表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/39

ほんわかする回

暑い、暑すぎる。

「兄さん、中間テストお疲れさまです」

「僕はとある理由で疲れた気がするよ…」


家に帰ったら、紫音が出迎えてくれた。こういうの、なんか良いよね。ドラマみたいで。


「今日はゆっくりしてください」

「そうだな…」


テストのたびにこういうことがあると思うと気が重くなるが、こんな事態が再発


しないことを願うばかりだ。


「ただいまー」

「おかえりなさい、ご主人様!」

「おい、そんな言葉何処で覚えた」

「この部屋にあるらのべ?からです」

「お前…現代社会に馴染みすぎだろ」


特にヲタク趣味に。


「とにかくそれはやめろ。もし周囲にバレたら…」

「バレたら?」

「僕の将来が危ない」


特殊性癖持ちと誤解されるなんて嫌だ。ご近所…なんでもないです。


「私、ラノベとやらに興味を持ちましてね。よかったら詠ませてもらえませんか?」

「いいけど、今日みたいなことはやめてくれよ?」

「善処します」

「知ってるか?政治家の「善処します」「前向きに…」は男の「先っちょだけ」「何もしないから」と同じぐらい信憑性無いんだぞ?(僕調べ)」

「つまり、九条さんのそういう言葉は信用しちゃだめと?」

「そういうことは言わないから問題ない」


僕にそんなことを面と向かっていう勇気はない。僕は基本的にチキンなのだ。遠


くから遠距離武器でチクチク削っていくスタイル、ヘイト稼ぎの達人である。


「じゃあ、適当に読んでていいから」

「はい」


無言の間が続く…因みに僕は手を付けていなかった新刊を消費している。ラノベ


好きな人なら分かると思うけど、買うので満足しちゃって詠まなくなること無


い?あとは単純に読む時間が確保できない。ゲームとかアニメ視聴とかで忙しく


て…


「あの、九条さん。ちょっといいですか?」

「なに?」

「このシーンなんですけど…」


そう言って差し出されたのは、エッッッ路線のラノベ。そのワンシーンなんだけど…


「これ、明らかにおかしくないですか」


このシーンでは、主人公とヒロインがぶつかった拍子に、スカートの中に主人公の頭が入って「ヤバッ!」ってなってる。フィリアさんや…こういう場面をためらいなく見せてくるなよ。こっちが恥ずかしくなるから。


「これは…お話の世界ってことで見逃すのは賢明だと思うよ」

「そうですか…」

「ねえ、考えないで?これ以上有意義な説明をする自身は無いよ?」

「じゃあ、試してみます?」

「え、どういう…」


そう言うと、フィリアは体を実体化させて普通の人と同じ感じで立ち始めた。


一体何をするつもりなんだろうか…


「ほら、ぶつかってきてください」

「はぁ!?」

「だって、お話の世界なんでしょう?ならば、そういうことにならない筈です」

「それはそうだけど…」

「なんですか?幽霊の私を意識しちゃってます?」

「ああもう!やってやるよ!」

「きゃっ…」


根負け(?)して、フィリアにぶつかる。


「おいっ、これ…」

「兄さん、夕ご飯ができました…よ?」


間が悪すぎる。このタイミングで紫音が入ってくるとは…


「えっとな、これには深いわけがありまして…」

「そのようですね。詳しく聞かせてもらいますよ?」

「ハイ…」


ラノベ主人公たち、苦労してるんやな…


「なんかムカつきますね…もう少し意識してほしかったんですが」

夏になると語彙が「暑い」「ダルい」しか無くなる症候群。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ