表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/44

009:刀京。其の2

 2週間の内の2日目、ダンジョン化した一戸建ての診療所のボスを撃破し、その後には生産所にこもり、色々な物を生産していた。

 全員の拳銃を預かり、グロッグ17Cと9×19パラベラム弾用マガジンに生産した塗料を塗り、これを仲間達に配る。

 性能の方は驚異的なレベルで有り、通常の拳銃とは比べようのない性能を誇り、裏ショップのボスも、この塗料の事を知り、取引を持ち掛け、仲間全員に銃器系のスキルと、試作品に使う様な銃器を提供する代わりに、☆×4の塗料を大量に提供した。

 ただ☆×1なら使えるが、☆×2ならスキルLv15以上のⅡ、☆×3ならLv30以上のⅢのスキルがいる為に☆×1まで下げることも簡単であった。

 ▽スキル追加

 二挺拳銃:二挺の拳銃が扱える

 ライフル:ライフルなら何でも扱える

 スナイパーライフル:狙撃用にチェーンされたライフルが使える

 ショットガン:散弾銃が使える

 サブマシンガン:短機関銃が使える

 マシンガン:機関銃が使える。

 各種才能、各種心得。

 ▽

 ▽装備変更

 プレイヤーネーム:レド

【装備】

 遠距離武器:特殊塗料付きグロッグ18C×2

 予備武器 :特殊塗料付きP90 特殊塗料付きM4

 プレイヤーネーム:ウルカ

【装備】

 遠距離武器:特殊塗料付きグロッグ17L×2

 予備武器 :特殊塗料付きP90 特殊塗料付きベネリM3

 プレイヤーネーム:アリサ

【装備】

 遠距離武器:特殊塗料付きグロッグ17L×2

 予備武器 :特殊塗料付きP90 特殊塗料付きベネリM3

 プレイヤーネーム:ヒリュウ

【装備】

 遠距離武器:特殊塗料付きグロッグ17L×2

 予備武器 :特殊塗料付きP90 特殊塗料付きベネリM3

 プレイヤーネーム:ユウヤ

【装備】

 遠距離武器:特殊塗料付きグロッグ17L×2

 予備武器 :特殊塗料付きP90 特殊塗料付きM4

 プレイヤーネーム:ツグミ

【装備】

 遠距離武器:特殊塗料付きグロッグ17L×2

 予備武器 :特殊塗料付きP90 特殊塗料付きM4

 従者ネーム:ピローテス

【装備】

 遠距離武器:特殊塗料付きグロッグ17L×2

 予備武器 :特殊塗料付きP90 特殊塗料付きM4

 従者ネーム:フォルスト

【装備】

 近接武器 :

 遠距離武器:特殊塗料付きグロッグ17L×2

 予備武器 :特殊塗料付きP90 特殊塗料付きM10/SASS

 盾  :

 従者ネーム:フォルゼン

【装備】

 遠距離武器:特殊塗料付きグロッグ17L×2

 予備武器 :特殊塗料付きM249軽機関銃

 従者ネーム:セリル

【装備】

 遠距離武器:特殊塗料付きグロッグ17L×2

 予備武器 :特殊塗料付きP90 特殊塗料付きM10/SASS

 従者ネーム:アイリス

【装備】

 遠距離武器:特殊塗料付きグロッグ17L×2

 予備武器 :特殊塗料付きP90 特殊塗料付きM4


 備考:☆×1のランクの中にある物ばかり、☆×1の塗料仕上げも行われる。

 ▽

 射撃のトレーニングを積んだ後に、裏ショップの近くの在るバーガーショップに入り大き目のソファーに陣取って食事。

 生産した妖と森と草原と海の原液(☆×1)をバーガーに掛ける。

 食べるとうま味が激増しかなり美味しくなる、他の面々も掛けてから食べる。

 余りの美味さに黙々と食べ、コンソメスープやコーンポタージュなどにもたらしい飲む。

 調味料代わりなのがなんとも変な気分であった。

 食べ終わり、今後の事になる。


「さてと、今後の事もあるしどういう方針で行くか」

「その前に全員にちょっとした物を作った」

「あたしもよ」


 ウルカが見せたのは毛皮のマフラーだ。色は渋柿色で有り、レドの作った特殊染料が使われていた。こちらの方はあまり美味しくないらしい染料の種類だ。

 □□□□□□□□□□

 名称  毛皮のマフラー

 素材  ヌエの毛皮 妖と森と草原と海の染料(渋柿色)

 品質  ☆×1

 耐久度 10/10

 DEF +40

 MDF +38

 効果

 木属性・耐性:木属性Lv1、木耐性Lv1

 水属性・耐性:水属性Lv1、水耐性Lv1

 植物対攻撃緩和:植物Lv1の攻撃を緩和

 動物対攻撃緩和:動物Lv1の攻撃を緩和

 水棲対攻撃緩和:水棲Lv1の攻撃を緩和

 妖対攻撃緩和:妖系にLv4の攻撃を緩和

 HP・MP増加:HP・MP2%増加

 雷撃無力化:攻撃に雷撃Lv4までを無力化

 備考

 高品質なマフラー、多様な付加価値を持ち、幅広い緩和性能だけではなく、雷撃を無力化するまでの高い対雷撃性能がある。

 □□□□□□□□□□


「全員分有るので安心して欲しい」


 全員が受け取り、首に巻く。


「じゃあ次にあたしね」


 □□□□□□□□□□

 名称  留め金

 素材  金属の留め金

 妖と森と草原と海の塗料

 品質  ☆×1

 耐久度 10/10

 MDF +45

 効果

 木属性・耐性:木属性Lv1、木耐性Lv1

 水属性・耐性:水属性Lv1、水耐性Lv1

 植物対攻撃緩和:植物Lv1の攻撃を緩和

 動物対攻撃緩和:動物Lv1の攻撃を緩和

 水棲対攻撃緩和:水棲Lv1の攻撃を緩和

 妖対攻撃緩和:妖系にLv4の攻撃を緩和

 HP・MP増加:HP・MP2%増加

 雷撃無力化:攻撃に雷撃Lv4までを無力化

 備考

 高品質な留め金、多様な付加価値を持ち、幅広い緩和性能だけではなく、雷撃を無力化するまでの高い対雷撃性能がある。

 □□□□□□□□□□


「付加価値的には同じだけどMDFはこちらの方が高いわ」


 ヒリュウがジッとの留め金を見る。


「似合う服を買おうよ」

「賛成!」

「という訳で午後の方は買い物だな。適当な店でも探すか」


 ヒリュウの提案にアリサが賛同し、ウルカとしても賛成らしい。

 他の面々も異論はない。

 近くのショッピンクモールでの買い物を行う。


「じゃあ3時間後に」


 男性プレイヤー乗れど、ユウヤ、男性従者のフォルゼンの3名は女性陣とは別行動だ。


「まずは服だな」

「それが目的だと思うけど」

「いや、かなり時間は余るぞ。服選びに3時間もかからないだろ?」

「かからないね」

「という訳で服を選んで購入してからその他の物も購入する、なるべくデザイン性と性能の良さから選ぶように、色々と煩い方々がいるからな」


 言わずと知れて教育ママのセリル、その主のヒリュウだ。

 買い物するモノは衣類なのでメンズの売り場に行き、その間に高級スーツを購入し、メンズのカジュアルな衣類からハーフパンツやジーンズなどを購入し、季節としては春物、夏物の二つだ。その後に靴を購入しに行き、メガネ、サングラス、シューティングゴーグル、積載量を上げる鞄、腕時計に、一通り買い物を済ませるのに1時間程度。

 ワインレッドのワイシャツに、ダークレッドのネクタイに、ベストはブラックのレド。

 ライトパープルのワイシャツに、ダークパープルのネクタイに、ベストはブラックのユウヤ。

 スモーク・ホワイトのワイシャツに、ライトイエローのネクタイに、ベストはブラッグのフォルゼン

 ジャケットの方は黒いで統一し、スラックスの方も黒で統一、靴の方は革靴で統一し色と茶色系などだ。

 今度は装備品の購入に向かう。


「色々とあるな」

「双刀が欲しいな」

「格闘武器も好い物が揃っている」

「おしそれぞれに分かれて購入するぞ」


 二人と別れたレドは、ショーウィンドに飾られた一つの剣を見る。

 片手剣の様で、ロングソードに分類される物だ。

 久し振りに暗黒剣や騎士剣に聖剣を購入するのもよいかと考える。

 そこで暗黒騎士剣、聖騎士剣の二つを購入し、槍の方も暗黒騎士槍、聖騎士槍の二本も購入しておく、☆×3の物で、それぞれ高い性能を持つ。

 暗黒騎士剣、聖騎士剣の重さは2kg弱で、現代の銃火器に比べれば随分と軽い、暗黒騎士槍、聖騎士槍の二つはウィングド・スピアータイプで有り、2m位の全長を持ち、重さは1・8kg程度の軽めの物だ。

 二つ合わせてもアサルトライフル程度の重さしかないのだ。

 二人はというと、かなり迷っているユウヤに、すでに購入しているフォルゼン。

 ちょっと近くのベンチに腰掛けようと一歩踏み出した。

 何やら騒がしいのが、一層騒がしく感じるのは何故かと周囲を見ると、通路から人が逃げ出していた。


「トラブルか?」

「おうフォルゼンか、何かあったらしい、一応戦闘用に切り替えておくぞ」


 フォルゼンは返答せずに切り替え始める。

 そこに買い物を終えたユウヤも、騒動に慌ててスキルを切り替え始める。

 装備を具体化し、左腰には暗黒騎士剣、右手には聖騎士槍、右腰にはグロッグ18C、左手にはドラゴンナイト・バックラーを装着する。

 フォルゼンは、格闘武器のシールドと、ガンレッドの融合した特殊な格闘武器を装備し、

 両腰にはグロッグ17Lがある。

 ユウヤは、双刀を両腰に差し、十文字槍を両手に構える。


「どうやらおいでなすったぜ」


 通路より現れた一体のモブ、妖系の属するらしい、赤銅色の肌、額には角のある兜、体は古風な戦国鎧を身に纏い、右手に持つのは巨大な鉈、左手には何かの食べ物らしくバーガーのような巨大な物を食べながら歩くただ、バリバリと音が鳴るこから偽物らしい。


「グォ」


 どうやら多少の知性はあるようだがそれ程は高くないらしい。

 武装して逃げ出さないレド達を見て近づいて来る。


「ひとまず死んどけ!」


 暗黒魔法剣Ⅰスペル【ダーク・アタック】(単体系攻撃スペル)を放ち、黒い闇が妖の影より現れて突き刺す、追加する様に暗黒魔法剣Ⅱスペル【ダーク・ウェーブ】(単体系攻撃スペル)により放たれて黒い波紋が妖を覆う、最後の暗黒魔法剣Ⅲスペル【ダーク・クラッシュ】最後のスペルが放たれ、妖の影より突き出る槍の塊が連続する。


「二人ともGO!」

「了解」


 レドの言葉に、ユウヤとフォルゼンが突撃する。

 二人が攻撃するも、ほとんど効いていないかのようだ。

 眼力で調べる。

 □□□□□□□□□□

【鬼】

 種類 ボス

 種族 妖

 Lv ???

 HP 202/332

 MP 78/78

 TP 100/100

 STR 20

 INT 10

 MND 8

 VIT 20

 DEX 10

 AGI 10

 LIK 3

 CHR 1

 耐性 刺突 斬撃 打撃 貫通

 弱点 

 スキル 暴れる鬼

 □□□□□□□□□□


「物理耐性があるぞ!」


 二人が飛び退き、そこにグロッグ18Cを抜いた左手でのフルオート射撃を行う。

 特殊塗料により付加価値を高めているこのハンドガンは、約2秒程度で全装弾を使い切る、けん制のつもりが意外にも絶え間なく雷撃が当たり、鬼は感電状態だ。


「特殊銃を使え!」


 レドの怒声がガラガラになったフロアに力強く響く。

 二人が近接武器から、特殊塗料をつけたグロッグ17Lに、切り替えて撃ち出した。

 その間に装弾を済ませたレドのグロッグ18Cでの全弾射撃を加える。

 鬼が淡い光に包まれて粒子なって消える。


 □□□□□□□□□□


【ボス撃破】


 [初回撃破報酬]

 絹糸の束:裁縫素材

 鬼の涙:調合素材

 マッスルドリンク:最大HP増加アイテム

 鬼の衣類:衣類、裁縫で修復出来る

 鬼の鉈:鉈、鍛冶で修復できる

 鬼の骨:細工素材

 鬼の爪:細工素材


 [撃破報酬]

 妖の涙:調合素材

 妖の靴:革細工で修復できる

 妖の肉:調理に使う

 妖の骨:細工素材

 妖の爪:細工素材


 [ノーダメージボーナス]

 ウェアラブルPCサモナータイプ:従者支援アイテム

 ストック拡張Lv1:ウェアラブルPCの性能向上


 □□□□□□□□□□


「ふぅ。」


 レドが溜息を吐いてから弾倉を確認する、ユウヤも弾倉を確認し、フォルゼンも弾倉を確認し始めた。


「まだ行けるか?」


 ユウヤとフォルゼンがレドの言葉に、肯定する様に頷く。


「妖の来た方に向かうぞ」

「了解」

「・・(コクリ)」


 弾倉を確認し終えてから、拳銃のグロッグ18Cは収め、レドはバックラーを持つ手にP90を持ち、右手に暗黒騎士剣を取る。ユウヤは槍を持ち、フォルゼンは両手にグロッグ17Lを握る。


 □


 妖の鬼が現れた通路の所には、ダンジョン化しており、困った事なので、仲間を呼ぶ。

 そう言って現れた8名。

 8名も男装のスーツ姿の格好をしており、白いワイシャツに黒いジャケットのウルカ、ピローテス、アイリス、白いワイシャツに黒いベスト姿のアリサ、ヒリュウ、ツグミ、白いワイシャツ姿のフォルスト、セリルの8名。


「よう。状況を説明するぞ。ここから先がダンジョン化した場所だ。加えて、物理耐性を持つ厄介なエネミーが出てくる。効果的な特殊効果を持つ銃などが有効だ。もちろん魔法等も有効な物だと言える、物理耐性を考慮した戦闘用スキル構成で行くぞ」


 それぞれが銃器を取る。

 散弾銃ショットガンのベネリM3を握るウルカ、アリサ、ヒリュウ、短機関銃サブマシンガンのP90を握るレド、ユウヤ、ツグミ、ピローテス、フォルスト、セリル、アイリス、軽機関銃ライトマシンガンのM249を握るフォルゼン。

 突き進む中、モブらしきピクシーの等身大版、執事服のフェルパー、馬を等身大の二足歩行にしたような馬人、顔が二つある双頭のライオン、二本の刀を持つ女武者を片付ける。

 どの単独の、単体のみの行動でもあるが、一体一体が非常に強く苦戦する。

 ボスが居そうな広場につく。

 どうもフードコートだった場所らしく、机と椅子の組み合わせが多く、両脇には店の様なモノが多い。


「いかにもって場所だなこれはよ。ボス用にスキル構成を変えるぞ」


 レドの言葉で全員が取り掛かる、スキル構成を変えられるので何度も行っていた事もあり慣れてきたころだ。


「む」


 構成を終えたウルカが妙な物を見た。

 腕の無い鬼の様な人が歩いて来る。

 他のメンバーには見えていないようで、看破を使い隠れる場所から叩きだす。


 □□□□□□□□□□

【鬼の落人】

 種類 ボス

 種族 妖

 Lv ???

 HP 520/520

 MP 300/300

 TP 153/153

 STR 13

 INT 15

 MND 14

 VIT 13

 DEX 14

 AGI 11

 LIK 12

 CHR 1

 耐性 刺突 斬撃 打撃 貫通 即死系

 弱点 魔法属性全て

 スキル 氷獄の氷界

 □□□□□□□□□□


「氷を除いた魔法属性が弱点!」


 レドの『ダーク・アタック』『ダーク・ウェーブ』『ダーク・インパクト』の単体系暗黒魔法剣のスペルを連続して使い、更に『ホーリー・アタック』『ホーリー・ウェーブ』『ホーリー・インパクト』の単体系神聖魔法剣のスペルを使う。

 ピローテスも同じように暗黒魔法剣のⅠ・Ⅱ・Ⅲ、神聖魔法剣のⅠ・Ⅱ・Ⅲを使う。


「銃器アーツ用意!」


 レドの怒声と共に、それぞれが銃を握る。


「銃技アーツ発動」


 全員共通の銃器アーツ『ブリットカーニバル』による全弾発射。

 ベネリM3の装弾数7発のショットシェル(12ゲージ)、P90の装弾数50発の5・7×28mm弾、M249の装弾数100発のSTANAG マガジンを撃ち尽くす。

 何発か外すものの、630発がHITし、ボスが淡い光を放って粒子となり消える。


 □□□□□□□□□□


【ボス撃破】


 [初回撃破報酬]

 絹糸の塊束:裁縫素材

 大鬼の涙:調合素材

 マッスルドリンク:最大HP増加アイテム

 大鬼の衣類:衣類、裁縫で修復できる

 大鬼の鉈:鉈、鍛冶で修復できる

 ブリキの留め金:細工素材


 [撃破報酬]

 大妖の涙:調合素材

 大妖の靴:革細工で修復できる

 大妖の肉:調理素材


 [ノーダメージボーナス]

 ウェアラブルPCサモナータイプ:従者支援アイテム

 ストック拡張Lv1:ウェアラブルPC拡張アイテム


 [コンボ記録ボーナス]

 ダイヤモンド(最高級)

 蘇生薬


 □□□□□□□□□□


「ひとまず撃破、買い物の続きだ」


 □


 買い物は店側の厚意により9割引きという途方もない割引を受けた。

 買えば買うほど店側も赤字なのだが、店側の店長は迅速な対応に非常に霞ん写していたし、鬼と遭遇したお客さんからは非常に感謝の言葉が数多く寄せられた。

 必要な分だけを買い、再び裏ショップへと戻る。


「ダンジョン化ってやつの話を聞きたい」

「好いのか?言っちゃあ何だが深入りすることはないぜ?あんたらは腕利きだがね、この町の揉め事に頭を突っ込む必要はない、義理はないはずだ?」

「かもしれないが、まあなんというか買い物の度に邪魔されるのも癪でな」

「癪で命がけになる単細胞には見えないが、まあ1日は置こう。冷静になってよく考えてくれ、明日の正午に聞かせてくれ」

「分かった。弾薬の補給を頼む。また材料も手に入ったので薬でも作る」

「了解した。手配しよう」


 生産所の広場に入る。


「全員聞いてくれ、その前に椅子に座って何かを飲もう」


 それぞれが座り、レドが自動販売機にコインを入れて飲み物を買い全員に配る。


「話ってのは明日の正午にエキストラクエストが始まる」


 この説明にサブリーダー的なウルカが形の良い黒眉を上げ、桜色の唇を開いた。


「エキストラクエストとはプレイヤー一人に足して一度のみのクエストだな」

「そうだ。まあ真面目な話だが、一度のみだ。よく考えて決断してもらいたい、他に何かあるのかもしれないしな。何か質問は?」

「特になし」

「僕も同じくだよ」

「俺も同じく」

「私も同じです」

「まあこんなエキストラクエストも楽しそうだし、明日の正午までにいろいろと調べておくのもよいな」

「従者からはあるか?」


 5名が首を振る。


「なら暇な時間の間は割と暇なユウヤ、ツグミの二人と町中に出るとよい、生産には時間がいるからな。期間は1時間ぐらいだ」


 生産組と散策組に分かれての行動だ。


 □


 生産を行うアイテムは☆×5の大鬼の涙、大妖の涙、☆×4の鬼の涙、妖の涙、マッスルドリンクの×12個分の実験だ。

 涙と浄水を組み合わせる二重混合で、二つの薬が完成する。


 □□□□□□□□□□

 名称  鬼と最高級浄水の混合液

 素材  鬼の涙(☆×4) 最高級浄水(☆×4)

 品質  ☆×4

 耐久度 40/40

 効果

 鬼特攻:妖系統の鬼系統にLv4の特攻

 備考

 鬼特効薬、範囲が狭い為に鬼系に特大大ダメージ

 □□□□□□□□□□

 名称  妖と最高級浄水の混合液

 素材  妖の涙(☆×4) 最高級浄水(☆×4)

 品質  ☆×4

 耐久度 40/40

 効果

 鬼特攻:妖系統にLv4の特攻

 備考

 妖特効薬、範囲系が広い為に妖系に通常を上回る程度のダメージ。

 □□□□□□□□□□


 この後に混合液同士を混ぜる二重混合を行う。


 □□□□□□□□□□

 名称  鬼と妖の混合液


 素材  鬼の涙(☆×4) 妖の涙(☆×4) 最高級浄水(☆×4)

 品質  ☆×4


 耐久度 40/40


 効果

 妖特攻:妖系にLv4の特攻

 鬼特攻:妖系の鬼の名前の冠する対象にLv4の特攻


 備考

 特殊な混合液。妖系に特攻、妖系の鬼系の特攻。

 □□□□□□□□□□


 同じように☆×5の大妖の涙、大鬼の涙も最高級浄水と混ぜる。

 これをさらに掛け合わせる


 □□□□□□□□□□

 名称  大鬼と大妖の混合液


 素材  大鬼の涙と浄水の混合液(☆×5)大妖の涙と浄水の混合液(☆×5)

 品質  ☆×5


 耐久度 50/50


 効果

 妖特攻:妖系にLv5の特攻

 大妖特攻:大妖系に特攻Lv1

 鬼特攻:妖系の鬼の名前の冠する対象に特攻Lv5

 大鬼特攻:妖系の大鬼の名前を冠する対象に特攻Lv1

 物理耐性貫通:物理耐性があっても通常と同じ様なダメージを与えられる。


 備考

 特殊な混合液。妖系・大妖系に特攻、妖系の鬼系・大鬼系の特攻。物理耐性を貫通する強力な効果を持つ。

 □□□□□□□□□□


 この混合液と、この前に作った混合液を組み合わせる。


 □□□□□□□□□□

 名称  

 素材  ヌエと妖の混合液(☆×4)鬼と妖の混合液(☆×4)

 品質  ☆×4


 耐久度 40/40


 効果

 妖特攻:妖系にLv4の特攻

 大妖特攻:大妖系にLv1の特攻

 鬼特攻:妖系の鬼系にLv4の特攻

 雷撃追加:攻撃に雷撃Lv4を追加する


 備考

 特殊な混合液。妖系・大妖系に特攻、鬼系に特攻、雷撃の追加効果もある。


 □□□□□□□□□□

 名称  大妖と大鬼と森と草原と海の混合液


 素材  妖と森と草原と海の混合液(☆×4)

  大妖と大鬼の混合液(☆×5)


 品質  ☆×5


 耐久度 50/50


 効果:

 木属性・耐性:木属性Lv5、木耐性Lv5

 水属性・耐性:水属性Lv5、水耐性Lv5

 対植物属性:植物Lv5の特攻

 対動物属性:動物Lv5の特攻

 対水棲属性:水棲Lv5の特攻

 妖特攻:妖系にLv5の特攻

 大妖特攻:大妖系に特攻Lv2

 鬼特攻:妖系の鬼の名前の冠する対象に特攻Lv5

 大鬼特攻:妖系の大鬼の名前を冠する対象に特攻Lv2

 HP・MP増加:HP・MP10%増加

 雷撃追加:攻撃に雷撃Lv5を追加する

 物理耐性貫通:物理耐性があっても通常と同じ様なダメージを与えられる。


 備考:

 貴重な原液、食品、ポーション、餌、染料、趣向品、ガラス、武器などの物に使え、植物・動物・水棲・妖の攻防に役立つ、また木・水の属性・耐性付与、武器の場合は雷撃を与える。妖系の鬼系・大鬼系の特攻。物理耐性を貫通する強力な効果を持つ。

 味が非常に良いために餌としては有効である。なお普通に食べられる物でもある為に誰でも食べられる。


 □□□□□□□□□□


 このままでは使えないために☆×1まで、ひたすら分解で分ける。

 耐久度50(☆×5)を分解し耐久度40(☆×4)が50個作られる、この50のこのうち1個から40個を作り、この40個のこのうち1個から30個作り、この30個のこのうち1個から20個を作った。

 ☆×5をひたすら分解すれば☆×1が120万個作れる。

 スキルLvがⅢでカンストの為に、+2ランクまでなので、これが限界の品だ。

 例え適性や固定スキルでの品質上げをしても、装備する側のランクが足りないのだ。

 実質的に☆×3までしか意味がない。


『ハロハロ』

「おうヒリュウがじゃないか」

『ちょっと使えるかもしれないからこんな物を送るね』

 送られた品は食品らしい。

 ボトルに入った何かの液体、キャップを外して嗅ぐとスープの様だ。

 眼力で調べる。

 □□□□□□□□□□

 名称  オーガシチュー


 素材  鬼の肉(☆×4)妖の肉(☆×4)最高級塩(☆×4)最高級胡椒(☆×4)

 最高級浄水(☆×4)

 品質  ☆×4


 耐久度 40/40


 効果

 妖攻防特攻:妖にLv4の特攻、妖の攻撃をLv4の緩和

 鬼攻防緩和:鬼にLv4の特攻、鬼の攻撃をLv4の緩和

 腹持ち:一度摂取すると1時間は飲み食いする必要がない。

 腕力上昇:STR上昇Lv4

 備考

 高品質なスープ。調味料の入れ過ぎで不味い

 □□□□□□□□□□


 味わってみる。

 ゲームの中で吐くかと思うほどの酷い味わいだ。

 調味料が入れ過ぎて舌が痛いほどだ。

 ☆×4の高品質な原液を混ぜて味を調える。

 一口飲むとかなり味わいがマシになっていた。

 分けてから混ぜたので特に変化はない。

 このスープと原液を混ぜる。


『失敗』


 久し振りの失敗だ。

 調理スキルを取り、これで混ぜてみる。


 □□□□□□□□□□

 名称  変てこスープ


 素材  オーガシチュー 5種類混合液


 品質  ☆×4


 耐久度 40/40


 効果

 木属性・耐性:木属性Lv4、木耐性Lv4

 水属性・耐性:水属性Lv4、水耐性Lv4

 対植物属性:植物Lv4の特攻

 対動物属性:動物Lv4の特攻

 対水棲属性:水棲Lv4の特攻

 妖特攻:妖系にLv4の特攻

 大妖特攻:大妖系に特攻Lv2

 妖攻防特攻:妖にLv4の特攻、妖の攻撃をLv4の緩和

 鬼特攻:妖系の鬼の名前の冠する対象に特攻Lv4

 大鬼特攻:妖系の大鬼の名前を冠する対象に特攻LvⅡ

 鬼攻防緩和:鬼にLv4の特攻、鬼の攻撃をLv4の緩和

 HP・MP増加:HP・MP10%増加

 雷撃追加:攻撃に雷撃Lv5を追加する

 物理耐性貫通:物理耐性があっても通常と同じ様なダメージを与えられる。

 腹持ち:一度摂取すると1時間は飲み食いする必要がない。

 腕力上昇:STR上昇Lv4

 備考

 高品質なスープ。そんなに美味しくないスープ、高い付加効果を持つも、あんまり美味しくないのがネック。

 □□□□□□□□□□


 これを分解し、最高級浄水と、5種類混合液で再び混ぜる。

 性能はそれほど変化はないが、備考にはこうあった


 □□□□□□□□□□

 備考

 高級なスープ。非常に味わい深い物であり、最高級のうま味を持つ、極めて高いのだが、元々の味わいを考えれば想像を絶する違いがある。

 □□□□□□□□□□


 味わってみる。かなり味わいが良い。

 ヒリュウに送る


『味が全く違うけど、何をしたの?』

『素材の所にある混合液を混ぜた』

『全くの別物って感じ、研究してみる』

『おうガンバ』


 次に5種類混合液をウルカ、アリサに送る。

 アリサから連絡が入る。


『ハイ♪』

『おう』

『細工の品を送るわ』

『了解』


 細工の品を受け取り、調べる。

 □□□□□□□□□□

 名称  鬼の細工

 素材  鬼の骨

  鬼の爪

 品質  ☆×4

 耐久度 40/40

 効果

 鬼攻撃緩和:鬼の攻撃をクリティカル以外全て緩和する

 備考

 鬼に対しての最高峰の装飾アイテム

 □□□□□□□□□□

 名称  妖の細工

 素材  妖の骨

  妖の爪

 品質  ☆×4

 耐久度 40/40

 効果

 妖攻撃緩和:妖の攻撃のクリティカルを除く聞き全て緩和

 備考

 妖に対しての最高峰の装飾アイテム

 □□□□□□□□□□

 素晴らしい性能だ。

 これに5種類混合液の塗料化した物を塗る。

 □□□□□□□□□□

 木属性・耐性:木属性Lv5、木耐性Lv5

 水属性・耐性:水属性Lv5、水耐性Lv5

 対植物属性:植物Lv5の特攻

 対動物属性:動物Lv5の特攻

 対水棲属性:水棲Lv5の特攻

 妖特攻:妖系にLv5の特攻

 大妖特攻:大妖系に特攻Lv2

 鬼特攻:妖系の鬼の名前の冠する対象に特攻Lv5

 大鬼特攻:妖系の大鬼の名前を冠する対象に特攻Lv2

 HP・MP増加:HP・MP10%増加

 雷撃追加:攻撃に雷撃Lv5を追加する

 物理耐性貫通:物理耐性があっても通常と同じ様なダメージを与えられる。

 □□□□□□□□□□

 以上が付与された。

 極めて高い性能を誇る。

 これをアリサに送る。その後に少し会話し、今度はウルカより連絡はいる。


『中々好い物だ。形は何か希望はないか?』

『ベルトとかネクタイとか』

『ふむ。ベルトにしておこう』

『ネクタイの方が見栄えはするぜ?』

『いずれかの機会にな』


 これでふとひらめきアリサに連絡する


『度々すまん』

『珍しい』

『実はウルカがベルトを作るのでなバックルを作って欲しい』

『そういう事?ならOKよ♪』

『塗料も送っておく』

『OKOK』

『後なのだが、飛竜に細工で作れるような食器を送ってくれ後調理機器とかも』

『了解♪』


 連絡を切る。

 ベルトとセットのバックル、調理に使う様な調理機器に、食事の際の食器なども有れば随分と効果も違っていくと思われたから頼んでみた。


 □


 生産を終えてから裏ショップのボスの元に来る。

 不要なアイテムを売却し、そんな時にこのボスから意外な提案があった。


「店を持たないか?」


 レドの一番に浮かんだものは、何言ってんだこいつと言ったところだ。

 しかし他のメンバーは満更でもなかったらしく、大きく頷く。


「まず店の事だが、家とは別系統だ」

「それなら安心だが。いいのか?」

「ああ。まあ優秀な職人とは伝手を持つのが一番だ。俺らの様な物で作れるのは精々☆×2、これが最高級だったが、今や☆×3だけではなく☆×5間で作れる。惜しむ声が強いのさ。特に塗料や染料にはどこも手軽さから購入希望が後を絶たない、それにそちらには暇な連中も多い」

「まあ確かにな。店か」

「すでに幾つかの物件がある」


 見せられたのは数件のビル、雑居ビルの様でも有るが、平均の坪数が200坪という途方もない広さに、更に5階建てが普通だ。

 さすがにこれは無理だと断りかけるとボスはこう言った。


「悪い事は言わん。家が9割までは出す」


 こうまで言われたら買うしかない。しかも土地付きだ。

 立地条件も素晴らしく、驚いた事に裏道かもしれないが駅前に近い場所だ。

 近くにはショッピングモール、大規模な商店街、コンビニ、スーパー、薬局、その他さまざまな施設が立ち並ぶ、商業区画だ。


 内部に必要になる工事代も裏ショップが9割負担だ。

 しかも急ぐので伝手を駆使し、僅かな時間で使えるようにした。

 暇な従者5名と、ユウヤとツグミの二人が受付などを担当する。

 敷地面積は3000平米(5階建て、土地は200坪)を持つ。

 一階はレストラン、二階はアクセサリーショップ、三階は衣類店、四階が薬品ショップ、五階がフードコートだ。

 裏側にも借家があり、倉庫まで完備する有様だ。

 実質的には200坪の×2の400坪もある。

 噂を聞いたプレイヤーがちらほらと現れる。

 記念として完成した試作品はフレンドリストにある『南十字星』『ノラノラ』『ヒラメ』『C』『C創設者』『剣客商売』等に塗料と染料を送った。

 それぞれから反響があり、ダンジョンなどに飢えている戦闘系の『ノラノラ』『剣客商売』は強そうな妖との戦闘のために場所を教えて欲しいと連絡を受け、裏ショップの事を少し教え、遊びに飽きて生産に飢えていた『C』『C創設者』『南十字星』には生産場所教え、『ヒラメ』からは露店を開く場所探しているらしく、裏ショップのボスと話、露店を開く場所の公園近くの空き家通りに提供した。

 こうなると割と忙しくなる。

 伝手からこんな物を作って欲しい等の依頼もあり、また買取りなどもこともあり、休む間もなく働き、真夜中になってへとへとになってからNPCの従業員を帰らせてから、近くの深夜営業の屋台街での夕食を取る。


「焼き鳥とビール」

「お前はおっさんか!」

「後、たこ焼き、お好み焼き、ギョーザとタレは醬油のみで」


 それぞれが注文し、作り置きの物が直ぐに出される、12時間ぶりの食事なので黙々と食べる。従者の5名は作られた秘伝のタレを少し欠けてから食した。

 食べた後のデザートは、甘い物だけではなく色々と食べる。

 その後も焼き鳥、たこ焼き、お好み焼き、どら焼き、今川焼、たい焼き等を大量に購入していると、何故か数名のプレイヤーに囲まれる。


「なんだあんたらは?」

「料理の買い占めは禁止なんだがな」

「あー。そいつはすまん。そう言うルールを知らなかった落ち度だ」

「まああんたの言い分も分かるが、ひとまず自警団の所に来てくれ、書類を作成しないといけない」

「分かった」


 意外にも協力的だったことが意外だったらしく、自警団の詰め所で書類を作成に協力し、直ぐに解放された。


「マスター、頼むから揉め事は起こさないでくれ」


 ピローテスが諫める、他の古参メンバーや従者、つまり双子を除いたメンバーは頭を抱えていた。特に暴れたわけでもないが、自警団に引っ張られるのは目立ったらしい。


「悪い、ルールは知っておくべきだった」


 ピローテスも主が本当に反省しているので溜息だけで済ませた。


「まあ塒に帰ろうぜ」


 誰も異論はない様子で、肯定する様に頷いた。

『星空の記録』のPTショップに入り、その奥の100坪の三階建ての借家に入り、個室に寝室でベッドに入り休む。


 □


 翌日の朝方の午前5時に目が覚め、ふと調合の限界を調べるべく考えた。

 ビルの方の4階に上がり、調合の為の薬品棚から取り出し、☆×4の品だ。

 ☆×1に対してのLv上限は1、予想が正しければとなる。

 かけ合わせて物は素材は凡そ森(エルダーの涙、スポアの涙)、草原(ウルフの涙、ボアの涙)、海(クラブの涙、キラーフィッシュの涙)、水道水、最高級浄水、妖の涙、鬼の涙の10個だ。品質は4。耐久度は40。効果は4個。

 アタック・プロテス・スピードのⅠ・Ⅱ・Ⅲを付加、ノンアタック・ノンプロテス・ノンスピードのⅠ・Ⅱ・Ⅲの18種類。

 これで22個。

 技能付加のスペルのある付加術での補助系スキルをひたすら付加する。

 30個、40個と行くと、41個となると崩壊し消えた。

 耐久度が限界なのか、素材と品質を掛けたモノなのか、答えは40という数字なのだから別の方法を試す。

 耐久度を下げた30/40を使い30個まで効果を与え、31個になる。

 崩壊せず、そのまま一つ一つ付加し続け、41個で崩壊した。

 他の物がどうなのかはわからないが、品質に10倍、素材の4倍という方式が成り立つ。

 ☆×1の混合液を作り、二つの素材から一つの効果を持つものだ。

 これに付加すると1個は付いた。

 合計3個目で崩壊し、2個以上の付加できない事が判明した。

 素材は二つ、品質は☆×1、効果の初期は1個、耐久度は10.

 さらに実験を重ね、☆×2での素材3個という物だ。

 これの混合により☆×2×3=6個の効果が限界である結果を示した。

 効果限界というべきものだ。

 他の☆×2、素材3個で効果2個から始めても結果は同じだった。

 つまり見落としたところがない限り、素材×品質こそが効果限界を示す指標なのだと突き詰めた。


(効果限界の許す範囲で質と数が定められ、限定効果によって広義だと一つ当たりの補正は下がり、狭義だと効果は特化されて高まり、効果限界の数を超えると崩壊する)


 だが一つの事が矛盾を示す。


(ては上位から下位に下げた場合の効果限界はいったい?)


『レド、おっはよー』


 思考に沈みかけたレドの所にヒリュウの能天気な声が響く、頭に直接ではなく、耳の近くでささやかれる様な声だ。


『おはよう』

『借家の方に集まって朝の食事だよ。早く速く』

『了解だ』


 短く済ませ、実験を一時的に中断し、借家の方に向かう。

 朝方の6時には既に空は白みかかり、暁の様な空模様は雲一つない蒼天の昼と、星空の夜が混ざり合う幻想的な青空であった。

 何気なく草木を見れば風になびく様に揺れ、草木が不規則に揺れるのをなんというべきだったかと頭を動かすが思い浮かばない。

 しかし風は心地よく、朝方の早駆けの様な旋風が舞う。

 そんな事を考えて歩き借家の中に入り、ゲームの中とは言え靴を脱いで入る。

 三階建ての一階にある食堂に入り、皆に挨拶してから食事を行う。


「レド兄ちゃん。今日は店?」

「必要だからな。とはいえ実験のための時間も必要だとも思うしな。かなり難しい」

「店も面白いけど、今日の正午にエキストラクエストもあるぜ?」

「なんだよねえ。さてさてどうしたものか」

「引き受けたほうがいいんじゃないかと俺は思うぜ。その理由は生産ばかりだとつまらくなるし、店も重要だけど午前中だけとか」

「私もユウヤに賛成です。真昼頃などには来ないと思いますし」


 他の面々も同じ意見らしい。


「じゃあ午前中だけ店な」


 生産と戦闘を両立するプレスタイルのレド、ウルカ、アリサ、ヒリュウの四名なので、ユウヤ、ツグミの戦闘系プレイヤーは暇な方だ。

 従者の5名も割と暇だ。


「ほんじゃあ今日も稼ぐぞ」

「「応!」」


 □


 四階の薬品ショップ、すでに在庫が有り余るほど生産され、一山幾らの捨て値で売られる、裏ショップよりも最低の金額は指定されており、これを割ることは絶対にない為にこの定額に定める。

 知り合いや友人に顔見知りなどが出入りし、様々な薬品を購入していく、大抵のプレイヤーからすれば信じられないほどの効果を持ち、そのお値段の方も定額でも割安と言われがちだが、一山いくらの為に結構な値段がする。

 そもそもポーションや染料に塗料と言ったものは数を揃えてなんぼだ。一山いくら程度が当たり前なのだ。

 ちなみにギルド【C】はシステム的なギルトではない、あくまでも通称なのだ。

 この為に色々とトラブルも起こり、転売目的の転売ヤーには何度も悩まされている。


「またトラブルか」


 レトがうんざりとした声でいう。


「かなりの数を売れと」

「全く。ピローテスそいつを連れてきてくれ、ピクシー補佐を行ってくれ」

「了解」

「アイアイサー」


 10分後、ボコボコにされて銃を突きつけられている幾人かのプレイヤーが連れてこられた。所属を尋ねた尋問の後に、所属を証しの証拠となるものを置いてもらい、このようなトラブルが30分の1度は起こる。

 誰だってうんざりするようなものだ。

 裁縫師/マイ、木工師/アーリー、細工師/ユックの三名もこんなトラブルに見舞われていたらしく、生産プレイヤーとして愚痴が漏れる。

 元々生産者を保護するために創設したCの創設者たちだ。


「買占めには困るよ本当に」


 細工師のユックが愚痴る。

 同意する様に木工師のユーリー、裁縫師の枚も同じく肯定するような頷き、調合士のレドも同じトラブルに見舞われるので大きく頷いて愚痴る。


「俺を儲けさせろと喚く様で不快な連中だぜ」

「全くだ」


 ユーリーが同じく頷く。


「しかも買い占めさせなかったら、暴れるという、脅しまで言う連中もいるのよ?信じられないわよ?本当に」


 マリが全身で絶叫する様に言う。

 誰も彼もがストレスが溜まっていた。

 しかし茶菓子とスープのを飲食する手は休めない。

 郷の実験で作った適性をオンにして作った最高級の☆×7、素材数は12個という途方もない物だ。当然の様に味重視に特化した生産品の為に、どんな不味い飯も簡単に最高級に早変わりするうま味の素という調味料だ。

 そんな四人の愚痴祭りに、ピローテスはレアチーズ風味のうま味の素を掛けたケーキを食べる。

 要するに愚痴大会ではあるが、茶菓子とスープが止められず、そのまま続いているようなものだ。

 ピクシーにもレアチーズ風味のケーキを食べていた。


「そういえばダンジョンでこんな物を手に入れた」


 出した一つのメガネ、レンズはなく下渕のフレームだけだ。


「ウェアラブルPCというらしい」


 三名の目付きが変わる。


「しかも訳が分からない事にサモナー型というらしい」

「ウェアラブルPCのサモナー型?」

「装備してみてくれ」


 メガネなので掛ける。


「何が見える?」

「全く変化なし、試してみればわかる」


 マリに渡すと掛ける、しかしいう言葉は同じ、アーリー、ユックも同じだ。


「しかもノーダメージボーナスの品だ。貴重な品とは思うが全く使い道のない奴だ」

「何か付属品は?」

「そう言われればこんな物もあった」


 小さなカード。小さなUSBの様なモノだと三名の見識だ。


「じゃあこのメガネか、どうやって使うのだ」


 メガネをつけて色々と工夫するも意味はない。


「たぶん専用の機材が必要なんじゃないかな」

「恐らくね」

「俺も同じ意見だ」


 アイテムを戻し、レドが最後の一枚の煎餅に手を伸ばす。

 それを取り口に突っ込む。

 ボリボリという音が響き、スープを啜る音が響く。


「やれやれ結局エキストラクエストを受けるしかないか」

「僕らも協力するかい?」

「一応戦えるしな」

「面白そうだから賛成」

「仲間に話してみるさ」


 仲間一同からの連絡で返答に賛成と有った。


 □


 裏ショップ『スクラップ』この店で星空の記録のプレイヤー6名と、従者5名に、生産プレイヤーの3名が共闘PTにより一つのくくりで纏められる。


「なるほど考えは変わらないか、まあ仕方ないな。まずはテイムや従者召喚のスキルを取ってくれ、どうしても取りたくないのなら別にいいが、俺からのプレゼントがある」

「私は取らない主義だ」

「俺も」

「私もです」


 ウルカ、ユウヤ、ツグミが言う。

 生産プレイヤーの共闘中のPTの3名は、テイムとサモンの二つを取る。

 裏ショップのボスがいくつかのカバンを見せる。

 内部には腕輪とメガネがある。


「メガネが画面にを担当するウェアラブルPC、フレスレットが入力する腕に装着する入力端末だ」

「なんに使う?」

「簡単に言えば従者の数を+1する、また従者の能力を強化する、そう言った従者要支援PCだ。後だが、取らなかった三名にはこれだ」


 見せられた一つの指輪。


「エンゲージリングじゃない、起草された特殊装甲服を展開するタイプの物だ。ウェアラブルPCとは相性が悪くてな、一緒には使えないのだ」

「もしかしてこれか」


 見せたウェアラブルPCとUSBの二つ。


「壊れているな、こう言うのの専門家に任せよう。他にもあるのなら預かるが」


 使い道のないために全員が渡す。


「ウェアラブルPCを使う物はテイマーかサモナーなので、どちらかで呼ぶ、またこのウェアラブルPCはサモナー型だが、テイマー型もある、他にも戦技型、武具型も取りそえる、一応有料だが直ぐに稼げる」

「スキルに関しては?」

「セットで提供しよう」

「問題ない、テイマー型を俺は希望したい」

「あたしもテイマー型を希望するわ」

「用意させよう。他には」

「従者たちにはどうするのだ?」

「戦技型がベストだ。武具型という方針も有るがその分スキルを必要とするから微妙だな。開発中のスペル型も有るがこちらは問題が多すぎて使えん」


 ウェアラブルPCのテイマー型のレドとアリサの2名、サモナー型のヒリュウ、ユーリー、ユック、マリの4名、戦機型を従者5名が受け取り、特殊装甲展開型のリングを売るか、ユウヤ、ツグミが受け取り填める。

 スキルも提供された。

 ▽スキル追加

 装甲型:特殊装甲を展開するための特殊な装置。

 サモナー型:ウェアラブルPCのサモナー重視型

 テイマー型:ウェアラブルPCのテイマー重視型

 戦機型:アーツ型ともいえる戦技召喚型。

 ▽

 特殊なUSBを使い、これらの物を最適化し、ある程度の強化も提供された。


「PC使い、指輪使いか」

「そう呼ぶ者もいる」


 PC使いの者には、従者ストックがテイマー型ならテイムストック+2、サモンストック+1、サモナー型の場合はサモンストックが+2、テイムストックが+1だ。

 PC使いの戦機型の場合は登録される戦技が+2された。

 装甲型の場合は万能型というタイプの物で、バランス能力がより強化された物だ。

 これらの物は専用スキルと、装飾スキルが必要であり、対応した箇所の装飾スキルを必ず必要とするという落ちだ。

 装甲型は+リング、PC使いの方はメガネの為にメガネ(装飾系スキル)の他にもブレスレッド(装飾系スキル)の二つも取得し、これを装備する。

 当然の様にランクは☆×1の為に、必要になる塗料なども☆×1だ。

 この効果限界の事を話すと、生産系のプレイヤーには貴重な情報だ。

 裏ショップのボスも納得するような話らしい。

 この為に実験として四種類のタイプを受け取り染料を少しつける。

 ☆×1でも素材を大量に使い効果限界を底上げしたタイプの物を使う。

 森の下位・上位、草原の下位・上位、海の下位・上位、妖・大妖、鬼・大鬼、最高浄水の11個の素材を使った特殊な原液に、染料の藍色を混ぜた12個だ。

 これにHP・TP・MPポーション、アタック・プロテス・スピードポーションも混ぜた。素材が18種類という途方もない手間暇がかかった物だ。

 作るのが余りに大変なために二度と作らないとは断りは入れた。


「これを超える方法はあるが、途方もない手間暇がかかる。時間がいくらあっても足りないぐらいにな」

「マスター、そんなに大変なら手伝った方が」

「スキルのランクと数をかけた分だけある」


 さすがに誰もが口が開かない、面倒というレベルではないほどだ。


「ですが二人なら」

「気持ちだけは受け取っておくさ。ピローテスにはやってもらう事が多すぎる」

「マスター」

「ユキカゼの奴も早く戻ってくればよいが」

「ええ」

「後、装備には使っておけ、一人当たり100個は用意した」


 途方もない苦労が忍ばれる様な物量だ。

 レドの苦労の結晶の100個がそれぞれにトレードされ、裏ショップのボスに☆×2の物が100個提供された。

 重量としては小さなポーション100個分程度の重さもないが、直ぐに使うので特に関係もない。

 ウェアラブルPC、指輪、染料の掛かっていない衣類、靴、アクセサリー、武装などだ。

 30個程度を直ぐに消費するほどの物量だ。


「後だが、こんな物も作ってみた」


 一つの小さな小瓶に入れられたポーションの様なモノだ。


「ほう」

「☆×7の最高峰の物だ。さすがにクリエイトの限界だ」

「使い道はないが、確かに貴重な物だ。さてと、レドにはこれを渡そう」


 チケットの2枚だ。


「ランダムで召喚が可能なものだ。高確率で相性の良い従者が出る。低確率でその他が出る。運を試すと言い」


 使うと一人の女性が現れる。

 長い金髪に、豊満な胸を覆う衣類が、縦に開いた襟立ったのナイトドレスを着込んだ女性だ。


「わたくしに名前を与えてください」

「んじゃあリャナ」

「貴方の傍にいることを誓います。わたくし、リャナは」


 腕輪の方に吸い込まれる。


「テイムの方はないか?」

「そちらの方が適すな、一枚だけだ」


 渡されたチケットを受け取り直ぐに使う。

 一匹の白狼が現れる。

 円らな瞳をした白狼は、人懐っこい笑みを浮かべ、直ぐにレドの差し出した手の中に納まると、気持ち良さそうに寝息を立てる。


「おかえりユキカゼ」

「やっと帰ってきたおかえりユキカゼ」


 やっと戻ってきた一つの日常の一部だ。

 ▽従者追加

 リャナ:後衛系に属する召喚従者、主に攻撃・支援・状態変化・即死魔法に長ける

 ▽従者帰還

 ユキカゼ:リトルフェンリルに分類される氷粮の子供、主に前衛系に位置する。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ