表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でレースしてみない?  作者: 猫柾
第四章 大器晩成のルーキー
82/140

夢:Her Apology




 *




 俺は病室にいた。


 ベッドに寝かされているのは、この前の夢でカフェで俺と紅茶を飲んだ少女だ。

 あのとき着ていた貴婦人のような赤いドレスとはうって変わって、シンプルなデザインの患者衣に身を包んでいる。

 少女の右腕はギプスのようなもので固定されていた。


「大丈夫?」


 俺の問いに、少女は明るく返した。


「とりあえず腕は大丈夫そうよ。意識もすぐに戻ったみたい」


「そうか、よかった……」


 俺と少女の関係性は分からないが、夢の中でそれについては考えられなかった。


「あの……ごめんなさい。私は、あなたを危険な目に遭わせてしまった」


 少女は申し訳なさそうな表情で俺から目を逸らした。

 俺には何のことか分からなかったのは最初だけで、夢の中にだけ存在するような一時的な記憶によって俺は少女の発言を理解することができた。


「気にしなくていいよ。むしろ、俺一人だったらどうなっていたことか」


 俺がそう言っても、少女はやはり相当の罪悪感を感じているようだ。


「それでも、私と関わらなければこんなことは起きなかったでしょう?申し訳ないけれど、あなたは……私と距離を置いた方が良いと思う。それが、あなたのためだから」


 慎重に言葉を探して紡ぐように、俺は言う。


「いや、あれは全部俺のせいだ。責任は俺にあるから、そう思い詰める必要は――――」


 しかし少女に遮られた。


「ごめんなさい。でも、あなたみたいな素晴らしいレーサーに私なんかはふさわしくない。あなたにはもっと良い***がどこかにいるはずよ」


 世界にノイズが走る。


「待って……」




「私には、もう――――」










 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ