理由を聞くのも自然なことだし、それは別に悪いことをしているのではないと説明するために必要だったのだろう。


 だけどその言葉にサクラは首を横に振った。


「いいえ、偶然にも自分一人でその話を聞いた私は、そのことを自分だけの胸に秘めてあなたに黙っていた。妹さんに口止めされた訳でもないのに。どうしてもある事を確認したくて」


 旅行に行っているから直接伝えるのは無理でも、サークル活動をするに当たって連絡先は交換している。


 だからこうして今日まで待たなくても簡単な事情を説明することはできたのに、あえてそれをしなかったとサクラは言い出した。


 先程までとは違った意味で汗が背筋を伝わるのが分かる。


「……その確認したかったことってのは何なんだ?」

「実は私はある疑いをあなたに持っているの。我ながら本当に荒唐無稽な考えなんだけど」


 そこでサクラはその根拠となった出来事を羅列していく。


 俺がサクラを見かけたと言っていた時に、どの配信でもその姿がまるで確認できなかったこと。


 そしてアルバートが中級ダンジョンを攻略した日、何故かまともにダンジョンに潜ったことも無いと言っていた俺がロッカールームから出てきたことを。


(くそ、まさかその瞬間を見られていたなんて)


 自分なりに警戒してかなり時間をおいてからロッカールームから出るようにしていたのだが、それでは甘かったらしい。


 更に俺が旅行に行くと姿を消していた期間とアルバートが試練の塔で耐久配信をしていた期間が奇妙な事にほとんど一致していること。


 そして極めつけは抗議しにきた際に誤解を解くため自分達の活動を丁寧に説明した結果、連絡先を交換するまで仲良くなった妹から母の病気が奇跡的に治ったという連絡を受けたことなどを羅列していく。


「妹さんからはあなたがサークルに顔を出したら、すぐに連絡してほしいって言われてたの。旅行から戻ってきたら何としてでも捕まえてお母さんの見舞いに連れて行くからって」

「……」


 ここまできて目の前の人物がどんな疑いを持っているかなど考えるまでもない。


 そしてその考えが間違いではないことを証明するかのようにサクラは意を決したように口を開いた。



「伊佐木 天架……あなたは何者なの?」

これにて第3章は終了です。いかがだったでしょうか?

家族の命を救うという当初の目的を達成はしたものの、遂に隠していた正体に気付く人物が現れてしまいました。


今後増えていくだろうそういう人物達に対してどう対処するのか? そして主人公のダンジョン配信がどうなっていくのか?

その辺りを予想しながら今後も楽しんでいただけたら嬉しいです。


また、もしここまで読んで面白い、続きが読みたいと思っていただけた方がいらっしゃいましたらブックマークや星評価、感想をお願い致します。

ランキングも良いところまできているし、なによりそういう応援が作者にとっては本当に嬉しいものなので(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] まあでも母親は救えたし多少バレてもね
[一言] めちゃくちゃおもしろい、期待していた展開が来てめちゃくちゃ楽しみです!! また次回も待ってます。 サクラが唯一の協力者になったりするんだろうか……!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ