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第11話 駄天使への正しい「ざまぁ」

 

「それはトモカクとして!」


 大慌てで女神は話題を逸らす。


「今はお試し期間だったので、空術が有効でしたが。

 このステッキを使って世界を変えたら、もう空術は基本的に使えないと思ってクダサイ。

 勿論、自動発動することもありません。変化後の世界で死亡したら、本当に死んでしまいますからチューイしてくださいネ」


 な、なんだと。

 あの最強かつ迷惑術だった空術が、無効に!?


「あと、お三方の創り出した世界がかち合ってしまうと大変なことになりますカラ……

 世界を変えられるのは、ご自分の周囲の一定範囲内のみとさせていただきマス。

 例えば、はんぺんさんが白ボタンで色欲の世界を作り出した場合、世界が変わるのははんぺんさんの周囲のみ。銀さんや玉露さんが一定以上離れていれば、そこまで影響は及びまセン」

「なるほど。世界を情欲で混乱に陥れない為の措置だな」

「そういうことデス。勿論、銀さんと玉露さんが望めば、肉欲の世界に行くことも出来ますが……」

「全力でお断りする」


 そこまで話し終えた後、女神はひと仕事終えたというようにため息をつく。そして。


「ここまでの説明、全部『ウナロ』で過ごす上での基本事項なんですケドねぇ……

 ねぇ、ルーナ?」


 その視線の先には、完全に小さくなってしまったアホウサギ――

 もとい、ルーナがいた。


「ルーナ。何故こんな大事なことを、今まで黙ってたんデス?」

「わ、忘れてたんですよぅ~~……」

「というか貴方、いつもワタシの説明、あまりちゃんと聞いていないですからねぇ。

 忘れていたというか、知らなかったという方が正しいのでは?」

「ギク」

「ここまでくると、やはり貴方には少々おしおきが必要デスねぇ……」

「ギクギクッ」


 そんなルーナを前に、女神様はゆったりと微笑んだ。


「そうだ、こうしましょう。

 ルーナ。貴方にはしばらく、はんぺんさんか玉露さんの創り出す新たな世界。その観察をお願いシマス」

「え、えぇ!? 何ですかその地獄の二択!!

 せめて銀さんの世界では……」

「駄目デス、二択デス。

 勿論、世界の強制中断は許しません。ただ何が起こるかを、貴方にはひたすら見守っていてもらいマス♪

 人の欲望がどういうものか、真の愛とは、真の美しさとは何なのか。貴方はもっと勉強しなけれバ♪♪」

「ひ、ひゃぁああぁぁぁああああ~~!!??

 た、たた、助けてくださ~い銀さん、はんぺんさん、玉露さぁ~ん!!」


 そんなアホウサギに対する俺たちの一言は勿論――


「「「ざまぁwww」」」




 こうして――

 俺たち3人はアホ天使から解放され、女神の導きにより、新たな生活を始めることになった!!!


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